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メタル君の「今日の精神医学豆知識!」(201)-(205)
皆様、こんにちは。鹿冶梟介(かやほうすけ)です😆
今回は第201回から205回までの朝ツイートのネタをまとめています。
200回目という節目を迎えてから小生もメタル君も益々はりきっております!!!😆
…と、言いたいのですが最近病院での仕事が色々忙しくて、twitterやnoteのネタをまとめる時間が少なくなってきました(涙)😭
ストックしているネタがそろそろ切れるかも…。
ネタを集めるために、どこかでお休みをいただくことがあるかもしれませんね…😖
Twitterも益々がんばりますのでnote民の皆様も、ご興味があれば是非小生のTwitterを覗いてみてください☺️
Twitter民の皆様も、Twitterでは語りきれなかった【メタルのおまけ】がございますので、ご興味があれば是非お読みください!
【今日の精神医学豆知識集!(その41)】
201.古代ギリシャ時代に”てんかん"は神聖病と呼ばれていたよ。突発的におこる意識消失と激しい痙攣が終わると平常に戻ることから”神秘的な病気”、”神の意志による病”と解釈されたんだ。だから治療として祈祷が行われたけど、ヒポクラテスはこの考えを否定し”脳の病気”と説いたよ。
【メタルのおまけ】
ヒポクラテスは”てんかん”を、”他の病気と同様、自然の機序によるものである”とし、”この病気を神聖病と呼び始めたのは呪術者、祈祷師、乞食坊主、ホラ吹きといった輩である”とこき下ろしたよ。当時の知識人であっても”てんかん”のメカニズムは不明だったから、その無知を隠すために”神聖化してでっちあげた”というのがヒポクラテスの主張なんだ!何だか現代でも同じようなことが起こっていると思うのは僕だけかな…?
↓当時の呪術者や祈祷師に対して、ヒポクラテスは怒っていたかも?(漫画の内容は知りません…😅)
202.回心 (conversion)は、ある動機から精神的に変化を起こし、それまでとはまったく異なる宗教観に入ることだよ。一般的には至福感を伴い、悟り体験に通じるんだ。パウロの「目から鱗」が有名な例だけど、パウロの体験は「てんかん」だったという説があるよ。
【メタルのおまけ】
サウロ(後にパウロと改名)は、キリスト教徒を迫害していたけどある日強い光に当てられ「サウロ、サウロ、なぜ私を迫害するのか」というキリストの声を聞くよ。その体験の直後サウロは失明し、三日間食事もとれなくなるんだ。するとサウロのもとにアナニヤというクリスチャンがやってきて、サウロに手を当てるとサウロの目から鱗のような物が落ちて視力が回復し、サウロ(パウロ)はキリストの教えに帰依した…、というエピソードだよ。
↓この絵はカラヴァッジョの「ダマスカスへの途中での回心」です。
203.守護妄想 (仏: delire de protection)って知っている?高貴な人や神が自分を守ってくれていると確信する妄想だよ。慢性期の統合失調症に見られることがあるよ。守護妄想は、想像上の同伴者(仏: compagnon imaginaire)を伴うことがあるよ。
【メタルのおまけ】
守護妄想は強い信仰心と区別するのは難しいかもしれないよ。そもそも妄想は”現実にはあり得ないことを信じ込み訂正できない状態”を意味するんだけど、神様がいるかいないかは人間には確かめようがないからね…。だから「神様が守ってくれている」と信じ込むことを妄想とするのは異論もあるんだよ。ちなみに進化生物学者のリチャード・ドーキンスは著書「神は妄想である」の中で宗教や神秘主義を批判したよ…。
↓随分前に読みましたが、興味深いです!
204.罪業妄想 (delusion of culpability)は自分が宗教的あるいは道徳的に重い罪を背負っており、それによって罰せられると確信する妄想だよ。Tellenbach Hによれば、うつ病患者は元来罪業的になりやすく、何らかの”負い目” を感じることにより罪責体験が出現する…、だそうだよ。
【メタルのおまけ】
罪業妄想はうつ病で生じる微小妄想の一つだよ。鬱病で生じる微小妄想はこのほかに、心気妄想、貧困妄想があるよ。人間には原不安 Urangst (独)という根源的な不安があって魂に対する不安が罪業妄想へ、、健康に対する不安が心気妄想へ、経済状態に対する不安が貧困妄想へと発展するよ。
↓この旗で罪業妄想は治せる?(っていうか、どういう時にこの旗使うの…😅)
205.神秘妄想(仏: théomanie)は宗教的誇大妄想を意味する19世紀前半の用語だよ。フランスの精神科医かつ医学史研究者であるCalmeil LFが畏敬の念を込めてジャンヌ・ダルクを神秘妄想と診断したよ。ちなみに他の研究者によるとジャンヌは側頭葉てんかんだった...という説もあるよ。
【メタルのおまけ】
ジャンヌ・ダルクは”イングランド軍からフランスを救え”と「神の声」を聞き、また聖マルグリット、聖カトリーヌ、大天使ミカエルの姿を見たとされているよ。こういった異常体験は統合失調症でしばしば認められるから、多くの学者はジャンヌ・ダルクの”統合失調症説”を支持しているよ。でも、ジャンヌの異常体験は恍惚を伴い、また教会の鐘の音が誘因になったことから、反射てんかんの一種である…、という説もあるんだよ。
↓映画「ジャンヌ・ダルク」、是非見てみたいです!
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【メタル君の考察】
今回の豆知識は「宗教」に関わるツイート中心だったよ。
昔から宗教と精神医学は密接な関係があったよ。
…というか、精神疾患の多くは病気というよりは”天罰”や”悪魔の所業”と見做されていたから、医療というよりは祈祷まじないによって治療されていたんだよね。
それにしても古代ギリシャに”てんかんは脳病”と喝破したヒポクラテスってすごいよね!
本当に古代人だったのかな…?
現代の医師が古代ギリシャに転生したのがヒポクラテス…、なんて想像しちゃうな。
それぐらい当時の考えとしては異端だったんだよね(すげーや、ヒポクラテス!)。
これからもマニアックな精神科ネタをバシバシ紹介していくね😉
↓これから暑くなるのでスライム型の氷を作ってみてはいかが?
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