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「旅人を見守るDNA」を受け継ぐ紀伊路の人々(小川雅則/和歌山大学客員教授)
和歌山大学・紀伊半島価値共創基幹の小川雅則客員教授は、田辺市役所や田辺市熊野ツーリズムビューローで勤務してきました。熊野古道における観光振興に長年携わってきた視点から、「今、紀伊路を復興させること」の意義などを語っていただきました。
――これまでの観光行政において、紀伊路はどのような立ち位置にあったのでしょうか?
観光行政としては、中辺路へ全てのエネルギーを集約させていたので、なかなか紀伊路と
民俗学から見る紀伊路 川を境目に変わる文化圏(吉村旭輝/和歌山大学准教授)
和歌山大学の紀伊半島価値共創基幹で、民俗学や芸能史を研究している吉村旭輝准教授は、これまで何度も紀伊路沿いの地域でフィールドワークを行ってきました。
2023年11月に「紀伊路SCAPE」のメンバーと一緒に紀伊路を歩いたことで、「いつもと違った視点で地域を見ることができて、地域の良さがわかりやすく浮かび上がった」といいます。見方によって異なる表情を見せる紀伊路や、民俗学の観点で見た紀伊路などについ
紀伊路全体を歩き通すからこそ見える、歴史やつながり(上野正芳/日本経済新聞記者)
日経新聞記者の上野正芳さんは、熊野古道が世界遺産に登録されて20周年となる2024年に合わせて、半年以上にわたる長期連載「熊野古道を歩く」を執筆されました。熊野古道の中辺路や小辺路、大辺路を歩き通して取材し、周辺に暮らす人々の営みや、巡礼道に根付いた歴史や文化を伝えてきました。
紀伊路SCAPEのメンバーとも紀伊路を6日間歩き、その道中の一部は連載でも紹介されています。ともに歩いた紀伊路の道のり
時空がうつろう旅、紀伊路(佐々木淳/紀伊路SCAPEリサーチディレクター)
自分はいまいったい、何をしているのだろう。
そう思わずにはいられない、どうにも「茫漠とした」時間の連なり。
そんな時間にだんだん馴染んでいくと、次第に自分の知覚や気分のほうが変わっていき、いつのまにか心身がすっかり入れ替わってしまう。
リサーチャーとして、足掛け3年をかけて紀伊路をリサーチしてきた。
大阪~田辺(~清姫)の全線踏破も3回行った。文字通り10日間連続での全行程体験だ。その上で、紀