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海外のランドスケープ設計事務所でインターン・就職する方法 −応募書類・ビザ・収入−

海外のランドスケープ設計事務所でインターンあるいは就職したいと考えている方も多いのではないでしょうか。
私はメルボルン大学にてランドスケープアーキテクチャの修士課程を取っている際に1社にインターンに行き、卒業後、オーストラリアの個人庭の設計・施工を行う造園設計事務所とドイツの公共空間を扱うランドスケープ設計事務所にて就職しました。この記事では応募に必要な書類、応募の流れ、ビザ、収入の目安などを紹介したいと思います。


海外での就職を考える際に参考となる本

海外での働き方や生活、ランドスケープアーキテクチャの考え方などが分かる本としてこちらがおすすめです。アメリカ、オーストラリア、スペインやアフリカなど世界各国で活躍されているランドスケープアーキテクトの働き方がまとまっています。ぜひ参考にされてください。

私は土木・建築・都市計画・ランドスケープを学ぶ学生、社会人の方、またデザイン未経験の方に向けたランドスケープに関する記事を書いており、それらの記事をマガジンにまとめてnote本を作成しております。
ランドスケープとは何かという基礎的な内容や、海外留学についてなどを書いておりますので、下のリンクからどうぞ目次を見てみてください。


海外インターン・就職の応募に必要な書類

海外インターン・就職には、大学を通して応募する場合や企業に直接応募する場合などのパターンがありますが基本的に必要な書類は以下になります。
・ポートフォリオ:自分の作品をまとめた作品集
・履歴書(ResumeあるいはCVと呼ぶ):日本の履歴書とほぼ同じ
・送付状(Cover letter):応募職種と志望動機を簡潔にまとめた書類
・推薦状(Reference letter):推薦者の名前をリスト化した資料

ポートフォリオはissuuというウェブサイトを参考に作成すると良いと思います。「landscape portfolio」と検索するとたくさんのポートフォリを見ることができます。私のポートフォリオもこちらに載せておきます。

Resume、Cover letter、Reference letterについては以下のウェブサイトが参考になりました。詳しい書き方はこちらを参考にしてみてください。私が就職活動を行った際は、ポートフォリオ、Resume、Cover letterを求められることが多く、Refelence letterは求められませんでした。応募予定の企業がどのような資料を求めているかまずは確認することをお勧めします。

https://doda.jp/guide/syokureki/resume/stage87.html
https://foreignlang.ecc.co.jp/know/k00120d/
https://jp.indeed.com/career-advice/career-development/how-to-write-a-reference

応募の流れ

応募の流れは1. 大学を通じてインターンを応募する場合と2. 企業に直接応募する場合の2つに大別されます。

1. 大学を通じてインターンを応募する場合

海外大学に留学していると、インターンに参加するカリキュラムがあります。このカリキュラムを選択すると授業料を払い、インターンの報告書等を提出することで働きながら単位を得ることができます。また大企業にもインターンを受け入れてもらえる可能性が高まります。インターン期間中に企業との関係性を作り、卒業後に就職する人も多かったです。
授業料の高さにもよりますが、メリットが多い選択肢のように思います。

2.直接応募する場合

上のような制度を利用できない場合は、基本的に企業を調べて直接メールでインターン・就職について問い合わせます。BIGやArup等の大きなランドスケープ設計事務所やディベロッパーの場合は空いているポジションが載っている掲示板と専用の問い合わせフォームがある場合もあります。
私はメールの文面では以下のような項目を記載しました。

・氏名
・応募したいポジション
・応募理由2行程度(事務所の考えに共感した点や自分が発揮できる力等)
・可能であればビザが取得できるなど事務所に移住できる旨を書く
・締めくくりの挨拶

直接応募をする際のマインドセットですが、事務所に取って外国人であるということは基本的には不利です。(多様性を重んじてくれる事務所も多いですがそれでもビザ等の制度面の問題もあるからです。)落ちて当然です。とにかくめげずに出し続けるマインドが重要です。私は特にコロナ禍に就職活動をしていたこともあり、就職先がなかなか見つからず計150通程メールを送りました。オーストラリア人も大変そうだったので、あまり良くないマインドかもしれませんが自分のスキル不足じゃないんだと、努力を続けることができました。
自分を過剰に安く売る必要はないですし、本当に好きだと思う事務所に応募し続けること、そして落ちたとしても事務所としてのタイミングもあるからと淡々と切り替えてメールを送り続けることを大事にされて欲しいです

EU圏内の大学は大きなチャンス

EU圏内の大学に通っている場合は、カリキュラムにはなくても直接事務所にインターン応募のメールを送ることもあります。多くのEU圏内の大学はインターンを受け入れた事務所に対して補助金を出すため、事務所としても受け入れのハードルがかなり低くなります。
例えば、スペインの大学に進学しても在学中にドイツの事務所に勤めることができる可能性は高いです。卒業後には滅多に得られないチャンスです。ドイツや北欧など経済的に安定している国で就職するといった戦略的な視点も大事だと思います。ひとまずEU圏内の大学に進学した後に本当に行きたい国での就職を目指して活動するというのもありだと思いますし、EU圏内の大学に進学される方は在学中しか使えないこのチャンスを使われることをおすすめします。

会社の探し方

オーストラリアではGlassdoorSEEKLinkdInといった求職掲示板を利用していましたが、途中からLindezineに掲載されている自分が好きだと思ったプロジェクトをやっている事務所を調べてウェブサイトから直接メールを送る方法に切り替えました。個人的にはGlassdoor等の求職掲示板では自分が本当に好きなデザインをしている会社を見つけることが難しく、応募する気持ちになりにくかったため、Landezineで調べはじめてからの方が就職活動が捗りました。

ビザの取得方法

応募の際には自分でビザを準備できる旨を記載できると良いです。

「就業ビザ(Employment Visa)」が一般的な時間や金銭などの制限なく就業が許可されるビザですが、基本的に取得が非常に難しいビザです。イギリスやオーストラリアでは企業が雇いたい外国人がいた場合は、企業側が移民局に対して雇いたい理由を時には弁護士をつけて説明し、さらにビザの申請料を負担しないといけません。その上で移民局がビザ発行を却下する可能性もあるため、よっぽどの理由がない限り、日本から外国の就業ビザを得ることはできません。
ですが、一時的な就業であれば「就業ビザ」以外のビザでも就業可能です。またそれらのビザを経て企業との関係性を築いた後に「就業ビザ」を取るためのサポートを得られることも可能です。

ここでは海外で働くことができる数種類のビザの取得方法を紹介します。
ただしこれらは国によっても大きく異なるので細かなルールは各国政府のウェブサイトを確認してください。以下では留学を経て働けるビザを得る方法と国内から留学を経ずに働けるビザを得る5つの方法を紹介します。

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