マガジンのカバー画像

ジェンダー論の観点からドラマ・映画・楽曲レビュー

13
気になったドラマや映画、楽曲をジェンダー・セクシュアリティの話題と絡めて考察します。
運営しているクリエイター

#アセクシュアル

ドラマ『18/40〜ふたりなら夢も恋も〜』で描かれるアセクシュアルの存在

ドラマ『18/40〜ふたりなら夢も恋も〜』で描かれるアセクシュアルの存在

今期のTBS火曜ドラマ『18/40〜ふたりなら夢も恋も〜』を毎週観ている。好きな芸人さんが出ているという理由で観始め、正直なんとなく観続けている感じだった。

主人公の18歳のシングルマザーと、40歳のキャリアウーマンが、夢と恋の狭間で葛藤する姿を描くこのドラマだが、例によってデミロマンティックの私は、感情移入少なめで距離を感じながら視聴していた。デミロマンティックは恋愛感情がゼロなわけではないの

もっとみる
『恋せぬふたり』第3話|人と人との関係に名前をつける必要なんてない

『恋せぬふたり』第3話|人と人との関係に名前をつける必要なんてない

特定の誰かを他人に紹介するときに、友達、同僚、恋人、家族、いろいろな言葉があると思う。しかし、既存の言葉では言い表せられない関係もあって、カテゴライズできなければその関係は脆い、なんてことは決してない。

そもそも「付き合う」ということの定義だって難しい。咲子(岸井ゆきの)は「一緒にいて楽しい」という理由で過去には「お付き合い」をした人もいたが、キスやセックスを伴う関係には抵抗があった。【恋人】と

もっとみる
『恋せぬふたり』第2話|理解を求めてるわけではなく干渉しないでほしいだけ

『恋せぬふたり』第2話|理解を求めてるわけではなく干渉しないでほしいだけ

『恋せぬふたり』第2話を観た。初回放送の何倍も苦しい気持ちになった。あらすじを少し振り返ってみる。(第1話はこちら↓)

咲子(岸井ゆきの)が男の人と一緒に暮らしていることを知り動揺する咲子の家族を安心させるために、恋人のふりをすることになった高橋(高橋一生)。
ところが、咲子の妹は、二人に対して手を繋いだりキスをしたりするよう促したり、馴れ初めや高橋の家族のことをズケズケと聞き出したりして、見る

もっとみる
『恋せぬふたり』第1話で描かれた反面教師たち

『恋せぬふたり』第1話で描かれた反面教師たち

アロマンティック・アセクシュアルが主人公の、NHKで放送中のドラマ『恋せぬふたり』。初回の放送は、アロマンティック・アセクシュアルの当事者が普段どのようなことで心を痛めているのかが分かりやすく示された反面教師的な内容で素晴らしかった。

もちろんドラマだから、デフォルメされている部分も多いのだけど、むしろそのくらい大袈裟に描かないと何が問題視されているのかスルーされてしまうから、それも含めて良かっ

もっとみる
「この人が好き」だと自覚するのはいつなのか?〜『その女、ジルバ』第6話レビュー〜

「この人が好き」だと自覚するのはいつなのか?〜『その女、ジルバ』第6話レビュー〜

フジテレビ系オトナの土ドラ枠で放送中『その女、ジルバ』第6話を通して、今日は恋に関する2つのテーマについて考えてみたいと思う。(ネタバレ有なのでご注意ください!)

※ドラマの魅力については第1話のレビューで紹介しています!

※ちなみに、今週末(2/20)まで第1〜6話がTVerで観れるようです!私は1円も儲かりませんが良いドラマなのでおすすめします!

「クリスマスに一緒に過ごす恋人がいない=

もっとみる
『パラサイト 半地下の家族』にラブシーンが必要なのはなぜか?

『パラサイト 半地下の家族』にラブシーンが必要なのはなぜか?

恋愛小説・恋愛映画というわけではないのに、ラブシーンが描かれる作品はかなり多いように思う。以前から疑問に思っていたことだったが、少し前に地上波で放送された『パラサイト 半地下の家族』を観て、ついにその疑問が爆発した。例の「時計回りに」のシーンが始まったときは、これいる???と心の中で思わずつっこみを入れてしまった。

そこで『パラサイト』を題材に、映画や小説などでラブシーンが描かれる理由を自分なり

もっとみる