誰でも「おもしろい文章」が書ける裏ワザ

「おもしろい」は最強です。おもしろいは楽しいですし、笑えますし、落ち込んだ気分を吹き飛ばしてくれます。

しかし、「おもしろい」は最強であるが故に大きな弱点を抱えています。それは再現性です。

おもしろいは誰でも作れるわけではありません。製作者側のセンスに大きく依存するものです。そう考えると結局「おもしろい」は一部の天才しか扱えないシロモノなのです。あ〜残念無念。


……ほんとにそうでしょうか?誰もが「おもしろいを」作れる。そんな方法があるとすれば、知りたくないですか?

今回は「おもしろい」の特徴と、作り方について紹介していきます!

参考書籍

情報に感情を込める

「おもしろい」とは、ざっくりいうと「感情が動く」ことです。笑える、泣ける。怖い、勇気が出る…

おもしろいものを目指すためには、とにかく読み手の感情を動かさなければいけません。

では感情を動かす文章というのはどういったものでしょうか。

これも答えはシンプルです。ずばり、「内容がおもしろい」

もちろん森見登美彦さんみたいな、表現や言い回しで面白さを演出できる方もいらっしゃいますが、それは一部のプロだけです。

パンピーはとにかく「内容で勝負」が鉄則です。

内容がおもしろい文章の理想は「共感8割、発見2割」です。発見が多い文章は非常に刺激的ですが、その分読者が疲れてしまいます。たとえば下記の文章は「パプアニューギニア」を説明したWikipediaの文章の一部に手を加えたものです。

パプアニューギニアは南太平洋にあるニューギニア島の東半分および周辺の島々からなる立憲君主制国家です。東南アジア諸国連合(ASEAN)の特別オブザーバーですが、地理的にはオセアニアに属します。オーストリアの北、ソロモン諸島の西、インドネシアの東、ミクロネシア連邦の南に位置します。

ほとんどの人からするとこの文章は「新しい情報」だらけのはずです。でもこれ、読んでいて面白いですか?私はぶっちゃけ面白くないと感じました。

教科書を読んでいる感覚に近いです。原因はわからない固有名詞のオンパレードです。わからない固有名詞が多すぎると、理解が追いつきません。

この文章を著者がリライトしたのが下記の文章です。

「パプアニューギニア」って聞いたことありますよね?
どこにあるかわかりますか?

地図でいえば、オーストリアの上にあります。30代後半以上の人であれば「南国少年パプワくん」を思い出す人もいるかもしれません。「南国の、ほのぼのとした国」というイメージを持つ人も多いでしょう。

でも実はこの国、第二次世界大戦前までは「パプア」と「ニューギニア」という2つの地域に分かれていました。戦時中は日本軍と連合国軍がこの土地で争い、約21万人もの兵士が戦死。大戦後に2つの領土が統合されて「パプアニューギニア」と呼ばれるようになったのです。

どうですか。固有名詞がグッと減り、身近な話題と関連づけて紹介されていますよね。実はおもしろい文章の8割くらいは、決して新しい情報ではありません。たとえばこの部分↓

パプアニューギニア」って聞いたことありますよね?どこにあるかわかりますか?地図でいえば、オーストリアの上にあります。
「南国少年パプワくん」を思い出す人もいるかもしれません。「南国の、ほのぼのとした国」というイメージを持つ人も多いでしょう。

目新しい情報はありません。ただ、この部分には「書き手と読み手のあいだの溝」を埋める効果があります。パプアニューギニアという未知に近い情報を、親しみやすい、すでに知っている情報と組み合わせています。

こうすると新しい情報をが際立ち、より伝わりやすくなります。既知の情報は共感を呼びやすいからです。

共感で引っぱりつつ、残り1〜2割くらいで「そうなんだ!」「なるほどね!」と思わせる。こうすることで「新しい考え方・できごと・情報」がそこまで多くなくても「おもしろい文章」が作れます。

「共感8割、発見2割」を頭に入れて、面白い文章を作ってみましょう!

「共感」を入り口にする

「共感」はおもしろいコンテンツを作るための重要な要素です。

そのため「あるあるネタ」はどの媒体でも需要があります。「自分だけじゃなかったんだ」という一体感がコンテンツに生まれるからです。

また共感は信用に変わりやすい性質があります。

飲み会の帰りに微妙な知り合いと一緒に帰るのがつらいから「ぼく、コンビニ寄って帰りますね」って言ったら「あ、じゃあ私も」ってついてきちゃって、うわああってなる。

「人見知りあるある」です。個人的にはついてきちゃうと焦る反面、私といると嫌じゃないんだなと安心する気持ちになります。

「あるある」が上手くハマると「あ、この人、同じ感覚だ」と読み手に思ってもらえます。すると「この人私のことよくわかってる」と信用してもらえるのです。

ただし共感ばかりの文章は飽きられやすいです。既知の情報だらけになるため、読み続けるとしんどくなります。

発見と共感のバランスを意識して文章を作成してみましょう。

「期待通りの部分」と「期待を超えた部分」をバランスよく配合する

読者が書き手に期待する部分を理解し、素直に応えてあげると、それが「おもしろさ」に繋がります。

人はなんだかんだ予定調和が大好きです。水戸黄門の印籠が好きで好きでたまらないんです。

たとえばひろゆきさんは番組に遅刻することで有名です。しかし彼は一向に遅刻グセを治そうとしません。

「遅刻したとしても成果さえ出せばいい」と考えているからです。むしろ「成果をまったく出していない人が時間どおり来ても“売り上げが立たないからいらない」「能力のない人ほど、遅刻しない自分がすごいって言いたがる」など、とんでもない発言ばかりしています。

でも、これがファンからすると「おもしろい」んですよね。きっと自分が期待するひろゆき像に、この発言がピッタリ当てはまるからです。

このように「その人が言う」ことが求められているなら、それは立派なコンテンといえます。

ちまたにあふれている自己啓発本は似たようなことばかり書いてありますよね。「夢はあきらめなければ叶う」「習慣は人生を左右する」「朝活は大事」大体こんなのばっかです。

それでもこのジャンルが廃れないのは、作者にこれらの発言を求めているからです。

反対に斬新なことばかり書いてあると、人は反応に困ってしまいます。奇抜な人は一部から信奉されますが、人気者にはなれません。そこで「共8割、発見2割」の法則が役立ちます。

「夢は叶う」「習慣は人生を左右する」「朝活は大事」と、8割で共感させておいて、残りの2割で「人脈はクソだ」と斬新なことを言います。

すると読者は「これは新しい!」と感じ、「おもしろい」と思ってくれるのです。

何度も書いていますが、完全に新しい情報は必要ありません。

誰が書くがで文章のおもしろさは大きく変化するのです。

まとめ

おもしろい文章の理想は「共感8割、発見2割

共感を呼ぶコンテンツは読者から信頼される

書くときは期待通りの部分を8割、期待を超えた部分を2割意識する。

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