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誰でもできる上手な文章を書く練習法
突然ですが皆さん、絵が上達するもっと効果的な方法はなんだと思いますか?
……ええそうです。「模写」です。プロが描いた絵を模写することで、思考をトレースできます。
では英語のスピーキングを上達するコツはどうでしょう?
……そうです。真似っこです。ネイティブの言い回しを真似することが上達の近道です。
では文章は?もうわかりますよね。
今回は名文を使った練習方法を紹介していきたいと思います!
参考書籍
なぜ文章の上達に「名文」が必要なのか
![](https://assets.st-note.com/img/1656524535242-nXpR8QfB3n.jpg?width=1200)
文章を上達させるためには、手本となる名文を読むことが大切です。名文と呼ばれるような優れた文章を読むメリットは主に3つあります。
1 語彙を増やせる
2 言葉づかいを学べる
3 文章のリズムを身に付けられる
作家の丸谷一才(まるやさいいち)さんはこう仰っています。
われわれはまつたく新しい言葉を創造することはできないのである。可能なのはただ在来の言葉を組み合わせて新しい文章を書くことで、すなはち、言葉づかひ歴史から継承することは文章を書くといふ行為の宿命なのだ
言葉に限らず、全て創作は既存のものの組み合わせで成り立っています。0から1を生み出す天才ももちろんいますが、それは一昔前の話です。
ありとあらゆる創作が出尽くしてしまった現代では0から1を生み出すというより、1と1を組み合わせて、どこまで数値を伸ばせるかが重要となってきます。
そのため私たちはなるべく多くの名文に触れていき、組み合わせのパターンを増やしていくことが大切です。
名文の選び方
![](https://assets.st-note.com/img/1656524763568-wu3OFzYVmT.jpg?width=1200)
名文の選び方は2通りあります。
・自分が好きな本を読む
・文章の達人たちが学んだ本を読む
まずは自分がいいと思える書籍から名文を盗んでみましょう。
自分が「面白い」「好きだな」「こんな文章を書いてみたい」と思った文章があれば、それが自分にとっての「名文」です。
例えば私が好きなのは「綿矢りさ」さんの文章です。
思い出は口から出て外気にふれたとたん変質してしまう。真空状態にとじこめてなんとか色を保っていたバラの花びらを外に出したときのように、みるみる茶色にしおれてしまう。
「勝手にふるえてろ」という小説の一節なのですが、私はこれを読んだときあまりの美しさに鳥肌が立ちました。
綿矢さんは独自の世界観を持っていて、それを比喩にして表現するのがとても上手なんですよね。今でもたまに良いなと思った箇所を写経しています。
書籍でいうと「僕はかぐや姫」も最高でした。
この作品とはセンター試験の過去問で出会いました。現代文で使われていたのですが、あまりにも言葉の1つ1つが美しすぎたため、問題を解くのをやめて夢中に読んでしまいました笑
現代文で使われる小説はホント名文多いんですよね〜。吉本ばななさんの「TUGUMI」なんかも問題そっちのけで読み込みました。
もし現在好きだと思える本、作家さんが見つかっていない場合は、文章の達人たちが触れた名文をお手本にするのがオススメです。
いくつか例を出します。
森鴎外 「春秋左氏伝」
池上彰 「検察官」
樋口裕一 「向田邦子/遠藤周作/林真理子」
達人が薦める書籍には文体が古くて読みづらいと感じる本も含まれています。しかしあえてこういった本に挑戦することで自分に負荷をかけられます。
達人が学んだ本から技術を吸収したいときは、自分が少し難しいと感じる本に挑戦してみるようにしましょう。
具体的な練習方法
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名文の選び方がわかったところで、次はいよいよ名文を使った具体的な練習法を2つ紹介していきます!
繰り返し読む
![](https://assets.st-note.com/img/1656524974331-mAUaYa3uXc.jpg?width=1200)
文章を上達させるためには、多読よりも「これだ!」と思う「すぐれた文章が書かれた本」を繰り返し読んで、自分の中に取り込んでいく方が効果的です。
何事も上達のキホンは反復です。同じことを繰り返す中で技術は身についていきます。文章も例外ではありません。
名文を何回も何回も読んでいくと少しずつですが、文章が体の中に入っていき、それが血となり肉になります。
名文を体に入れまくって、まずは体から文豪に仕上げていきましょう。
書き写す
![](https://assets.st-note.com/img/1656525140535-Jy0nvoHxae.jpg?width=1200)
気に入った文章を書き写す練習も効果的です。写経は音読とは違って、より文章が体全体に染み込んでいく感覚があります。
そのため、文章に現れるリズム感を掴にはこちらの練習の方が効果的です。
さまざまな人の文体を真似ることで、他人の文体が自分の中でブレンドされていきます。そうしていくと、模範から独自の文体に昇華できるようになります。
もしお手本が見つからない場合は以下の2つから選ぶのがオススメです。
・新聞の一面コラム
・ベストセラー
新聞のコラムは例えば読売新聞の「編集手帳」朝日新聞の「天声人語」毎日新聞の「余録」などです。
コラムをオススメする理由は3つあります。
1 500〜700文字と短く、写すのに時間がかからない。
2 時事問題の捉え方がわかり、読み物としても楽しめる。
3 文章の構成がしっかりしていて、構成力養成になる。
短い時間で効果的な練習ができるためオススメです。
ベストセラーは多くの人に読まれているため、人の心を掴む文章がどういうものなのかを写しながら学べぶことができます。
キーボードで書いてもいい
![](https://assets.st-note.com/img/1656525200593-wyYoOq12I4.jpg?width=1200)
写経というと、一字一句手書きで写すようなイメージがありますが、キーボードでも充分に効果を発揮します。
ただしキーボードで打つと、途中からどうしも作業感が出てきてしまいます。何も考えずに打つだけでは練習になりません。
写すときに意識するポイントは次の通りです。
・今まで使ったことのない言葉がないか意識する。
・知らない言葉がでてきたら、必ず調べて、自分のものにする。
・自分がやったことのない文章のつなげ方の工夫を見つける。
・全体の構成はどうなっているか考える
・入力したものを読み直す
・どんな文字を開き、閉じているかを意識する。
これだけ意識するポイントが多いと混乱してしまうので、最初のうちはこのポイントを見ながら写経するのがオススメです。
まとめ
✅名文に触れることは文章を上達させる効果的な練習方法の1つである。
✅自分が好きな文章は「名文」である。
✅「名文」見つからなければ達人が参考にした本から学んでみよう。
✅多読するよりも気に入った「名文」を何度も読み込もう
✅「名文」を写経するのも効果的な練習になる。
✅新聞の一面コラム/ベストセラーの写経もオススメ
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