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初個展直前に脳梗塞になった話:入院22~25日目(リハビリ病院5~8日目)

22日目:患者はなかなかワガママ

薬を持ってきてくれた看護士さんにカーテンを閉め忘れてないのに『閉めてって言ったでしょ』だとか言う。暑いと言って看護士さんにエアコンを下げてもらいながらほどなくして寒いと言い、さすがに当然の『どちらなの?』という返答をしてきた忙しそうに働く看護士さんに対して『寝てる人?歩いてる人?』と嫌味を言うなんて当たり前、とは言えない患者もざらに居ますね。

PT(理学療法士)小鳥さん

多少意思を感じとり汲み取ってくれた様だけども冗談で空気を和ませたくないので僕はシビアに対応する。(※前日に引き続き色眼鏡の影響です) 太腿の筋力トレーニングマシンの説明。座りながら膝下を持ち上げるタイプのもの。当然、筋力は落ちてて思った程の重さを上げられない。動く左足でも5kgしか上げられず『意外に足の力無いんですね』と言われた。これは嫌味だなぁ~、なんて色眼鏡ではなく普通に【力がない】だけと自分でも解る。その後はエアロバイクの説明。その後はうつ伏せになりお尻の肉やと太腿とかふくらはぎといった脚裏の筋トレをする。

OT(作業療法士)による運転チーム

脳梗塞患者が再度運転するためには免許を許可してもらはないといけない。そのための専門のチームがあると説明を受けた。免許自体は各都道府県の公安=免許センターが管轄している。免許センターに指定の要項の診断書を提出する。その診断書は指定を受けた、限られた病院だけが作成出来る。主治医の運転可能という診断があって免許センターも免許を再交付できるというわけだ。

その病院での診断の工程が運転評価とよばれる。運転評価が不合格となるとその後6ヶ月待機が必要らしい。学習効果というのが働いてしまうらしく、正常な評価が出来ないため、受けたくても6ヶ月空けないと再度は受けられないそうだ。どうしよう。困った。説明してくれたOTさんは『ただ今はそこまで考えないでも良いだろう』と言ってくれた。その後風呂場へ。自力で浴槽をまたげるか。自力で湯船に入れて浸かれるか。そして出れるか。作業療法なので日常の動作を見るのだ。

23日目:ストイックなノッポさん

ST(言語聴覚士)ノッポさん。僕は間違い探しは好き。そんな僕をストイックだと評価してくれた。私も同じだから判るけども頑張り過ぎる性格でしょう?と言われた。どうだろう。自分では判らない。次の課題は指定の文字を丸やレ点でチェックしていく。【抹消課題】というらしい。ひらがながズラっと並んでるものやアルファベットがズラっと並んでるパターンはけっこう出来た。しかし数字のパターンはどうやら苦手かなと知る。次に論理テストの課題はレベル1との事なのでそこそこいけた。だからさらに難しいレベルを後日やるとの事。次にトランプを使う課題。黒はマーク毎に重ね、赤は偶数奇数で重ねる。このテストで『んぐぅぅぅ~』となってると、ノッポさんが『ひねくれてるとこんなのも考えられるんですよ』と自虐して例えてくれた。こういう課題もスタッフの中で考えてる事も教えてくれた。とにかく元気で明るい。この仕事に一生懸命だと思った。

午後のOT朗らかさん

道具を使う。右手で早く移動してその時間を測る。10cm四方の大きい物からどんどん小さくなる。他にも、鉄のBB弾みたいなものを移動する。直径2mm2cm程の棒を穴に指す。厚さ2mmの革の裏返す等々。この時の記録は後々更新していくし数値で回復が判るのは嬉しいと知る事になる。

24日目:素直になれない目を見れない

午前中はSTノッポさん。見本の図案を見ながら、その輪郭と同じ様に積木を並べる課題。ビジュアルとかイメージの分野は自分でも良いと思う。次にトランプを使う課題。目の前に出されるカードが、その前に出された数より多ければ足して少なければ引く。1回目は出すカードをずらして置く手法。そうすると前に出ているカード達がどうしても目に入る状態。なのでそれに引っ張られ、整理がつかず『んぐぐぐぐ』となった。2回目は出すカードを重ねていく手法に変えた。前のカードを記憶しないといけないので、難しくなりそうだが意外にもスムーズにいけた。

さて午後のPT小鳥さん。どうしても色眼鏡の影響で心が乗らない。素直にはなれないし目を見る事も出来ず。さらには膝も痛いし、伸びすぎた天然パーマや、口ごもる事や、色々なストレスとコンプレックスも邪魔する。伸びすぎた髪をそろそろ切りに行こうかなという矢先の脳梗塞発症だったし。そりゃ、脳梗塞なんて予定に入れるわけもないし。

リハビリも常連がいるようだ

自主トレの受付に声をかける。何やら僕の前に居た男性は常連らしい。受付の女性も愛想が良い。その男性と奥のリハビリスペースに行ってしまった。僕も受付で背中を向けてる女性に恐る恐る声をかける。その女性は髪型も短くビシッと決まってて少し冷淡な印象だった。PCの作業を中断させられて無愛想なのかなとも思ってしまった。(安定の色眼鏡)さて、昨日の太腿筋トレマシンを早速試す。実行する。いやぁ、上がらない。本当に筋力は落ちるものなのだなとつくづく実感する。

25日目:PT沢口靖子さん

午前中のPTさんは初めての人。担当さんが休みとかで代行となる。読んで字の如し沢口靖子さんに似てる人だった。説明は判りやすいしせぇーのっという掛け声のタイミングも良い。こちらに伝わる様な声量や声質やタイミングまでもがバッチリ。その方に意を決して小鳥PTさんを替えて欲しいのですがと相談した。沢口靖子さんが『何かありましたか?』と聞いてきたので、僕は少し言葉とかがキツイなぁと思うのでと言うと『あぁ~』と思いあたる様に言った。そして『では、何人か代行のPTで日程を組むので相性の良さそうな人を教えて下さい』と言ってくれた。言ってみるもんだなとこの時は率直に感じたし、沢口靖子さんて日程組める程の上の方なのかなと思った。(結局、小鳥さんに戻して頂くし、小鳥さんに感謝するんですけどね。さらに後々聞いたらこちらの沢口靖子さんと小鳥さんは同期で仲も良いとの事でした。だから相談した時に『あぁ~』という反応だったんだなぁと。酸いも甘いも知ってる仲なんだなと。)

肝心のリハビリは仰向けで膝にボールを挟む。その状態でお尻を上げ下げする。ゆっくり呼吸しながら。その後に片側を向いて片足を前後に。お尻の筋肉を意識しながら。ベッドを高めにして、骨盤を意識して、お尻から立ったり座ったりする運動。膝は後からついでにという意識で。骨盤が立つのを感じる様に。背骨を曲げずに反らせる様に。

午後初めましてのSTお笑いさん

この日初対面のSTさん。ハキハキしてて軽いノリなので【お笑いさん】とします。ノッポさんとは逆で甘いもの好きとの事。ノッポさんは休日パンケーキだとか食べてそうな印象なのだが見た目に合わず豚足やら塩辛やらお酒のツマミの様なものが好きとの事。むしろ甘いものは苦手らしい。お笑いさんにそれを言うと『意外ですねぇ~!』と驚いていたので僕も激しく同意した。さて、最初の課題は1から順番に書かれた数字を繋いで出来上がる絵を当てるもの。次の課題は単語がいくつか並んでいて母音の数で記号を分けて書いていくもの。母音が1個なら丸、2個なら三角、3個以上ならバツといった課題。次に、似たような文字の中に違う文字が隠れてるのでそれを探し当てるというもの。それぞれの字は回転してたりするのでとても難しい。

午後のOTキッチン周り動作

朗らかさんがキッチンの利用を時間指定しておいてくれた。リハビリ病院では台所動作や、洗濯物動作、買い物動作、布団動作、掃除動作、色々な生活のシーンを想定してリハビリをするのだ。今回はコンロで火を扱う。電気かガスかを選ぶ。病院の設備は電気だったので、僕は家がガスコンロなのでカセットコンロを用意してもらう。やかんでお湯をわかす。紅茶を作りそれを一緒に飲む。こうして優雅な午後のひとときをたしなむのもリハビリだ。

さて。今回の総括。

人は厳しい環境に慣れるし、そこに身を置く方がより鍛えられると僕は思ってる。どれを望み、何を求めるかは個人の自由。僕はテキパキしたい方だと思う。だからノッポさんの言ってた印象も的ハズレではないのかな。しかしそれが脳梗塞の再発の引き金になるかもしれないと思うと怖い。過度にストレス溜める事になるかもしれないと不安になる。今は判らない。明確なのは再発はしたくないという事だけだ。

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