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初個展直前に脳梗塞になった話:107~117日目

107日目:叶わなかったパン屋への道

ST(言語聴覚士)ノッポさん。
先日のOT(作業療法士)朗らかさんとのパン屋までのルートを説明しながら歩くという課外的なリハビリ。とにかく僕の説明がまどろっこしくだいぶ時間かかった。歩く時間にも影響した。突き当たりと言えば良かったとか。茶色の外壁のポーチのある家の前の横断歩道を渡るというのも、ポーチが滑舌悪くコーチと聞こえてしまった事や、そもそも駐車場と言えばよかったとか、それ以前にそのすぐ先に信号の交差点があるんだからその手前の横断歩道と言えば良かったとか。結局、パン屋は紹介出来ず途中で引き返す羽目になった。

108日目:努力の人

いつも起床直後に病室の洗面台ではなく共用の洗面台で髭剃りをしている人がいる。その患者さんが食堂でOTさんと話している。受け答えもしっかりしていた。脳梗塞かはわからないけど地頭もいいんだろう。いつ見ても自主トレ用のプリントをやっていた人だ。そうやって努力が出来る人なのだろう。見習う。僕も頑張る。今からでもとことん伸ばす。使えば使うほどノビシロはあると聞いた。実際この方からの影響は大きくプリントを頑張れた。夜に使えば脳も疲れて眠くなるだろうと思った。深く眠りたい。

109日目:当然と感謝

決定的に気に入った言葉が浮かんだけどもその時に書き留めなければ消えてしまう。でも今後の人生はシンプルに楽しく生きよう。前にも書いたかと思うが。あれ?書いたかな?まぁどちらにせよ【あったものが失くなるのは辛い。無くて当然だったものは辛くない】とはいえ無くて当然と思うとかでもなく、でもやはりあって当然と思うのでもなく、感謝しつつも、過度な表現にはならないように。。。。

110日目: ここは綺麗な場所

素敵な言葉や心が見える。ここは綺麗な場所だ。人生には必ず壁が立ちはだかる。でもそれなら違う方法にしよう。違う道を探そう。回り道もしよう。そうすれば必ず目的地にたどり着ける。向かい側の病室のおじいさん。以前素敵な看護士さんが対応した患者さんだ。(97日目:奇跡的な看護士→ note ) そのおじいさんが喋っていた言葉が聞こえてくる。娘さんなのか、奥さんなのか、お孫さんなのか。名前を呼んだ後に。ずっと一緒。ずっと一緒。素敵な言葉や心が見える。ここは綺麗な場所だ。

111日目:自分会議

字を書き間違える。よそ見ならぬ【よそ考え】してしまう。そうするとそれを字に書いてしまう。9を書こうとしてた時に19を思い出してしまい手が19と書いてしまう。食事の配膳のお盆の内側で配置や移動に手間どる。お茶のカップは右手で持って、左手は主菜を持って、ってご飯の位置変えてなかった、とか。こういうのがまだある、というよりこれからもこういうのとは戦っていくのだろうな。戦うというより受入て注意するっていう方が正しいかもしれないな。こんな簡単な事で自分会議してる自分にもどかしい。

112日目:秘すれば花

初めて見た時よりなんだか空気がぬける。見ない方がよいこともある。隠すのではなく『見たらあなたの感動も減りますからやめといた方が』で。ほらね、となる。見たら永遠に感動を失うのよ、と。なんか『美味しい物を食べたら死ぬかもよ』と言われてる僕に近い気がする。。。量の問題とかでもなく。心、魂、質、何かの話。秘すれば花とは、なんだろう、、、見る人側の立ち位置なのだろうか。堂々巡りです。卵が先かひよこが先か的に。

113日目:新たな体力作り

PT(理学療法士)サッカーさん。
(代行PT候補1人目サッカーさん→ note )
担当のPT小鳥さんが終わってからSTさん中心になっていたがたまに外歩きもしたいと伝えたので入ってくれた。左足が1.5cmほど短いからと靴に中敷きをひいてくれた。歩きやすかった。足の筋肉が弱くなってるのでゴムバンドを使っての筋トレ方法を教わった。輪っかにして膝の位置に通して内股の筋肉を意識しながら膝を開く。前方の動かないものにくくりつけて椅子に座りながら足首に絡めて膝から下で引寄せる。仰向けになり両足首に絡めての横開きなど。

ウォーミングアップにもなりその後外歩きに出た。とても気持ち良かった。サッカーさんは自分の担当した入院患者さんが退院した今も外来でリハビリに来てるそうだ。皆さんが揃って口にするのは『退院して慣れるまでに1ヶ月前後かかる』だそうだ。とても疲れると。人や社会の動きが早すぎるらしい。それを聞いたというのもあるが、ノッポさんの勧めで今後退院してからも脳が疲れないためにはまず基礎体力からという事で廊下の10往復を始めた。歩数計のアプリも入れた。

114日目:ブラックホール

STノッポさん。
説明課題。どうしてもしっくりこない。閃くのに消えていく。映画のインターステラーのブラックホールを思い出す。吸い込まれる。そして本棚の裏に閉じ込められる。そんな感覚。閉じ込められた側か、娘側か。どちらか。ハッキリ判らない。そんな感じ。でもここまで思えるまでに回復できたとも言える。後日、再度、言葉で、説明を、リベンジする。

115日目:心無い発言

STノッポさん。
宿題のプリントを渡す。言語聴覚士さんは色々言われるそうだ。ノッポさんなんかは『キンキンうるさい』とか。しまいには『あなたは顔がうるさい』なんてのまで言われてしまうらしい。そんな事はない。僕からなんか言われなくても大丈夫だろうけども脳梗塞には必要だし実践的な訓練で非常に助かってますとお礼を申し上げた。

2h連続のリハビリで課題を6つにする。5個まではいけたがどうしても最後が判らない。反則レベルのヒントをお願いしますと告げた。ノッポさんが『1枚だしてくださいとお願いして下さい、だとどうですか?』と言われ、あ、抹消課題だ!と閃いた。

夜の廊下10往復はやった。こんなので疲れてたら復帰しても続かない。

116日目:ギャップ  

STメガネさん。
トランプのスピードを勝負した。最初メガネさんは『私、苦手なんです弱いんですぅ』なんて言ってたのに僕は負けた。失礼ながら見かけによらない速さ。おしとやかなのに圧倒的ギャップ。スマートで大人しそうな見かけでスピードが早いってところがSTさんなんだなと思います。

ST自転車さん。
以前の部活を聞く課題シリーズでの流れ。
(91日目:意外な部活→ note ) 自転車さんは部活はやってなかったそうだ。どうやら自他共に認める天然キャラらしい。自転車さんともトランプのスピードをやったのだが2戦目になんとか勝てた。が、その直後に『私、一輪車乗れますよ』と言われた。え?どういう事ですか?と恐る恐る尋ねたら『4コマ漫画で一輪車、二輪車、三輪車、四輪車乗れて、最後は五輪に出るぞ!って漫画あったんですよねぇ』と言われオチは上手い、ような気もするし、ただどうしてそれを言ったのかは判らないと正直に告げた。そうしたら『私、人と話すの得意じゃないんですよねぇ』と言いさらに『じゃあなんでSTやってるんだって話ですけどねぇ』と噂にたがわぬ面白い事を言っていた。

117日目:ふりかけ

朝食を撮る。ここにきても、ふりかけをどちらから開けたら効率良いか?いつもどっちにしてたっけ?と迷ってしまう。そんなの気にする必要もないと思うし、それを気に出来る位に回復したとも思えるし、気にしなくて良いんだというのに気付ける位にも回復したんだなと思う。この堂々巡りは永遠に続く。まさにループだと思う。

そんな事に気を取られていたら栄養指導士さんから教わった食べる順番について、炭水化物からは止めた方がいいですよという事を忘れご飯を口に運ぼうとしてしまった。それもこれもふりかけのせいだ。

こうして【いずれ日記やエッセイのために毎日書き残しておくぞ】というのもかなり脳のリハビリになったんだろうなと思います。本気を出すように考える。集中力を研ぎ澄ませる様に考える。元気があれば何でも出来る。叶えば出来る。やりきる。後悔の無いように。

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