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道路で寝転ばなくてえらい
「今日も生きてえらい」
元気な時はいい言葉だと思ったけれど、沈んでしまうと「死への衝動がなかっただけだ」と思ってしまう。
重心を前に傾けると勝手に足が出る。それを繰り返してなんとか歩いている。
そんな時、「ああ、このままここで転けてしまったりしないかな」「そうしたらそのまま道路に張り付いて意識のスイッチを切って寝てしまいたい」なんて考える。「次は足が出ないかもしれない」と考えてる間にも2歩進む。
クラウド化された思考
私は、自分の頭で考えている。
それを疑ったことなど微塵もなかった。
もちろん、思考の根拠の全ては、
自らの経験に基づいたデータや、どこかで手に入れた知識で、
自分で0から生成するものなどないけれど、
それでも最後に考えているのは「自分」だと思っていた。
だけど、その判断基準、例えば何かの「善し悪し」を決める時の、
その線引きは、法律かマナーか、世間の評価か。
それが何に基づいているかといえば、
愛する人の幸せは願わない
今日だってあなたを思いながら 歌うたいは唄うよ
ずっと言えなかった言葉がある 短いから聞いておくれ
「愛してる」
出典:斉藤和義『歌うたいのバラッド』
「愛する」という言葉の意味について、考え出したのは、この歌に出逢ってからだったと思う。
この「愛してる」をどう言う風に歌えばいいのか、高校生の私にはわからなかった。それまでは順調に歌えるのに、このフレーズに差し掛かるたび、足元が宙に浮いているよ
デザートはプリンです!第4話
彼についていったのは、脅されたからというよりは、内容と不釣り合いなほど丸みを帯びた黒丸の話し方に安らぎを覚えてしまったからか、もしくは命を危機を感じるほどの刺激を求めていたのか、とにかく私はそれが決まっていたことかのように家を出てしまっていた。
まり