- 運営しているクリエイター
#短編小説
童話『ある貝のお話』 2,975字
むかしむかし
海の底に一ぴきの貝が住んでおりました。
貝は他の魚達と仲良く暮していましたが、なぜかどこかさみしそう。
そして、ケガでもしているのか、いつも何だか少しつらそうなようすでした。
心配した世話好きなタツノオトシゴやタコが声をかけます。
「貝さん、だいじょうぶ?」
「どこか痛いの?わたしがケガに良くきく海草を持って来てあげようか?」
でも貝は「ありがとうございます。だいじょうぶです」
[短編小説】対小説:乙女の笑顔- 母娘物語
対小説 寝癖さんの「一杯いいかな?」はこちらから。
***************
「美鈴? あなたなの?」
玄関を開けた瞬間に 母の声が廊下に響く。
「ただいま」
生まれ育った この家を出て もう8年…
それでも、このドアを開ける度に 母の笑顔が パタパタと響く足音と共に出迎えてくれる。
「おかえり」
にっこりと微笑む母につられ 今回もまた もう一度繰り返し言ってしまう
「ただー