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偏見を掻い潜った先に待つ偏愛の静寂さ

自分が見たいものだけを見る

僕らははたして、それでいつか自由になれるのだろうか?

見たいものを見ていると、偏りが生まれる

その”偏り”が、没入するくらい好きで好きでたまらないモノであれば、それは『偏愛』という豊かさになって己に蓄えられていくだろう

しかし、とりあえず流れてきて見るのが楽だったからという理由であれば、それは『偏見』という心の淀みに繋がってしまうこともある

現代は、驚くほどに便利で快適だ

自分が見たいものや知りたいことだけを、選び取れる

例えばテレビは、好きなチャンネルを選んで、観たい番組を観れる

録画をすればCMを飛ばせるし、観たくない部分があれば、YouTubeやNETFLIX、AbemaTVやTVerなどのオンラインチャンネルもある

その時に観たいものを、あらゆる選択肢の中から自ら選べるなんて、よく考えたらスゴイよね

TwitterやInstagramなどのSNSも、気になる人だけをフォローして、見たくないものはブロックやミュートをすればいい

情報は自由に選べるんだ

自分の好きなことを選択できた時、僕らの心には自由な感覚が実っていくだろう

・・・それと同時に、僕らは楽をする自由も得た

あらゆるリコメンドによって知らぬ間に偏って、じわりじわりと流されていることに気がつけない

知識や情報が偏って、内輪の心地よさに馴染むことができるその反面、外へ出るのが怖くなってしまうことだってある

その先に、自由はある?

本当に”自ら”選択してる??

自由は「外側へ出ていくイメージ」があるけれど、選択の自由を得て、楽をしたい自分に好ましい情報だけを選び偏っていくことで、『内側へこもるイメージ』になっているのかもしれない

自分が見たいものや好きなものを周りに溢れさせると、ハッピーな気持ちになるんよね

好きなものだけを選択して、そこで自分にとって大切な『内(ウチ)』を作っていくような、幸せな気分だ

趣味を楽しむ時間やその空間ができたり、人間関係なら、そこが自分にとって心地よいコミュニティになったり…

その『内』にいる間は、とても安心した気持ちになる

そこにいる間は、安心して自由を謳歌できるのかもしれない

だけどそこから『外』へ出ようとしたり、外から新たな人が入ってきた途端に、不自由になる可能性も大いにある

外には自分の知らないことがたくさんあって、価値観の異なる人と、触れ合わないといけない

その『外』との関わりで相手を安心させて、自分の不安を乗り越えていかないと、新たな自由は手に入らないんよね

自由とは外へ羽ばたくことであって、安心とは正反対

・・・そこで『外』との関わりを遮断して、安心できる『内』へとこもることだって、当然できる

だけどきっと、その『内』にもいずれ新たな不自由が訪れるだろう

新しいことを遮断すると、自由の幅が狭くなってしまうんだ

変わらないことで安心することはできるけれど、内側の中で少しでも変わった人がいれば、いずれ皆に不安がやってくるんよね

SNSで、見たくない人や絡みたくない人との接触を防ぐためにカギをかけると、好きな人とだけ絡めて楽しい

けれど、自由に閉じこもるその反面、自分がやれることは少なくなる

つまり、『自由の幅』が狭くなっていくんよね

自分の存在を見つけてもらいにくくなるし、応援したい人をリツイートしても拡散できる範囲も狭くなる

それは『不自由』な状態だ

自分の好きで周りを満たして、いわゆる『偏愛』を突き詰めていこうと、僕は改めて思う

その過程でできた内輪にいる間は、安心してハッピーな気持ちになるんよね

ただしそこはあくまで土台で、安住しすぎると『偏見』になってしまう

踏み台にして、どれだけ外へ羽ばたいていくのかが、自由への道筋を描く

その先には、自分が見たくないものや知りたくないものだってあるはずだ

・・・けれど、清濁をあわせのんでいかないと、心が干上がってしまう

外を自由に冒険したら、また内へ戻ってきて少し羽を休めればいい

そのために、安心して過ごすことのできる『内』という場所も大切なんよね

いきなりビッグウェーブに乗る必要はないし、大きな変化だけが自由の象徴じゃない

さざ波を起こして時間をかけて波及していったり、自分の生み出した小さな流れがせせらぎとなって誰かを癒やすことだって、僕らにはできるんだ

”自ら”選択することで、流されるのではなく流れていく

この姿勢を、僕はこれからも大事にしていきたいと思う

・・・以上です

読んで頂きありがとうございます(*^^*)

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↓前回の【軟水のたそがれ】
※2020年3月にリライトしたので読んでもらえると嬉しいです!

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【軟水のたそがれ】
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このnoteは筆者のツイートを深堀りするエッセイです。
※毎週日曜日の夜に更新!

新たな1週間が始まる前に、何か大切なことに気がつくキッカケになれば嬉しいなと思っています

水はあらゆる流れに身を投じることができるし
自ら流れを作ることもできる

世の中の動きに流されるのではなく
「主体的に流れること」を大切にしたい

そんなおもいを込めています

サポート頂いたお金は、今後も心豊かなnoteを書くための経験や他のクリエイターさんたちへのサポートに回していきます!温かな循環を回していきたい。