かいじゅうと少年②
ある晩、少年の村に盗賊がやってきました。
食料や生活用具など、あらゆるものを奪っていきます。
村の人々も、盗賊の仲間にするためみんな攫われてしまいました。
少年は体が弱かったため、村に残されました。
翌朝、少年はみんなを助けるため盗賊のアジトに向かいました。しかし、詳しい場所が分からず、森の中で迷ってしまいました。
少し開けた場所に出ると、そこには大きな大きなかいじゅうが身を丸めて座っていました。
少年は、とても驚いて、後ろにひっくり返りました。しかし、すぐに立ち上がってかいじゅうに問いかけました。
「どうしてそんなにまるくなっているの?」
するとかいじゅうは答えます。
「みんなに見つからないようにだよ。
ぼくの姿を見るとみんな怖がっちゃうからね。」
少年は不思議そうに首を傾げます。
「どうして?こわくなんかないよ。
すごく大きくて、すごく強そうで、かっこいいよ。」
かいじゅうは、はじめていわれたことばに目を丸くします。
「ほんとに?本当にそう思う?
ぼくがこわくないの?」
「うん!いいなぁ、ぼくも君くらい背が高くて
強かったらなぁ。」
「へへ…ありがとう。
きみは素直で優しいね。それにすごい勇気がある。
ぼくも君くらい勇気があったらな。」
二人はお互いに褒め合います。
「かいじゅうくん、きみの名前はなんていうの?
ぼくの名前は、ユラだよ。」
「ぼくの名前はパブロだよ。
よろしくね、ユラ。」
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