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JW542 交代と創建

【伊勢遷宮編】エピソード1 交代と創建


第十一代天皇、垂仁天皇すいにんてんのう御世みよ

紀元前5年、皇紀こうき656年(垂仁天皇25)3月10日。

ここは、纏向珠城宮まきむくのたまき・のみや

地図(纏向珠城宮)

垂仁天皇こと、活目入彦五十狭茅尊いくめいりひこいさち・のみこと(以下、イク)は、ある決定をおこなった。 

イク「その通り! 天照大神あまてらすおおみかみこと『アマ』様の御杖代みつえしろを交代させるんだよ!」 

ここで大連おおむらじ大夫たいふたちが、過敏かびんに反応した。

人物一覧表(垂仁天皇の側近)

ニック「大王おおきみ? 交代は、すでんでるでぇ?」 

ちね「せや! 豊鍬入姫とよすきいりひめこと『きぃ』様と、倭姫やまとひめこと『ワッコ』様の交代は、既に済んでる話や!」 

オーカ「エピソード441にあらしゃいます。」 

くにお「拙者せっしゃも、そこが気になっておりまする。わざわざ、此度こたびの記事を紹介せずとも良いのでは?」 

カーケ「何かわけが有るのかね?」 

ひばり「みなの気持ちも分かりまするが、大王おおきみは『日本書紀にほんしょき』の記述を大切にされたいのです。」 

カーケ「どういうことかね?」 

イク「うん。交代は、既に済んでいる。でも、それは伝承でんしょうであって、くに公式こうしき記録きろくではないんだ。」 

武日「非公式ひこうしきっちゅうコツか?」 

イク「そういうことだね。だけど、僕は大王だ。政府の公式記録を無視することなんて出来できない。そこで、改めて、交代をおこなおうと思うんだ。」 

そこに、二人の皇女ひめみこがやって来た。

「きぃ」と「ワッコ」である。 

系図(きぃ、ワッコ)

きぃ「読者の皆様みなさま、お久しぶりにございます。」 

ワッコ「伯母上おばうえ! お久しぶりにござりまする。」 

きぃ「狭穂姫さほひめこと『さっちん』殿どののことは、黄泉国よみ・のくにから見ておりました。まさか『ワッコ』ちゃんの母君ははぎみが『さっちん』ではなく『ひばり』殿だったなんて・・・。本当に驚くばかりで・・・(´;ω;`)ウッ…。」 

ワッコ「伯母上・・・(´;ω;`)ウッ…。」 

イク「ちょっと! 義姉上あねうえ! それに『ワッコ』! 僕とも、久しぶりに会えたんだから、少しくらい喜んでよね! それに・・・『さっちん』のことは・・・言わないでよ・・・(´;ω;`)ウッ…。」 

きぃ「『イク』ちゃん・・・大王・・・(´;ω;`)ウッ…。」 

ワッコ「お・・・大王おおきみ大后おおきさき。私は、つつがなく暮らしておりまする。御安心くださりませ。」 

ひばり「そうですか。早く約束の地に辿たどくと良いですね。」 

ワッコ「はい。もう、そろそろだとは思うのですが・・・。」 

きぃ「まだ、辿り着いてないのですね・・・(;^_^A」 

イク「そうなんだよ。ちょっと長すぎるよねぇ?」 

オーカ「何を言うてますのや。たたられますよ?」 

イク「うっ・・・。」 

ひばり「と・・・ところで『ワッコ』。伊勢いせに戻るおりは、淡海おうみ経由けいゆして帰るのですよ。」 

地図(淡海経由)

ワッコ「分かっておりまする。」 

イク「えっ? どういうこと?」 

カーケ「何か使命を感じるんだぜ。」 

ワッコ「左様さようにござりまする、大伯父上おお・おじうえやしろてる使命が有るのです。」 

こうして、なにはともあれ、交代は無事に済んだのであった。

そして・・・。

ここは、淡海国おうみ・のくに。 

ワッコ「さて、今年、私が創建そうけんしたと伝わる、白鬚神社しらひげじんじゃを建てねば・・・。」 

白鬚神社(大鳥居)
白鬚神社(拝殿)

きぃ「『ワッコ』? 祭神さいじんは、どのような神様になるのです?」 

ワッコ「伯母上?! いのにござりまするか?」 

きぃ「最後の御奉公ごほうこう・・・といったところですかね。」 

ワッコ「かたじけのうござりまする。ちなみに、祭神は、猿田彦大神さるたひこ・のおおかみにござりまする。」 

きぃ「鎮座地ちんざちは?」 

ワッコ「滋賀県しがけん高島市たかしまし鵜川うかわにござりまする。」 

地図(白鬚神社)

きぃ「やしろうしろにそびえる、比良山地ひら・さんち御神体ごしんたいという説も有るみたいですね。」 

地図(比良山地)
比良山地(遠景)

ワッコ「伯母上・・・ロマンにござりまするなぁ。」 

こうして、無事に白鬚神社が創建されたのであった。 

つづく

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