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見たもの、聴いたもの、読んだもの。
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『PERFECT DAYS』??

『PERFECT DAYS』??

ヴィム・ヴェンダース作品は初めて。

観ている間ずっと、この作品のコピー「こんなふうに生きていけたら」が引っかかっていた。本当にそう思う?なんかいいとこしか映ってなくない?「こんなふうに生きていけたら」なんて思う人は、今の便利で恵まれた生活があるからこそ、安全地帯で「こんなふう」にならないと分かっているからこそ、思うんじゃないの?

平山だって生まれは裕福みたいだし、トイレ清掃員で質素を極めた生活

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『枯れ葉』

『枯れ葉』

『コンパートメント No.6』以来の、久しぶりのフィンランド映画。アキ・カウリスマキ監督作品は初見。

とにかく、すべてのショットが美しかった。どこを切り取っても、絵画のよう。時にはバロックの宗教画、時にはオランダの集団肖像画、はたまたハマスホイの作品、ポップアートの雰囲気さえまとうシーンもあったような気がする。光の差し込み具合、色彩の使い方が息をのむほど美しかった。

抑制的な演技も私好みなもの

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日本建築史を知りたい

日本建築史を知りたい

私は美術史専攻なのだが、学芸員資格のための講義で日本建築史をほんの少し齧ってから、それに興味を抱くようになった。だがほどなく卒論の執筆が始まり、それどころではなくなってしまった。そして卒論を提出した今、やっと少しずつ本を読んでいる。新しい分野のことを知るってとても楽しい。

まず読んだのが坂牛卓の『教養としての建築入門』。とっつき易く、とても読みやすかった。読みやすすぎてすぐ読了してしまい、少々物

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『カラオケ行こ!』

『カラオケ行こ!』

最高の綾野剛のPVだった。

私は、和山やまの『女の園の星』が大好きだ。同じ作者というつながりで『カラオケ行こ!』も読もうと思った矢先、映画化されることを知った。私には原作厨の素質があるので、映画がどれだけ良くても原作のことが脳裏を過り100%映画を楽しめないことが容易に想像できた。だから、漫画を読むのは映画の後のお楽しみにすることにした。

映画を見終えて、漫画も読了した今、その選択は間違ってい

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『サタデー・フィクション』

『サタデー・フィクション』

中島歩が出ていると知り、それ以外の情報はほぼ入れずに鑑賞した。中島歩はやっぱり演技がとても上手い。作品ごとで、その演技の「演技っぽさ」のチューニングが上手いのだ。周りと演技の方向性で浮くことがなく、かつ存在感を確かに示している。

お話の流れとしては、劇中劇により入れ子構造になっており、外側と内側の物語が一致する瞬間は見事だった。群像劇とまではいかないものの、登場人物が多く入り乱れているため、前半

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『アラビアン・ナイト 三千年の願い』

『アラビアン・ナイト 三千年の願い』

綺麗なポスターに惹かれて、前情報は全く入れずに鑑賞。ティルダ・スウィントンの演技を観たことがなかったからそれが観たかったというのもある。ティルダ・スウィントンは赤とボブが似合う美人だった。

前半はジン(魔人)の過去の話、後半はアリシアとジンの2人の物語。始めは、あまりにジンの回想が長く詳細かつ多様であるため物語の主眼が過去の回想なのか現在の話なのか分からず困惑したが(そこで眠くなってしまう人

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『聖地には蜘蛛が巣を張る』

『聖地には蜘蛛が巣を張る』

イランで実際に2000〜2001年に起きた娼婦連続殺人事件を基にした物語。事件を追うジャーナリストのラヒミと犯人サイードの2つの視点で進む。

サイードには妻子がおり一見害のない人物に見えるが、その信仰深さ故に娼婦を、聖地を穢すものとみなして16人もの命を奪う。そこにあるのは使命感のみ。罪悪感や殺人による興奮や快楽もない。そこがより恐ろしい。彼個人の問題ではなく、宗教や習慣、文化によって形成された

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高瀬隼子『いい子のあくび』を読んだ

高瀬隼子『いい子のあくび』を読んだ

noteで見つけた素敵な文章を書く方が紹介していた『いい子のあくび』。
あらすじを見ると「これ私じゃん」と既に共感の嵐だった。「いい子」は私だ。その記事は出先で読んでいたから、帰り道に書店に寄り、注文して取り寄せてもらった。

これが昨日の話。そして今日、もう届いたと連絡があり、急いで受け取りにいった。はやる気持ちを抑えて、丁寧に読み、ついさっき読み終えた。

私は小中学生のときは割と読書量の多い

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2023年に聴いた音楽

2023年に聴いた音楽

Apple Music Replay'23を参考に2023年、私が何を好んで聴いていたかを振り返る。

トップアーティスト1. Sweet William(4120分)

Sweet Williamは、今年から本格的に聴くようになった。本格的に、というのはkiki vivi lilyとコラボした曲は好きで聴いていたからだ。Sweet Williamのおかげで、インスト曲の良さを知った。よく夜の散歩

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2023年マイベスト映画

2023年マイベスト映画

まだ12月も始まったばかりだけれど、きっと卒論に追われて映画を観る余裕もないので、今年観た71本(もう少し観たかった...)の中からベスト10を選出した。順不同。

『生きる Living』ビル・ナイの演技が素晴らしい。同じ歌を歌うシーンが2回出てくるのだけど、2回とも泣いた。

『TAR/ター』密度が濃い映画。アマプラでもう一度観たい。ケイト・ブランシェットの存在感に圧倒される。

『リバー、

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自己紹介

自己紹介

2001年生まれの地方国立大学生。モラトリアムの期限が迫っている。卒論にも追われている。現実逃避のためにnoteを始めた。

好きなもの絵本のキャラクター

ミッフィーやバムケロ、ムーミン、リサとガスパール、『しろくまちゃんのホットケーキ』のしろくまちゃんとこぐまちゃん、ノラネコぐんだんなどが好き。あと絵本のキャラクターではないけれどSuicaのペンギンもぬいぐるみを買うほど好き。

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