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No.3 長いトンネル
岡山大学を退職し、研究室で働いてくれていた樫崎君と藤原さんにC-INKに社員としてジョインしてもらった早々のことでした。前年比2倍の売上で成長していた流れが鈍化したのです。当時、国の研究予算を獲得していたので、その仕事を割り振ることで給料を出せていました。しかし、それは長くは続かないのは明白でした。早急に資金を何とかしなければならなくなり、工業団地入居の際にお世話になった地場企業の常務さんと社長
もっとみるNo.2 何をどうやって売る?
岡山県のインキュベーションセンターを本拠地として、意気揚々と最初から株式会社を設立しました。何もない部屋で「ここから輝かしい未来が始まるんだな!」と一人でニヤニヤしたものです。完全に不気味です。谷口センター長には、初めて作成する事業計画で大変お世話になりました。何しろ、大学以外の仕事をやったことがないのですから、それは大変でした。商品は?売り上げは?どうやって?次年度????そして、この事業計画づ
もっとみるなぜ、10年間赤字でも最先端科学技術系ベンチャーが生き延びたのか。 No.1 C-INKはこうやって生まれた。
C-INKは、2012年8月29日、まったく偶然にも私の誕生日に登記が成立しました。狙ったわけではなく、単に慣れない手続きが遅れた結果でした。
当時、岡山大学で独立研究室を運営しながら起業しました。理由は、面白そうだから。大学院時代から金属ナノ粒子と言われる、ナノサイズのとても小さな微粒子の合成をやっている中で、塗って乾かすだけで信じられないくらい良く電気を流す物質の合成に成功したのです。こう