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日本の高校の不思議

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日本の公立高校に13年勤務して感じた不思議あれこれ綴ります。
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#教員

キケン!「こども(生徒)のため」論

キケン!「こども(生徒)のため」論

こんにちは。

私は、アメリカの大学院で日本の公立学校の特殊性について「空気を読む」といった点から(特に教員)が教育の質や教員の働く環境にどのように大きな変化をもたらせるか考えています。

今日は、「子どものため」議論の危険性について共有します。

みなさんは気がついていますか。特に公立学校では教員の議論が煮詰まってくると「こどものために」が正当化の盾として使われることがあるということに。そしてそ

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どんな生徒を育てたいかの議論はどこでする?

どんな生徒を育てたいかの議論はどこでする?

教員の働き方改革についての議論は随分と脚光を浴びてきたけれど、現場の教員が本当はどのような生徒を育てたいと思っているかという議論は個人レベルでしかありません。今の学校教育では責任を持って生徒を未来に送り出せないと思っている先生方って、実は、たくさんいると思います。

そのような「声」はどうやって政策に反映されるのでしょうか。

「本校で育てたい生徒像」についての議論をすることが難しいのが公立高校の

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日本とアメリカの高校の教員評価あれこれ

日本とアメリカの高校の教員評価あれこれ

日本の教員評価「教員の評価をしようなんて、誰が考えたんですかね」という一言を職員室で耳にした。そういえば日本でも教員評価は一応してるんだった。

公立学校では勤務評定と呼ばれ、校長が評価をつけることになっている。しかし、実際のところ職員室の様子、生徒との関わりや、授業の内容など何も知らない校長がどのような基準で評価を下しているのかは全くの謎である。

勤務評定はA-Dの5段階と言われていて、大体が

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コロナショックの反動?学校現場でのニューノーマルの兆しはまだ遠い。

コロナショックの反動?学校現場でのニューノーマルの兆しはまだ遠い。

学校が6月から再開されることが濃厚になってきた5月半ばごろから、原因不明の蕁麻疹が出た。今までの学校現場からしばらく遠ざかり、コロナ禍を謳歌した私の体が今までの教員生活に戻ることを拒否しているような気すらする。

学校で生きづらさを感じているのは生徒だけではない、教員だって同じこと。生徒は可愛いけれど、教師として働くことへの息苦しさから解放されることはないように思う。

以前見たNHKの番組で、不

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