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日本語能力に影響を与える要因

ミャンマーを知る⑪【2,535字】

ミャンマーからの技能実習生たちが、8月30日に成田空港から乗り継ぎ、新千歳空港に到着。

 私たちのアイアジア国際研修センターでは、初めてとなるミャンマー人の技能実習生を送迎、出迎えしました。


 昨日、9月2日から1ヶ月間の日本入国後講習会が始まりました。

 他の国、特にベトナム人やインドネシア人と比較して、日本語の能力が高いという評価があります。

 そんなことが本当にあるのでしょうか?

この点では私は疑い深いです。

 いくつかの要因によって裏付けられる内容を考えてみたいと思います。

 今日のこの評価は全体的な傾向を示しているわけではなく、個別の状況や環境によって異なることが多いです。

 ミャンマー人の日本語能力に影響を与える可能性のある要因について詳しく説明します。

1. 母国語と日本語の発音の比較


 ミャンマー語(ビルマ語)は、声調を持つ言語ですが、日本語のように厳密な音節構造を持たないため、発音の観点から見ると、ミャンマー語の話者にとって日本語の習得が比較的容易であるとされています。

 ミャンマー語には子音と母音の組み合わせが多く、日本語の音声体系と類似している部分があります。

 特に、単音節の音の発音が日本語に似ているため、日本語の発音が比較的スムーズに習得されやすいと考えられます。

 一方、ベトナム語やインドネシア語は、それぞれ異なる音韻構造を持ち、特にベトナム語には6つの声調があり、発音が日本語とは大きく異なります。

 インドネシア語は比較的シンプルな音韻構造を持っていますが、音節のリズムやアクセントの点で日本語と異なるため、これが日本語学習において大きく左右します。

 したがって、ミャンマー人が日本語の発音において他の国の技能実習生よりも有利であると感じられることがあるのは、これらの音韻的な理由によるものかもしれません。

2. 教育レベルと日本語能力


 ミャンマーから技能実習生として来日する人々の教育レベルについても注目する必要があります。

 ミャンマーでは、技能実習生として日本に行くことを目指す人々の中には、ある程度の教育を受けた層が多いとされています。

 ミャンマー国内では日本への憧れや就労機会を得るために日本語を学ぶ意欲が高く、日本語能力試験(JLPT)を取得してから日本に来るケースも見受けられます。

 このように、日本語教育を受ける層の教育レベルが比較的高いことが、彼らの日本語能力を支えている要因の一つとなっている可能性があります。

 また、ミャンマーの送り出し機関は、日本語能力を高く評価、選抜する傾向があり、日本語の基礎をしっかり学んだ上で技能実習生として送り出すことが一般的です。

 これは、送り出し機関自体が日本語教育に力を入れているからです。この点は他のアジア諸国、ベトナム、インドネシア、モンゴル、カンボジアなど同じことが言えます。

 この点では、母国の日本語センターの教育レベルの高さによるのだと思います。

 今回のミャンマーの送り出し機関の質が良いからこそ、ミャンマーの技能実習生が他の国の実習生と比較して、日本語能力が高いと感じられることがあるかもしれません。

3. 技能実習生選抜のプロセス


 ミャンマーからの技能実習生の選抜プロセスは、日本語能力を重視する傾向が強いことが特徴です。

 送り出し機関は、日本での生活や仕事に必要な最低限の日本語能力を備えていることを確認した上で、技能実習生を選抜します。

 このため、選ばれた技能実習生は、すでにある程度の日本語を習得していることが多く、これが他国の実習生と比較して日本語能力が高いと評価される要因の一つだとも考えることが出来ます。

 さらに、ミャンマーの送り出し機関が、日本での技能実習プログラムに参加するために、基礎的な教育を受けた人々を選抜することが多い点も注目すべきです。私は今回の技能実習生は、このことが大きな要因だと感じています。

 今回のミャンマーからの技能実習生は、比較的高い教育レベルを持ち、学習意欲も高い人々が多く含まれていると言えます。

4. 文化的要因と学習意欲


 ミャンマーの文化的背景も、日本語学習において有利に働いていると考えることも出来ると思います。

 ミャンマーでは、現在でも、日本に対する憧れや親近感がとても強く、日本文化や日本語に対する関心が高いことが知られています。



 このような文化的背景が、日本語学習におけるモチベーションを高め、結果として日本語能力の向上に寄与していると考えられます。

 また、ミャンマーでは、日本に出稼ぎに行くことが、いまだに、一種のステータスとして捉えられており、これが日本語を学ぶ動機付けとなっていることも見逃せません。

 特に、技能実習生として日本に行くためには、日本語の習得が不可欠であるため、彼らの学習意欲は非常に高いものとなります。

まとめ


 ミャンマー人の技能実習生がベトナム人やインドネシア人と比較して日本語能力が高いという見解は、発音の類似性、教育レベルの高さ、選抜プロセスの厳しさ、そして文化的な要因によって支えられている可能性があります。

 しかし、これがすべてのミャンマー人技能実習生に当てはまるわけではなく、個々のケースや学習環境によって大きく異なることを理解する必要があります。偏見を捨てて、素直な目で観察していきたいと思います。

 日本での技能実習生プログラムにおける日本語教育は、各国の送り出し機関や教育機関の対応によって大きく影響されます。

 ミャンマー人が特に日本語に優れているという結論を出すには、さらなる観察や考察が必要だと感じていますが、とても新鮮な気持ちです。

 また、違う角度から改めて考察する機会、仕事での新たな機会を与えられたことに感謝しています。


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