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春の賃貸を抜け出して、夜をやり過ごすこと
僕はこの公園の空気も、夜の桜も、街灯も、全て愛していた。
君はどうだろう。
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こんなものは僕の救いでもなんでもない。
血肉でもなんでもない。
僕の先走った死体から湧いてくる腐敗臭を、
三十一文字にまとめあげて、
まるで僕を構築しているかけがえのない言葉のように、
操り、
インターネットに接続する。
自分の短歌が美しかったら、僕が美しいというわけではない。
歌に明るいあなたなら、
もうお分かりだと思うが
僕はもっぱら虚構専門の歌人である。
こんなものは一生付き合ってゆく呪
まじどうでもいい雑感
欲しいものがなにかわからない のになんか欲しい もがくのをやめたら終わる気がして音楽をやる
スネアを鳴らすと 連続して鳴らすと うるさい 心地がいい 死ね とおもう 誰かに対して ではなく
0:45から入るストリングスは 君が纏った死の匂いを音って型に閉じ込めたもの 僕のボーカルが埋もれて 心地よい もっと深く深くリバーブを掛けて沈めようかなと おもう どう?
死ね とおもう 誰かに対してで
詩人の密集した多目的トイレで僕の文体が犯されている
ベッドで、椅子で、上の空が綺麗にみえるから、ずっと見ていた。
この僕の詩集のくだらなさには吐き気がする。これは売らない。
死が欠如した満月の寺、僕は悟っていない。なにかを。まだ。
八月から九月にかけてやってくるあれにはうんざりした。侮蔑は美しい角度から唾のように垂らすものだ。
ここまで僕のノートを盗み見た君を、生きては帰さない。
僕はリアリストの毛皮を上手に着こなした、本物の詩人なので。
こんな頭痛すら懐かしい天国でふたりのアパートを借りに
黒い冷蔵庫とうつ伏せのあなた。
中身はどちらもきれいなトマトだけ。
サイレースが潤んできたら、
買い物に行こうか。
ゴミ捨て場にすべてがあるさ。
部屋にはもう何もないのだし。
サイレースが潤んできたら、
散歩にでもでかけようか。
/木田昨年