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軟水のたそがれ【フォトエッセイ】

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毎週日曜日の夜に更新 社会心理学の立場から感じたことをツラツラと… 日常が冷たく流れてしまうその前に、身近な温もりに気づいてもらえるような、そんな文章を意識しています。 写…
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#風景写真

『迷惑をかける』とは「相手を迷い惑わせる」ということで、頼っちゃいけないわけじゃない。

『迷惑をかける』とは「相手を迷い惑わせる」ということで、頼っちゃいけないわけじゃない。

この1週間は、「ここ数ヶ月で子供の自殺が大幅に増加している」というニュースにひたすら心を痛めていた。

※この記事は、2020/11/29に書いたものをリライトしました。

日本の15〜34歳における死因トップは『自殺』という現状がある中で、こうした社会課題を解決するために自分がすべきことは何か?と、色んな悲しみを想像していたのがここ最近の僕だ。

マクロな視点ではなく、目の前の人に対して、ミクロ

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ひとりで流れ落ちてしまう前に溶け合いたい

ひとりで流れ落ちてしまう前に溶け合いたい

先日、「この世界の片隅に」というアニメを観ました。

舞台は、戦時下の広島県。

深刻な環境下でも心豊かに日常を過ごしていた主人公のすず。

しかし、爆風に巻き込まれ片腕を失ってしまう。

悩み苦しみながらも、周りの支えを頼りながら自らの居場所を定め、懸命に生き抜いていくというストーリー。

…中でも、僕にとって印象深かったシーンがあります。

お医者さんや色んな人から「命があって良かったね。助か

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錆にまみれた日常を愛でる

錆にまみれた日常を愛でる

友達との交流で表情が和らいだり、美しい景色と出逢って心を震わせたり、仕事を通じて自身の成長を実感したり。

僕の日常は、幸福な瞬間で溢れている。

…けれど、ピカピカに磨かれた金属のように、ずーっと輝いているわけではない。

普段通りの生活を自然と重ねることで、僕の日常はゆるやかに錆び、その輝きを失っていく。

まるで、空気に触れて錆びゆく鉄のように。

「普段通り」を続けていると、どこか情があり

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僕は自然の移ろいと情愛を表現したい

僕は自然の移ろいと情愛を表現したい

新潟県長岡市から岡山県笠岡市へと移住して6ヶ月目を迎え、僕は今も毎日写真を撮っている。

笠岡は港町。

家から歩いて5分で港があり、瀬戸内海の穏やかな海を眺めることができる。

今まで慣れ親しんだ日本海のような荒波は起きないけれど、水面に映る陽の光や夕焼け空が、とても美しい。

内海の水面はいつ見ても穏やかで変化が少ないけれど…

季節や気温、大気の状態や時間帯によってゆらりゆらりと移ろう空模様

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黄昏時に潜むしっとりとした情感

黄昏時に潜むしっとりとした情感

僕は『たそがれること』が好きだ

たそがれる(黄昏る)とは、日が暮れて空が薄暗くなる様子や、盛りを過ぎて衰えていく様をあらわす言葉

現代では、物思いに耽ったり、ぼーっとするという意味で使われることも多い

『たそがれ』の語源は『誰そ彼』

目の前にいる人が識別できなくなるくらい暗くなって、「誰ですか、あなたは?(誰そ彼)」と尋ねる頃合いとなった時間帯が、黄昏時

・・・ここ1年ほど、僕は黄昏時の

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偏見を掻い潜った先に待つ偏愛の静寂さ

偏見を掻い潜った先に待つ偏愛の静寂さ

自分が見たいものだけを見る

僕らははたして、それでいつか自由になれるのだろうか?

見たいものを見ていると、偏りが生まれる

その”偏り”が、没入するくらい好きで好きでたまらないモノであれば、それは『偏愛』という豊かさになって己に蓄えられていくだろう

しかし、とりあえず流れてきて見るのが楽だったからという理由であれば、それは『偏見』という心の淀みに繋がってしまうこともある

現代は、驚くほどに

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僕の心はいつまでも青いまま

僕の心はいつまでも青いまま

”情”という言葉に、僕は惹かれてしまう

心情 感情 人情
友情 愛情 風情 表情

・・・情がこもった言葉はたくさんあって、それらは心の動きを表すものだ

そして人は、様々な『心情』を抱えて生きている

「確かにそこにある」と心に感じているのだけれど、言葉にすることはできないような、繊細で複雑な情を内に秘めている

それを言葉にして外に出そうとすると…

「いいね!」「好き!」「嫌い!」「びっく

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積極的な慎ましさで想いを汲み取っていく

積極的な慎ましさで想いを汲み取っていく

注いでも注いでも、渇いていくものってな〜んだ?

・・・その答えは”愛情”だと、僕は思う

きっと僕らは「愛情を注ぐことで相手の心は潤うはずだ」と、そう思いたいんだ

自分の心が渇いていればいるほどに、愛おしい人へ愛情を注ぐことで、無意識に自分の心を潤そうとしてしまう

相手のために優しさや思いやりを与えるという、その愛情を行動で示すことで、自分の心が温かく潤っていくような実感を得られるからね

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煙のように流れてしまうその前に

煙のように流れてしまうその前に

僕らは煙のように人生をゆらゆらと漂うこともできるし、大きな川の流れに思いきって身を投じることもできる

時には、海に浮かぶ流氷のように凝り固まって、停滞しながら大きな波に流されてしまうことだってある

たとえ今がどんな状態であったとしても、僕らは周囲の”流れ”と”温度”にさらされながら、日々を過ごしていく

・・・そんな中で、いわゆる『自由な人』とは一体どんな生き方をしているのだろう?

1つ思い

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夕凪のもと移ろいゆく感情を共に感じる

夕凪のもと移ろいゆく感情を共に感じる

空の色や雲の形がゆらゆらと移ろうだけでなく、空を眺めた時の心境によって、僕らの感じ方も移ろいゆくものだ

美しい夕焼けを眺めた際に、「お疲れ様、自分!」と今宵の晩酌に浮足立つ人もいれば、「子どもたちが帰ってくる!」とせかせかと夕飯の支度を始める人もいる

こういった感じ方の違いは比較的身近に起こりうることで、想像するのは容易いはず

(こんなツイートをしてみたら、色んな感想を貰いました(^^))

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