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さよならを抱きしめて
年が開けるほんの少し前。
思い出してしまった、あなたのこと。あなたを思ったら、不思議と色んな言葉が浮かんできた。
心通わずだったから上手くいかなかった。でもね、思うんだ。それで良かったのかもしれないって。
いつだったか、話をしたよね。あれから、どうだったのか、教えてくれたよね。わたしからも言えることは何もなかったけど、それも良かったのだと思うことした。
言えなかったことの後悔を胸に生きるのは、苦しいから、そう思うことにした。
愛は地球を救うだとか、そんなこと信じていないけれど、愛は有限だって知ったよ。愛していた事実は消えないのなら、それが答えだと思うの。
声に出して、あなたに伝えたことはないけれど。愛していたの、どうしようもなく、愛していたの。だからわたしたちは上手くいかなかった。
言葉にできたのに、愛していたのに、言えずにいた。
その理由を、答えを、わたしは知っている。あなたは、きっと、それにすら辿り着けない。あまりにも一方的で、自己的で、あなたを好きになったわたしの姿なんて、みえていなかったもの。
悲しくなっちゃったことすら、遠い思い出になってしまった。
わたしは結婚したよ。あなたと似ても似つかない、真っ直ぐに向き合ってくれる人との子どもを産んだわ。幸せよ、とても。
あなたを選べなかったわたしの心情も、きっと分からないまま、あなたはこの先も、生きていく。
分からないまま、生きていけばいい。わたしを忘れて、生きていけばいい。
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