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日々の思考と記録

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毒にも薬にもならないけれど、身体に染み込むように、思ったこと、考えたことを自分の言葉で書きます。拙くたって、伝わらなくたって、真摯に書く。
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2021年9月の記事一覧

エーデルワイスが教えてくれる

 地平線に夕日が落ちようとしている頃、ソプラノリコーダーの音が不意に聞こえてきた。聞き覚えがあるけれど、なかなか思い出せない曲。……そう、エーデルワイスだ。

 近くの小学生だろうか?
 ゆっくりとしたペースで時々音を外しながらも、繰り返し練習している。

 僕はそれを聞いていて、思わずほっこりした。
 男の子なのか、女の子かもわからないが、子どもが楽譜を見ながら、たどたどしく吹くイメージが湧いて

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落ち込んで立ち上がる

落ち込んで立ち上がる

 1ヶ月以上待ってようやく今日手に入るはずだったものが、諸事情で手に入らなかった。
 僕のせいではないだけに、その事実がわかった瞬間、正直に言って苛立ちを覚えた。チャンスはあるが、また待たなくてはいけない。

 しかし、責める相手も特にいないので、最終的にへこんでいる。

 思い通りにならないことだらけだ。何度も続くと、流石になにか大いなる力が働いているように感じてしまう。けれど、それは幻想に過ぎ

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単純

単純

 先日物語づくりのワークショップに参加してから、意欲が湧いて、小説を書いている。

 本当はそんなつもりなかったのに、続きを読んでみたいと言われたのに、気分を良くしてしまった。懐かしい10代の半ばで読書にはまり、厨二病を拗らせて、小説家に憧れて書いていた時期があった。

 結局、僕には最長で原稿用紙100枚くらいのストーリーを考えるのが限界で、他に関心が移ってやめてしまったが、妄想するのは今でも好

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揺らぎの中の安定

揺らぎの中の安定

 心が揺れている。
 けれど、この揺らぎは健全だと思っている。

 安定の足場があれば、確かに楽だ。ただ、その安住に居座ってしまう。
 生物はずっと変わり続けている。植物は種から芽を出し、花をつけ、枯れる。動物は生まれて、成長し、老いて死ぬ。同じ状態はないのだ。

 それを思えば、1ヶ所に固着するのではなく、不安定さに身を任せ続けることが自然であり、変化に対応できる姿なのではないか。

 そう信じ

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意思表明

意思表明

 毎日書かなくなってからの方が、怠惰な生活になっている。
「なにもできなかった」と感じる日が何度かある。思えば、毎日日記を書いている時は、その日に書くべきことを自分なりに探していた。その結果、行動するきっかけにはなっていた。

 また、いくつかのオンラインイベントに参加しても、文章にしないことで、自分の学びにもならないし、記憶に残っていかない。

 これはいかんと感じているので、もう少し書く頻度を

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困惑

困惑

 すごくコミュニケーションがしづらい感覚がずっとつきまとっている。
 オンラインとリアルのような環境の違いではなくて、そもそも人との会話をする段階で既に躓いているのだ。思い通りに聞けない、伝えられない経験はこれまで数えきれないほどしてきたが、質が違う。
「わたしとあなた」の間に見えないアクリル板が挟まってしまったかのように妨害されているようだ。

 今から話をしようというのに、確認事項をいくつも手

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ブーメランは戻り、這って進む

 ここ数日、他者に向けて発した言葉がブーメランのように己に返ってくる。

 これまでのことを考えても、なにかが解決するわけではない。これからのことを考えるのだ。
 他者の言葉はフィードバックとして有効だが、最終的に行動の責任を取るのは自分だ。
 終わってみれば確かに楽しかったのだけど、渦中にいる時は楽しむ余裕もないくらい必死になんだよね。

 それぞれ別の機会、別の人との会話の中で発した言葉が突き

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被害者にも加害者にもならない

被害者にも加害者にもならない

 結構辛辣な言葉をかけられた。ただ、理屈としては間違っていないし、相手なりの思いやりがあるのはわかったので、ただただへこんでいた。

 そのへこんだ部分が時間と共に、元に戻りつつある。自分の感情に整理がついたら、また目の前のことに取り組むだけだ。

 相手を加害者にしない。
 ここ数年で学んだことだ。たとえ自分が傷ついたのだとしても、相手に悪意があったとは限らない。わかりあう努力をしてからでも遅く

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そっちじゃないけど、まあいいや

そっちじゃないけど、まあいいや

 自分の知らぬところで働きを評価されていて、少し責任と難易度の高い仕事を依頼されたのだが、その理由がわからなさすぎた。
 誠実に取り組んでいるという言い分なのだが、実際はおざなりとは言わないものの、自分の負担が少なくなるようにやっていたのだ。しかも、僕はそれを隠さずにオープンに言っていた。

 時折こういうことが起こる。何気なくやっていることが好評で、そのくせ自分が力を入れていることが全然相手にさ

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無駄をなくすとやることが増える

無駄をなくすとやることが増える

 無駄を無くしてはいけない感覚が以前からあった。しかし、言語化しようとするとなかなか自分のイメージにあった言葉が出てこなかった。それがおぼろげながら形になってきた。

 無駄が大事というよりも、無駄を減らすとやることが増えてしまう。効率を突き詰めれば、24時間でできることは増えていくのだから当然だと思うかもしれないが、そうでもない。無駄を減らすことで、今まで必要のなかったタスクが発生してしまうのだ

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悩み続けるかっこよさ

悩み続けるかっこよさ

 好きでやりたかったはずのことを、いつの間にかできなくなってしまうことってある。

 最近、お笑い芸人さんのラジオをよく聴くのだが、「お笑い番組を見なくなった」という人がたまにいる。お笑い番組を見るのが大好きで、だれかに憧れて「自分もやりたい」と思って、門を叩く。

 厳しい世界を生き抜くために、試行錯誤しながら芸歴を重ねていった結果、視聴者としては楽しめなくなってしまう。それは、演者として「自分

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ほんのわずかな「できること」

 自分の他者に対する無力さを認めることは、他者の可能性を信じることだと思う。

 なまじ自分には影響力があって、人を救えるなんて思ってしまうと、どんどんのめり込んでしまう。相手が変わらなければ変わらないほど、「自分のなにかが足りないんだ」とよりエネルギーとコストを相手に費やすようになる。その結果、変わったとしても、結局自分なしでは生きられなくなってしまう。

 けれど、自分はこの人に対してできるこ

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