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好きなことは好きと言ってみよう

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2017年6月の記事一覧

ものすごい別れを経験したことがあるか

ものすごい別れを経験したことがあるか

“花に嵐の例えもあるさ サヨナラだけが人生だ”

ようやく親しい友になれたかと思えばもう別れが近付いている。
花も美しく咲いたかと思えば直ぐに強い風に吹かれて散ってしまうという。それほどに、輝く瞬間はひと時で、人生はサヨナラの連続だ。

あまりにも有名な井伏鱒二による訳詩「勘酒」の一節だ。

巷では『別れる力』という本も出ているほど、人間が「別れ」から受ける衝撃やそれを乗り越える過程での経験値の向

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おじさんという生き物

おじさんという生き物

中高生の頃までは40・50代の男性は、総じて「おじさん」以外の何者でもなかった。

身内も学校の先生も通学中の電車で一緒の車両に乗り合わせた人もファーストフード店で隣に座った人もそこの店員も。

大学生くらいになると、「おじさん」には「イケてるおじさん」と「イケてないおじさん」がいると分かった。

当時熱烈に恋をしていたトヨエツも40代だったが、
毎日通学バス内で強烈な加齢臭を放っているおじさんや

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相談をされると、身構え、心躍る。

相談をされると、身構え、心躍る。

「相談したいことがある」と友人に言われると、私は身構え、そして心躍る。

人は誰でも「自分は他の誰とも同じではない」ということを悟っている。
あらゆる岐路に立った時、最後に選択し、その責任を取るのは他でもない自分自身なのだと理解している。

人生の先輩や真の理解者に相談してもしなくても、何を選ぶのかは結局変わらないことの方が多いし、
ヘタに相談してしまったがために、
知られたくもない人に知られてし

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自分の心地よさを優先するあなたへ

自分の心地よさを優先するあなたへ

仕事でも家事でも日記でも、自分でやると決めたことをやらずにいるのは精神衛生上よろしくないことだと思っている。

「継続力」は「人間力」の最も根本的なものとして求められる風潮にあり、当たり前に日々続けていることを断絶してしまうのは責められることのように感じる。

しかしそれでも私は声を大にして言いたい。
「自分の心地よさを優先し、サボってもいいんだ!」と。

人のキャパシティは十人十色。無理が来る前

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あなたに見せる私を、私は選んでもいい

あなたに見せる私を、私は選んでもいい

「あなたそんな人だったっけ?」と不思議そうな顔をされることがたまにある。
そんな時に感じるのは、前回はどんな自分を出していたのだろう、という興味だ。

物心ついた頃から、自然と自己表現の使い分けをしていたように思う。
そんなに大げさな事ではなく、「先生の前では優等生風に」「友達の前では冷静に優しく」「親の前では甘えてワガママに」「親戚の前では子どもらしく朗らかに」のように、きっとこの場が丸く収まる

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ただ優しいだけの人

ただ優しいだけの人

「優しい」という形容詞はしばしばマイナスの意味を込めて使われる。

例えば友人の彼氏を褒める時、
才能や容姿や社会的地位などを直接的に褒めることができない時、逃げ口上としてつい使いがちだ。

友人の彼氏に限らず、人を褒める時には
私たちは気付かないうちに「優しい」以外の気の利いた褒め言葉を使おうとチャレンジしている。

だからだろう、人から「優しいね」と言われる時、
「芯があるね」「気がきくね」「

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秘密という名の呪縛

秘密という名の呪縛

人の噂に戸は立てられない。
古来よくよく言い伝えられている名言だ。

何かを見た、聞いた、感じた。
それが真実であるかどうかは分からないが、コトの大小に影響されながらその事実は自分の中だけで消化することは難しく、親しい友人や単なる知り合いにまで伝承され、時には多少形を変えながら蔓延していく。

楽しく愉快な話であればもちろん、
ナイーブでバレたらまずいことであったとしても例外ではなく、
「秘密だよ

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凶器を持っていることを知っていなくては

凶器を持っていることを知っていなくては

2年前に結婚してからというもの、いつ新しい命が宿っても構わないと思っていた。

それから数ヶ月過ぎると、両親や親戚からやんわりと孫を急かされるようになった。

結婚して1年が過ぎる頃になると、自分の身体の特徴やバイオリズムについて詳しく調べ出し、自然妊娠に対する“焦り”を認めるようになった。

普段の生活は相変わらず忙しくお酒や夜更かしと縁を切ることも本意ではなかったため、極めて緩やかではあるもの

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芯を持っている人

芯を持っている人

いやにばっさりと意見を言う人がいる。
特に好き嫌いに関することだ。
共通の知人についてだったり、映画や文庫本についてだったり、思想についてだったり、
対象は様々だが。

その人は誰の前でも、どんな状況でも、
「これは好き」「あれはつまらない」「最高だ」「最低だ」と、
きっぱりと宣言する。

たまに好き嫌いを問われることがあるが、私が断言しないと、「あなたは優しいね」(これは言外に「自分を持っていな

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世の中には2通りの人間がいる

世の中には2通りの人間がいる

ずいぶん前のことだけれど、なぜか心を軽くしてくれた一文がある。

「世の中には2通りの人間しかいない。
蚊に刺されて皮膚が化膿している人間と、そうではない人間だ」

確か、当時はまっていた恋愛小説中に登場した一文だったように思う。

一つのことで心が塞がれているうちは、世の中が二分して見えるほどそのことだけしか考えられなくなる。
他人からしてみればとんでもなく些細なことであっても、当の本人からし

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口にしなくても困らないことを敢えて口にする

口にしなくても困らないことを敢えて口にする

今から話すことが、「本当の友人」や「親友」を定義づけるものだと言いたいわけではない。

彼女を思い出すのは、
彼女の誕生日であったり、年末や年度末なんかの“節目”のような時であったり、
束の間のほっと落ち着いた時間に「あぁ、私今何をしたいんだっけ」と心に問いかけるような時であったり、
気が乗らない飲み会終わりに過去を思い出したりするような時であったりする。
つまり、普段はそうそう思い出さない。

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