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『恋せぬふたり』第3話|人と人との関係に名前をつける必要なんてない

特定の誰かを他人に紹介するときに、友達、同僚、恋人、家族、いろいろな言葉があると思う。しかし、既存の言葉では言い表せられない関係もあって、カテゴライズできなければその関係は脆い、なんてことは決してない。

そもそも「付き合う」ということの定義だって難しい。咲子(岸井ゆきの)は「一緒にいて楽しい」という理由で過去には「お付き合い」をした人もいたが、キスやセックスを伴う関係には抵抗があった。【恋人】という括りの中では、二人は一緒にいることができなかった。

咲子と高橋(高橋一生)の関係は、恋人でも友達でも家族でもない。しかし、1日では使い切ることができないポイントカードの特典を咲子がいたことで無駄なく利用することができた、そんな些細なことでも高橋にとっては咲子と一緒に暮らしている意味になる。

私自身も、人間関係を特別なものにしようと気負いすぎていたかもしれないとハッとさせられた。この人は友達だろうか?この人に恋愛感情は持てるだろうか? そんなものさしで測ろうとしてしまうと、自分は人との繋がりが希薄なような気がしてきてしまうが、人間関係にはもっと複雑でいろいろな形があっていい。

恋人ならこうしなきゃ、友達ならこんなことはしない、なんて決まりはない。少し心が軽くなった第3話だった。

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恋愛しない人が浮かない世の中に変える活動をするために使います。エッセイ以外にも小説を書いたり、歌も作っています。