JW654 高屋宮
【景行征西編】エピソード25 高屋宮
第十二代天皇、景行天皇の御世。
西暦82年、皇紀742年(景行天皇12)11月。
景行天皇こと、大足彦忍代別尊(以下、シロ)の一行は、ついに、宮崎県に入った。
ここは、宮崎県延岡市の西階町。
野見「して、大王? これより、如何なされまするか?」
シロ「うむ。まずは、高千穂に行宮を設けようと思うておるが・・・。」
ナッカ「思ってるが・・・何すか?」
シロ「そのまえに、詣でたい社がある。」
舟木「その社とは?」
シロ「鵜戸神社じゃ。」
ワオン「鵜戸神社? もしや、それは・・・。」
シロ「そうじゃ。神武天皇が、東征の折、国土平定を祈願した社じゃ。」
小左「エピソード2で紹介されておりまするな。」
影媛「して、鎮座地は、何処になりまするか?」
おやた「宮崎県高鍋町の蚊口浦にござる。」
こうして、一行は、鵜戸神社に向かった。
シロ「戦勝を祈願したぞ。これで、百人力じゃ。」
もち「ここで、神武天皇と『おい』の先祖、道臣命が語らったんかぁ。」
夏花「この物語のオリジナル設定ですぞ?」
もち「じゃっどん、ここに来たことは、確かっちゃが!」
タケ「まあまあ、そう熱くならんでも、良かろう。」
もち「『タケ』先生は、熱くならんのですか? 先祖が歩んだ地に来ちょるんですよ?!」
タケ「う・・・うむ。若き日に、いろいろと旅したゆえ・・・。」
もち「なんとぉぉ! その手があったかぁ!」
シロ「で・・・では、高千穂に行宮を設けるぞ。」
百足「その名も、高屋宮にござりまする。」
ウナ「候補地は、三つ有りまする。」
シロ「何? 三つも有るのか?」
たっちゃん「一つ目は、宮崎県西都市の岩爪に有る、黒貫寺じゃ。」
シロ「寺? 後の世に伝わる、仏の教えの社にござりまするな?」
たっちゃん「うむ。いろいろあって、寺になったようじゃ。黒木造りだった宮が、黒貫の語源と伝わっておるぞ。」
モロキ「寺の向かい側には、高屋神社が鎮座しておりまするぞ。」
えっさん「祭神は、大王と大国主大神にあらしゃいます。」
やぁちゃん「二つ目は、宮崎県宮崎市村角町橘尊の高屋神社にござりまする。」
シロ「こちらも、我が祀られておるのか?」
やぁちゃん「はい。されど・・・。」
シロ「ん?」
ヤヌシ「山幸彦こと『ヤマピー』と、豊玉姫こと『トト姉ちゃん』も祀られているなり。」
シロ「ん? なにゆえじゃ?」
ヤヌシ「実は・・・こちらの社は『ヤマピー』の陵の地とも伝わっているなり。」
シロ「なっ! 御先祖様の陵の傍に、宮を建ててしもうたのか?」
やぁちゃん「そのようですね。」
ヤヌシ「ちなみに、『日向五郡八院舊元集』には、武内宿禰こと『たけし』が『ヤマピー』の陵と知って、社を建てたと書かれているなり!」
シロ「ん? 『たけし』? 何者じゃ?」
ヤヌシ「我の息子なり!」
シロ「汝に息子が居ったのか?」
ヤヌシ「産まれてくる予定なり!」
シロ「そ・・・そうか・・・。」
リトル「うぎゃう! うぎゃう!」
タケ「なになに・・・『ヤマピー』生誕の地と伝わる、安園という地名があるのか?」
真白「ワンワン!」
タケ「なになに・・・きっと、二千年後の安尊のことであろうと?」
シロ「ん? 『タケ』先生?」
ルフィ「キキッ! キキキッ!」
タケ「ふむふむ・・・臍の緒を切った竹刀を投げた処と伝わる、竹園という地名もあるのか?」
いっくん「凄い展開やけど、言わせてもらいますよ。竹園は、二千年後の高尊やと思いますよ。」
ルフィ「キキッ。」
タケ「間違いないと?」
シロ「と・・・とにかく、御先祖様の陵の傍に、宮を建てたやもしれぬのですな?」
タケ「そういうことじゃな。」
影媛「して、三つ目は?」
もち「後日の紹介になるじ。」
シロ「なにゆえじゃ?」
もち「三つ目は、鹿児島県になるかい、ここでは、割愛させてもらうっちゃが。」
シロ「鹿児島?」
とにもかくにも、高屋宮が建造されたのであった。
つづく
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