メタル君の「今日の精神医学豆知識!」(606)-(610)
皆様、こんにちは。鹿冶梟介(かやほうすけ)です😆
12月も第二週目に突入!師走ですね〜。
小生が毎年「師走」を感じるのは、外来で患者さんとの会話を通じてです。
診察を終えて次回の予約を取ろうとすると、「次回は1月●日ですね」と気づく瞬間があります。すると患者さんから、
「今年も大変お世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。」
と、本年を締めくくるご挨拶をいただきます。
この瞬間に、「あぁ、師走だなぁ…」としみじみ感じるのです。
ところで、12月の処方がちょっと厄介だということをご存じでしょうか?
12月初旬に来院された患者さんが、1か月後に再診予定になると、年末年始の休診期間と重なる場合があります。
そのため、通常の28日分ではなく35日分を処方しようとするのですが、精神科の薬の中には最大30日分までしか処方できないものもあります。
こうした場合、30日分の処方+頓服(屯用)5回分という形で対応することもありますが、地域によってはこの方法も認められないことがあります。
結局、年内にもう一度受診していただく必要が出てくることも…。
「今年も大変お世話になりました」とご挨拶いただいた後だと、やはり少しばつが悪い気がしますよね。
メタル君の「今日の精神医学豆知識!」は、X(旧: twitter)で毎朝8時にアップしております。
X(旧: twitter)民の皆様も、X(旧: twitter)では語りきれなかった【メタルのおまけ】がございますので、ご興味があれば本記事を是非お読みください!
【今日の精神医学豆知識集!(その122)】
【メタルのおまけ】
強迫性障害はいまでこそ医学の文脈で語られるけど、昔はどちらかといえば宗教的文献にその症状がのこっていたよ。例えば西暦7世紀ごろJohn Climacusは”神への冒涜の誘惑”について相談する若い修道士について記載しているよ。要するに神に祈っている間に冒涜するようなことを言ってしまうのでは...、という神への加害恐怖・縁起強迫について記載があるんだよ。当時はこういった不謹慎な考えは悪魔が人を誘惑する故...と考えていたんだって。
↓「悪魔」といえば漫画デビルマンですね!
【メタルのおまけ】
このように強迫性障害とひとことで言っても実に様々なタイプが存在するよ。この中で特に珍しいのは”懺悔強迫”かな?自分が行った罪を誰かに告白し赦しを得ないと大変なことに...と思い込んじゃうんだ。今では珍しいけど、おそらくルネサンス前って懺悔強迫的な考えを持つ人はたくさんいたんじゃないかな?
↓シリーズ「精神科医、●▲◾️」に懺悔強迫の患者さんとのエピソードを紹介しております!ぜひ、ご高覧を。
【メタルのおまけ】
この確認強迫が診察の場で現れるとかなり大変だよ。だって患者さんは主治医の一つ一つ言葉について「これはこうい意味ですか?」と確認し、そろそろ診察終了と思った矢先「先生、もう一度最初から説明してくれませんか?」とループがはじまるよ!医師の対応としては、初診時はある程度時間を割いて説明するけど2回目以降は、「時間内で確認を終わらせるのも治療です」と説明して診察時間に区切りを入れる方がいいよ。
↓ループものの映画といえば、「オール・ユー・ニード・イズ・キル」ですね!
↓ちなみに原作は日本の漫画です!
【メタルのおまけ】
これはみんなも”あるある”な強迫症状だよね。「(名前が)ここまで出かかってるんだけど...」という状態って健常者でもちょっと気持ち悪くなるよね。このほかに名前だけじゃなくて音楽(曲)とかが思い出せなくてもめちゃくちゃ気になることがあるよね。最近はネット検索のおかげでもやもやすることは少なくなったよね。
↓ご存知「スキャンダラス・レディース・シリーズ」やはり、名前って大切ですよね!
【メタルのおまけ】
メンタルアクトも立派な強迫行為であることは間違いないけど、文化的背景によっては必ずしも病気とは言えないよ。例えば宗教儀式やおまじないなんかはある意味メンタルアクトと言えるかもね。例えば何か不謹慎なことを思ったら、「神様お許しください」と何度も祈るって、まさにメンタルアクトだよね。
↓おなじみ「スキャンダラス・レディース・シリーズ」(今回2回目)!「完璧な妻の黒いおまじない」ってなんぞ!?
【メタル君の考察】
今回は「強迫性障害」に関してツイートしたよ!
精神疾患って人間特有の病気と思われがちだけど、実は強迫性障害については動物でもみられる疾患だよ。
例えば犬の強迫性障害は、ずっと自分のしっぽを追いかける、ずっと体の一部をなめる、ずっと同じところを嚙み続ける...なんて症状がみられるよ。
こういった症状は犬がストレスを感じている証拠だから、ワンちゃんのストレス因を探りそれを取り除くことが大切だよ。
ちなみに僕は犬については専門外だから詳しくないけど、犬や猫にSSRIのフルオキセチンを投与することで動物の強迫性障害を治療することもあるんだって!
...そう考えると、人も犬もストレスに対しては大きな違いはないようにみえるね。
これからもマニアックな精神医学ネタをじゃんじゃん提供するぞ😆
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