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エデ族 (Êđê) – 「ダム・サンの叙事詩」ヒリ・ヌール(H'ri)

ベトナムを知る⑰【3,601字】

 ベトナムは、多数民族と少数民族の視点からは、多様性と統一性の国です。

3. エデ族 (Êđê) – 大地とともに生きるアニミズムの信念 −

 エデ族 (Êđê) は、ベトナムの中部高原に住む少数民族で、彼らの文化と生活は深く自然と注目しています。


 特に、アニミズムの信念に基づいた自然崇拝が彼らの生活の中心にあり、山矢川、森林などの自然環境を神聖な存在として崇めています。

 エデ族の人々は、自然を資源として見るのではなく、祖先や精霊が宿る神聖なものと捉えており、その信仰は彼らにとっての日常生活や会見、社会構造にも大きな影響を与えています。

アニミズムと自然崇拝


 エデ族のアニミズム信仰では、自然のすべての要素、特に大地や水、樹木に神聖な霊が宿っていると信じられています。そのため、村では定期的に自然への感謝を捧げる総会、儀式が行われます。

 この儀式では、村全体が集まり、太鼓のリズムに合わせて踊り、自然に歌いながらの精霊に祈りを捧げます。

 議会の中心には「ゲル」と呼ばれる集会所があり、ここでは重要な議論や演説が行われます。

 エデ族の議会にすると、まずは太鼓の大きな響きが響き、村の中心に人々が集まります太鼓は村全体に響き渡り、そのリズムに合わせて踊りが始まります。

 娯楽ではなく、村全体の団結を強め、未来への希望を語る重要な時間です。。。

社会構造と共同体


 エデ族の社会は、母系を採用していることが特徴です。 家族の財産や権利は、母親の側子供の引き継がれ、結婚後も夫は妻の家族のもとで暮らします。

  村の地域では、女性が中心的な役割を担い、家族や村全体の意思決定に大きく関わります。

 特に「ゲル」で行われる議会では、女性が主導することも多く、彼女たちの知恵と経験が村の未来を形作っています。

 また、エデ族の村では共同体の結束が非常に強く、何か問題がある村全体で解決にあたります。

 このような協力の精神は、エデ族の生活に関して欠かせないものであり、村全体の重点に貢献しています。

農業と自然との共生


 エデ族の生活は、自然との共生を前提としたものです。 彼らは、農業を中心とした生活を営んでおり、主にコメやトウモロコシ、キャッサバなどの作物を栽培しています。

 エデ族にとってのための食料の供給源ではなく、自然への感謝の表現でもあります。 収穫の時期には、自然の精霊に感謝するための祭りが行われ、豊作を祈願します。

 さらに、エデ族は森林資源を利用して様々な手工芸品を作っています。

 特に竹や木材を使った家具や日用品は、人々の生活に欠かせないものであり、自然の素材を相談したこれらの技術は、制約物を作るだけでなく、自然との調和を象徴するものでもあります。

祭りと音楽


 エデ族文化には、音楽と踊りが深く根付いています。 彼らの祭りでは、伝統的な楽器である「ゴング」や「竹笛」を使って演奏され、村全体がその音に合わせて踊り、特に「ゴング」の音は、自然祖や先との対話を象徴するものであり、祭りの中で重要な役割を果たします。

 踊り手たちは、円を描いて踊りながら、自然や精霊への感謝を表現し、村全体が一体となる瞬間を体験します。

 このように、エデ族の生活は、自然との調和と信仰が深く根付いているのです。

 彼らの集会や祭り、日常生活には、常に自然への感謝と尊敬が表現されています。

  村を訪れると、彼らがいかに自然を大切にし、それを信仰の中心に据え置きが感じられるのです。

現代の課題と伝統の維持


 しかし、現代では近代化の波がエデ族の生活にも影響を与えています。都市化や環境の変化により、伝統的な生活様式や信念が疑われることも少なくありません。

 都会に移住し、伝統的な農業や伝統から離れる傾向があります。

 しかし、エデ族の中には、その伝統を守り、次世代に伝える努力を続ける人々も多くいます。を大切にしながら、現代社会とのバランスを考えています。

 エデ族の文化は、ベトナムの多様性を象徴するものであり、その伝統を守ることは、ベトナム全体の文化的な豊かさを維持するためにも重要です。

  感謝と共生の精神が根付いており、その教えは現代社会にも多くの示唆を与えています。

ヒリ・ヌール(H'ri)の口承文化

  エデ族を象徴するエピソードとして、特に有名なのは「ダム・サンの叙事詩」です。

 これはエデ族の英雄叙事詩で、彼らの文化や価値観を深く反映している物語です。

 ダム・サンは、勇敢な戦士であり、部族を守るために数々の困難に立ち向かう英雄です。

 「ダム・サンの叙事詩」の語り口は、詩的でありながら力強い英雄叙事詩として知られています。

 この叙事詩の女性に関する場面では、ヒリ・ヌール(H'ri)というダム・サンの妻が登場します。


 彼女は美しさと知恵、そして強い精神を持つ女性として描かれており、ダム・サンの冒険や戦いにおいて重要な役割を果たします。



 語り口は、エデ族特有の口承文化を反映しており、リズム感のある言葉遣いと、豊かな自然や精霊信仰を表現する象徴的なイメージが特徴的です。



 たとえば、妻であるヒリ・ヌールは、ダム・サンが戦いに出る際、彼の勝利と安全を祈る存在として、彼の心の支えとなっています。



 彼女の言葉は、まるで自然界の声そのものであるかのように響き渡り、彼女の美しさや知恵は村全体の繁栄をも象徴しています。


 ヒリ・ヌールの言葉は、まるで彼女の心の奥深くからあふれ出す、最も純粋で揺るぎない愛の表現です。

 この瞬間、彼女の瞳は夫ダム・サンを見つめ、その瞳にはただ愛だけでなく、夫の無事を願う祈りが宿っています。



 彼女の声は、自然界のすべての力に向けられ、その声は風に乗って山々や森に響き渡ります。

「私の夫よ、大地と天があなたを守ってくれますように。」

 この言葉に込められた彼女の願いは、単なる祈りではありません。

 大地は彼女たちが耕し、生活の糧を得る場であり、天は彼らを包み込む無限の存在です。

 彼女にとって、これらの自然の力が、夫を守り、彼の歩む道を見守ってくれることは当然のことのように信じられているのです。



「精霊たちがあなたの歩む道を照らし、勝利をあなたにもたらしますように。」

 ヒリ・ヌールは、自然と共に生きてきた者として、精霊たちが常に彼らを導き、守護してくれることを深く信じています。

 彼女の祈りは、夫の無事だけでなく、彼の成功をも願うものです。

 彼が勝利し、栄光を携えて戻ってくることが、彼女にとって、そして村全体にとって何よりも大切なことなのです。

 彼女の声は、ただの妻の祈りにとどまらず、まるで精霊たちとの対話のように力強く、ダム・サンに向けたエールでもあります。

 彼女の祈りの言葉は、愛する者への絶対的な信頼と、自然や精霊への畏敬の念を凝縮したものであり、その言葉はダム・サンの心に深く刻まれ、彼の胸に希望と勇気を燃え上がらせます。

 彼女の祈りは彼の盾となり、どんな困難にも立ち向かうための力を与えます。

 この瞬間は、戦場に向かう英雄ダム・サンにとって、単なる出発の時ではありません。

 彼にとって、ヒリ・ヌールの祈りがある限り、どんなに困難な戦いであろうと、帰るべき場所があり、そこには彼を待つ妻がいるという確信が彼を突き動かします。

 彼女の言葉には、無条件の愛、そして未来への希望が込められており、その愛がダム・サンを守り続けるのです。

 このシーンは、エデ族の文化に根付く自然崇拝と家族への深い愛を象徴するものであり、ヒリ・ヌールの祈りは、単なる個人的な感情の表現にとどまらず、精霊と自然、そして家族のすべてが一体となる瞬間を描いています。

ベトナムを身近に感じていただけると嬉しいです。



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