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記事一覧
暇つぶしにちょうどいい自由律俳句10句「砂嵐銀河」
花びらが手に充ちている朝
チュンカチュンカ小鳥の囀りピーチクバッチグー
腕を麒麟の首に見立てる
携帯の点滅信号と電流濃度
排水溝にドロップ飴
洗われたのではない 澄みきっていたのだ
飲んだことないワインこぼす
赤子のようにパソコンは抱けない
流れ星のスローモーションのごと幼少期
チョコレート・ピアノ・プラネタリウム。
暇つぶしにちょうどいい自由律俳句10句「天国へのピクニック」vol.2
植物油蒸発するごとく暇
きのこ山のきのこみたいなきのこが落ちてる
数の子口にどれだけ入れんの
熱い味噌汁がそのまま喉へ
お茶に浮く虫
とりあえず「はい」「はい」と答えたら危ない
ホームランバーの背骨一本
ちょっとカモノハシ化してきてる顔?
永遠に咲く星のごときスターチス
雪のように電灯から埃
暇つぶしにちょうどいい自由律俳句10句「雷鳴直下」vol.3
誰もいない神社への道
砂嵐の中の金閣寺
パンにパンを重ねる
雨の日にカレー
ミノカサゴのような骨
表面張力から逃れられない虫
バイブレーション・リズミカル・テンポ
あっちいしゃもじ
ドッグトレーナーの犬になった気分
ミントでちょっと乙女になる
暇つぶしにちょうどいい自由律俳句10句「草木の涙」vol.4
月の光のように笑う花
軽めのジョーク/ポイントカード
日向を目指す僕もちょうちょだ
ベンチの上のスマホ「盗んでください」
シープみたいな泡
バナナというかもう炭ですね
さざ波の音/ビニール袋
またあのお経の箇所が来る
風の琴線に葉っぱの一枚
余韻に思い出し笑い
自由律俳句10句「おらさとごレボリューションだべや」vol.5
ハガキに木漏れ日
夏日が背中に容赦なく
都会の最先端は田舎の底辺
豆が卵の黄身に乗ってる
ファンタってもう無いのかな
蚊が吸ってく腕をドジョウすくいのように
マラカスみたいな玉ねぎ
草も思う/こんなに伸びる筈じゃなかった
ペンキが触りたくなる日向
馬にやさしい君の笑顔
自由律俳句10選「天気雨」vol.6
青春らしい青春ですね
その服のセンスいや何でもない
テディベアみたいに座ってる
海岸線の波の泡
球場の砂嵐ピッチャー第1球
冷蔵庫なんで開けたんだっけ
レモンのハーモニカってないのかな
レモネードはサンシャインの味
沢蟹が渡るのを待っている
手があったかいことに気づいた
自由律俳句10選「七色ベジタブル」vol.8
Bee careful
機械仕掛けの水色目ん玉
パプリカは観賞用だと思いませんか
いらないおまけに愛想笑い
草花の新芽さえ飛び散っていく草刈り機
もう手遅れだ。色違いの箸を使ってしまった。
ヤモリが網戸の上を目指す
ピーチはビューティフルなピースの香り
死の傍らにある生は明るい
溜まったメールを消していく作業
自由律俳句10選『換気扇の向こう側』vol.10
クラクションを鳴らされたのは君
炭酸口の中で痛い
沈黙のロッカー
なんとなくこの姿勢
タスマニアデビルはデビルだけがこわい
今日何曜日かはどうでもいい
美味しいから美味しいと言っただけ
ちゃんと閉まりにくいドアに風
今を生きていく/海の家の窓際のように
梢のように揺れる尻尾