『円安の波紋・外国人就労者からの視点④』
4.過去30年の為替相場の動向
1990年代初頭から2000年代初頭までの期間では、円安傾向が見られました。この期間は日本のバブル経済崩壊や長期不況期間に重なり、経済低迷や低金利が円安を促しました。また、アメリカ経済の比較的好調さも、円安の要因となりました。
2000年代後半から2010年代初頭にかけては、円高傾向が見られました。この期間はグローバル金融危機の影響や世界的な不安定要素が増加し、円が安全資産としての需要を高めました。また、日本の経済成長の鈍化やデフレ懸念も、円高を促しました。
2010年代中盤以降、円安傾向が、再び現れました。アベノミクス政策の導入により、日本の金融緩和と経済刺激が進められました。また、日本の低金利環境や企業の海外投資の増加も円安に寄与しました。
5.昨年の円相場の動向と政府の介入
昨年は、アメリカのFRB(連邦準備制度理事会)が大幅な利上げを続けるとの観測から、ドルを買う動きが強まり、円相場は、一時150円台まで、下落しました。
日本の政府・日銀は、9月22日にドル売り円買いの市場介入も行いましたが、円安に歯止めはかかっておらず、今年も同じ傾向です。今後の動向も、円安トレンドは変わらないのだと、深刻な事態だと思います。
6. 外国人労働者への影響
現在の為替市場の動きは、日本で、働く外国人就労者に、大きな影響を与えています。
彼ら彼女らは、さまざまな国から来日し、日本の社会や産業の成長に貢献しています。
その活動は、製造業からサービス業、そして介護業界まで、多岐にわたります。
彼ら彼女らは、自らと家族のために、将来を切り拓くため、仕事の技術習得や語学力向上を目指しています。
その中には、社会的使命を感じている人も多くいます。
そのほとんどが、もちろん、私たち日本人と同じく、本人と家族のために、生活や教育、治療などのために、また、将来を切り拓く希望を捨てないで、お金を稼ぐために、経済的な理由から、日本で働いています。
彼ら彼女ら、外国人労働者たちの大きな課題の一つが、母国への送金です。
この送金は、家族を養うため、または教育や医療費など、母国での生活を支えるために必要不可欠なものとなっています。
そのため、送金額は、彼ら彼女らの働き手としての、労働成果を直接、反映しています。 しかし、為替レートの変動が送金額に大きく影響を及ぼします。
円が安くなると、円の価値が大幅に落ち込んでいますから、同じ額の円を、母国の通貨に換算したときの金額が、減少します。
これはつまり、彼ら彼女らが、一生懸命働いて稼いだお金が、送金時にはその価値が、下落してしまうということを意味します。
この5年間の円安の激変は、グラフで見ると衝撃的なものです。
特に、昨年から、現在のように、円が、急激に安くなると、その影響は、一層深刻となります。
彼らが稼いだお金の価値が、3割から4割までも、大きく減少し、その結果、彼ら彼女らや、その家族が、現在と将来、直面する経済的困難は、深刻に増大します。
鉾先は、当然に、日本に対する不信感でしかなくなります。
このように、為替レートの変動は、外国人労働者たちにとっては、深刻な痛手となり、その生活や家族への影響は計り知れません。
今現在と、今後の円安の動きが、彼ら彼女らの生活と気持ちに、どれだけ影響しているか、引き続き、注視していく必要があります。
7.注意すべき報道の偏りと私自身
為替市場や経済の動向に関する報道は、報道機関や記者の主観が、反映されることがあります。
そのため、情報を受け取る際には、様々な情報源からの情報を比較し、自分自身で情報を整理することが重要です。
私や、報道でのエピソードは伝える側の主観が優先されます。
複雑な経済情勢を理解するためには、自分自身で、情報を整理していきたいと思います。
また、現在の為替レートの変動は、歴史的な円安が、日本を選んでくれている外国人労働者たちにとっては、深刻な痛手となり、その生活や家族への影響は計り知れません。
その立場で、お伝えしたいと考えて書いています。
日本は、将来の日本の社会のためにより良いしくみを構築できるはずです。
~次回に続きます~
みなさま、お読みいただいて、本当にありがとうございます。
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