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初個展直前に脳梗塞になった話:入院26~30日目

26日目:STお笑いさん

朝のルーティン。ルーティーン?ルーチン?ルーチーン?どれなんだろうなんて思いながら。朝飯、薬、歯磨き、STの見直し自主トレ。午前中はSTお笑いさん。別フロアの個室へ。お笑いさんは四国出身との事。課題内容は文章を聞き取りして要約して話す課題。聞き取りも一苦労、まとめるのも一苦労、話すのも一苦労。お笑いさんが四国ご出身との事で思い出した。僕は以前青春18切符を使い横浜の始発で在来線のみで四国高松まで行った。丁度、九州に行っていた親友と高松で待ち合わせした。高松駅でレンタカーを借りて四国を巡ろうとなった。まさかのマニュアル車だった。僕はマニュアルでの免許も取っていたけど御多分にもれずマニュアルは苦手だった。見ず知らずの土地の信号で4,5回もエンストして動けなかった。信号は2,3回程変わったと思う。当然後ろの車はクラクションを鳴らしてきた。非常に迷惑をかけて悪いと思ったし恥ずかしかったし社会的に良くはないのだが、親友とは今でも笑い話である。途中、八幡浜?辺りで小腹がすいたので検索したら屋台ラーメンのふくちゃんというのが出てきた。地元でも人気らしく、ちょうど夜がメインの屋台という事で向かった。常連に声をかけられてるおばちゃんは気さくで元気でとても美味しかった。そんな思い出話をたどたどしく、もどかしく話した。

午後イチPT小鳥さん

小鳥さんから変化を感じた。上から目線に聞こえたら申し訳ないんですが、ところどころ謝ってくれたし、殊勝になっていた。何だか気が引けた。何とも言えない。何か言われたのか、シフトで気付いたのか、何がキッカケかは判らない。でも僕の先日の沢口靖子さんへの相談から変化したのだ。今日は自立杖で歩行してみましょうとなった。とにかく自分で杖に慣れましょう、とにかく歩きましょうと。【沢山歩く】というのは転院前病院での笑顔PTさんも口酸っぱく言ってた事だ。

27日目:目覚めのバビンスキー

起床時間に病室の電気がつく。いつもの伸びをした。右足は以前 ( 12~14日目バビンスキー反応→note ) から感じてるバビンスキー独特の感覚。つりそうな感覚。なんとも違和感のある突っ張り感。ビクビクという感じだろうか。ふと、どこからか…...アオカケキクケコカコタテちつてとたと???ん?なんだ?なにやら近くで聞こえるぞ?おかしいな。あとで看護士さんに聞いたらそれもリハビリとの事。自主トレで発音練習してるらしい。そうか、そうだ、ここはリハビリ病院なんだ。

午前中STノッポさん

待ってる間に頂いたプリントをやっていた。やがてノッポさんも来て『あ、スゴイ、その問題は一番難しいですからね』と言って気分を上げてくれた。記憶は改善してるし、説明も先週より判りやすくなってるしと更に気分もやる気も向上させてくれた。

ちなみに今日の時点で体重は2kgも落ちていた。

代行PT候補1人目サッカーさん 

先日相談した沢口靖子さんの手配で初見の方。男性でお互いサッカー出身。なので色々な話し方とか、表現の仕方とか、"やってた者同士"の独特な共感とかテレパシー的なものがあるのを感じた。なんとなく解るという感じ。僕は今はスペインに興味があるしピカソが好きだと伝えた。彼はスペインのチームはどこが好きですか?と聞いてきたけども、いや今はそこまでサッカーに興味ないんですと言ったら大笑いしていた。

さて、リハビリの内容はというと。足首は神経で覚えさせるし、股関節やお尻は筋トレですねと。でも成人男性がゴリゴリに筋トレしても効果が出るまでに4週間位かかるらしいので焦らずと。ゆっくり。

なんにしろクライフターンとか意図せず出来ちゃう事あったと思うしロナウドやロナウジーニョなんかも子供の頃からハングリーな環境でやってて今の自分の年齢でそれに気付いただろうしなぁと。この人は合うかも。優しいしリハビリもキツクはないけどトークやニュアンスが近いと思った。

筋トレ。
太腿を鍛えるもの。
左足は負荷10で10回を3セット。
右足は負荷1で10回を3セット。
胸を鍛えるもの。
負荷25で10回。
負荷30で3回。
負荷40で1回。

28日目:代行PT候補2人目ハキハキさん

こちらも沢口靖子さん手配の初回PTさん。今時の若さだけども、キャピキャピではなくハキハキしてて、ラクロスとか女子サッカーとかしてそうな感じの方。声も芯があって、説明もハキハキしてて判りやすかった。

29日目:院内トラブル?

転院してきた患者自身なのか、転院してきた先での発生かわからないけども世間を賑わす陽性が出たらしい。即、病室から出ない様にとなった。この状態がいつまで続くか判らないけれども、陰性が安全に確認出来るまでとの事。

STメガネさん  

今回初めましての方。見た目は大人しそうだけども、でも何となく芯がありそうなイメージ。黒淵のメガネが印象的なので【メガネさん】と呼ばせて頂きます。陽性での制限状態とはいえリハビリは行わないといけない。非常事態という事で病室内での訓練となる。セラピストさんは毎日出勤時に検査しているから大丈夫との事。

さて怒涛の脳リハ。指定された文字を消すのは専門用語で抹消課題と言うらしい。他に、文章を読んで漢字にスラッシュ、カタカナに◯、さらに内容の要約をする課題。他に、トランプを使い、指定されたマーク同士を積んで、別に指定された数字は別の山に積む課題など。集中力が減ってるけどもそこを頑張って向上させる。回復させるのだ。

代行PT候補3人目の天然さん 

女性でとてもフワフワしています。ポワポワというか。ものすごく優しいのも解るし悪い人ではないのは本当によく解るのですが、会話が他人に聞こえても何とも思わない様でした。本当にとてもおおらかな人だと思います。しかし案外、万が一にも、こういう人が怒ると怖いのかもしれません。

PT沢口靖子さんにお礼

リハビリも終わり、沢口靖子さんを見かけた。小鳥さんと同期という事なので、小鳥さんはサバサバしてるというのは解るらしい。そしてやはり何かしら伝えてくれたらしく、相談した後からは変わりましたと僕も伝えた。でもやはり、小鳥さんのリハビリは理にかなってるし僕の回復も早いと思っていた。それも代行PTさんを体験したから。それに本当にサッカーさんとも迷った。でもやはり相談しておいてナンナンですが小鳥さんに再度お願いしたいと伝えた。なんと、沢口靖子さんからも『伝えてくれてありがとうございます』と言ってくれた。

30日目:ワガママ患者全体に迷惑

さて陽性制限もようやく安全の確認が取れたようで解除となった。そんな最中の夕食時。病室で隣のワガママ患者のお出ましです。もう夕食も運ばれてくるというタイミング。食時どきは看護士も総出。食事も介護の必要な方に付き添ったり各病室に配膳したりと大忙しである。

なのに隣のワガママさんは携帯が壊れてるからと1Fに降りて公衆電話から妹に連絡するという。しかも病院のエレベーターは17半以降は止まる。すでにそれは過ぎている。さらにワガママさんの目的である銀行も18時に閉まるという。看護士は最低限の人数。こんな忙しい時なのになんて身勝手なのだろう。急変があったらどうするのだろう?トイレでコール鳴らされたらどうするのだろう?1Fに降りたらワガママさん自身が陽性になる事や、この病棟に持ち込んでしまう可能性もある。そうしたらまた病棟全体が不自由になる。入院が伸びる患者さんも居たりしてその費用も増える。当のワガママさんは銀行に行ってもらわないとどうにもお金がナントカカントカと言っている。ワガママさんはどうやら外傷患者らしい。高次脳機能障害患者ではなくそこまで理解が回らない・判らない方でもない様だ。なのにである。とにもかくにも、時間外にエレベーターで1Fに行かなければ全ての被害可能性は0なわけだ。

しかしワガママさんの大声だったり、緊急という事で特別に許可された。あらゆる対策を講じて。エレベーターも動かし看護士も一人補助で同行させて。

終わって戻ってきたワガママさんの第一声が『繋がらなかったよごめんねぇ』とヘラヘラと聞こえてきた。僕の入院中で一番ストレスが沸騰した瞬間だった。

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