武智城太郎

B級映画好き。特に80年代の作品を好む。アクション、ホラー、SF、コメディ等ジャンル映…

武智城太郎

B級映画好き。特に80年代の作品を好む。アクション、ホラー、SF、コメディ等ジャンル映画ならなんでも。映画学校中退の自称シナリオライター。関西出身。

記事一覧

『メカニカル・マン』第3話

人物表(第3話) 本城一馬(32)元刑事の私立探偵。昔堅気のアナログ人間。特異な視覚能力のせいで、大のレプリ嫌い。 蓮間一舞(16)重度のレプリオタク。人気ナンバ…

武智城太郎
1か月前
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『伊賀者、推参』第三話

本文  岸に着くと、三人は舟から下りる。  弥左衛門が縄の先を握って、判官を引っ立てている格好は変わらない。  岸には人気がなく、寂しげな雰囲気。  ただ一人、酔…

武智城太郎
1か月前
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『伊賀者、推参』第二話

本文         琵琶湖畔にそびえる巨大な山城、安土城。  七重の天主閣はダイナミックな造形美に溢れ、天上界を思わせる絢爛豪華さだ。  その姿が映り込んでいる静…

武智城太郎
1か月前
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『伊賀者、推参』第一話

あらすじ  天正九年(1581)。伊賀は、天下布武を掲げる織田四万の大軍に怒涛のごとく攻め込まれ、修羅場と化した。すべては伊賀忍びを忌み嫌う織田信長の意向である。伊賀…

武智城太郎
1か月前
1

『爆烈刑事 鋼鉄の相棒編』第3話

人物表(第3話) 高木健吾(27)麻薬課の熱血刑事。昔気質のアナログ人間。 ロイ(製造5年)麻薬課に試験的に配属になったアンドロイド刑事。高木の新しい相棒。有能…

武智城太郎
1か月前
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『爆烈刑事 鋼鉄の相棒編』第2話

人物表(第2話) 高木健吾(27)麻薬課の熱血刑事。昔気質のアナログ人間。 ロイ(製造5年)麻薬課に試験的に配属になったアンドロイド刑事。高木の新しい相棒。有能…

武智城太郎
1か月前
2

『爆烈刑事 鋼鉄の相棒編』第1話

あらすじ  高木健吾は麻薬捜査課の熱血刑事である。頼れる相棒は天才チンパンジーのパンチ。二人が長年追っているのは、新型麻薬HGを製造密売している巨大地下組織〈ブ…

武智城太郎
1か月前
2

『忍びの星』第三話

本文                                                                        太郎太と善吉は…

武智城太郎
1か月前
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『忍びの星』第二話

本文                                                                        「ついにわしら…

武智城太郎
1か月前
2

『忍びの星』第一話

あらすじ  善吉は、幼い頃より超一流の〈名誉の忍び〉になることを夢見る甲賀忍者の卵。里の忍術教室で長年にわたり修業を積むも、痩せっぽちで気弱な彼は、留年?をくり…

武智城太郎
1か月前
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『メカニカル・マン』第2話

人物表(第2話) 本城一馬(32)元刑事の私立探偵。昔堅気のアナログ人間。特異な視覚 能力のせいで、大のレプリ嫌い。 蓮間一舞(16)本城の押しかけ助手。重度のレ…

武智城太郎
1か月前
3

『破邪の拳』第3話

人物表(第3話) 青馬文彦(20)伝説の最強暗殺武術〈破邪神拳〉の後継者。世間的にはただのニート 国選弁護人の山田(31)酷い吃音。裁判で勝ったことがない。 検察…

武智城太郎
1か月前
3

『破邪の拳』第2話

人物表(第2話) 青馬文彦(20) 伝説の最強暗殺武術〈破邪神拳〉の後継者。世間的にはただのニート 狒々(?)山中に棲息する伝説の大猿妖怪  本文        …

武智城太郎
1か月前
3

『破邪の拳』第1話

あらすじ  青馬文彦(20)は、(自称)伝説の最強武術〈破邪神拳〉の正統後継者である。彼は現在、免許皆伝を得るための〈三七の試練〉に全身全霊で挑んでいた。だが世間…

武智城太郎
1か月前
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『メカニカル・マン』第1話

あらすじ    有能で魅力的なアンドロイド(通称レプリ)たちが人々に愛され、社会に浸透している時代。  だがそんな時代に反するように、しがない探偵である本城は大の…

武智城太郎
1か月前
3
『メカニカル・マン』第3話

『メカニカル・マン』第3話

人物表(第3話)

本城一馬(32)元刑事の私立探偵。昔堅気のアナログ人間。特異な視覚能力のせいで、大のレプリ嫌い。
蓮間一舞(16)重度のレプリオタク。人気ナンバー1レプリアイドルのヒビキの熱狂的ファン。人間とレプリが共存できる社会を夢見ている。
牛尾創(28)肥満体の冴えない風貌だが、世界屈指のAI設計者にしてレプリ工学者。
斎藤美佐代(46)レプリロイド愛護協会の代表。レプリを溺愛し、かれら

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『伊賀者、推参』第三話

『伊賀者、推参』第三話

本文

 岸に着くと、三人は舟から下りる。
 弥左衛門が縄の先を握って、判官を引っ立てている格好は変わらない。
 岸には人気がなく、寂しげな雰囲気。
 ただ一人、酔っ払ったよれよれの老人が釣りをしている。右手には釣竿、左手には瓢箪の徳利を持って。
 老人は徳利の酒を一飲みし、
「おおーっ! よう来た、若い衆!」
 上機嫌で出迎える。
「いい舟旅だったよ」
 と弥左衛門。
「ほら、一杯どうじゃ」
 

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『伊賀者、推参』第二話

『伊賀者、推参』第二話

本文
      
 琵琶湖畔にそびえる巨大な山城、安土城。
 七重の天主閣はダイナミックな造形美に溢れ、天上界を思わせる絢爛豪華さだ。
 その姿が映り込んでいる静かな湖面は、さながら美しい絵画のよう。
 そこに、一艘の舟が浮かんでいる。
 舟上で円座を組んでいるのは、弥左衛門と木三と判官の三人衆。
 木三は急かすように、
「弥左よ、敵の膝元…いや胸元にまで飛び込んだぞ。さあ妙案とやらを話してくれ

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『伊賀者、推参』第一話

『伊賀者、推参』第一話

あらすじ

 天正九年(1581)。伊賀は、天下布武を掲げる織田四万の大軍に怒涛のごとく攻め込まれ、修羅場と化した。すべては伊賀忍びを忌み嫌う織田信長の意向である。伊賀勢も砦を築いてゲリラ的に抵抗するが、衆寡敵せず、無残に敗北する。
 城戸弥左衛門は、鉄砲術と遁走術を得意とする伊賀随一の忍びである。織田家への憎悪を募らせていた彼は、恨みを晴らす千載一遇の好機を得る。信長が、織田家の領地となった伊賀

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『爆烈刑事 鋼鉄の相棒編』第3話

『爆烈刑事 鋼鉄の相棒編』第3話

人物表(第3話)

高木健吾(27)麻薬課の熱血刑事。昔気質のアナログ人間。
ロイ(製造5年)麻薬課に試験的に配属になったアンドロイド刑事。高木の新しい相棒。有能だが堅物。
パンチ(10)麻薬課のチンパンジー刑事。高木の元相棒。人として育てられた天才チンパンジー。人間の女好き。
山田(46)麻薬課の課長。動物嫌いでハイテク好き。嫌味たらしい。
ドクター中村(67)天才遺伝子学者。新型麻薬HGを開発

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『爆烈刑事 鋼鉄の相棒編』第2話

『爆烈刑事 鋼鉄の相棒編』第2話

人物表(第2話)

高木健吾(27)麻薬課の熱血刑事。昔気質のアナログ人間。
ロイ(製造5年)麻薬課に試験的に配属になったアンドロイド刑事。高木の新しい相棒。有能だが堅物。
パンチ(10)麻薬課のチンパンジー刑事。高木の元相棒。人として育てられた天才チンパンジー。人間の女好き。
ドクター中村(67)天才遺伝子学者。新型麻薬HGを開発した。多趣味。          

本文

〇車道B
覆面パトカ

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『爆烈刑事 鋼鉄の相棒編』第1話

『爆烈刑事 鋼鉄の相棒編』第1話

あらすじ

 高木健吾は麻薬捜査課の熱血刑事である。頼れる相棒は天才チンパンジーのパンチ。二人が長年追っているのは、新型麻薬HGを製造密売している巨大地下組織〈ブラックファントム〉だ。謎多き組織で、いまだ〝タナカ〟と呼ばれるボスの正体も、アジトの場所もつかめていない。
 そんなとき、パンチが発情期になって人間の女性を襲ってしまい、強制動物園送りになってしまう(後に非人道的動物実験施設送りに)。
 

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『忍びの星』第三話

『忍びの星』第三話

本文                            
                                         
 太郎太と善吉は、息を切らしながらへいこらと山道をのぼっている。
 旅の疲れのせいで二人の外見はすっかり薄汚れてしまい、いまや乞食同然のありさまである。
 ようやく山頂に到着する。
「おおっ・・!」
 太郎太は、眼下に広がる壮大な城下町の景色に目を見張る

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『忍びの星』第二話

『忍びの星』第二話

本文                            
                                          
「ついにわしらにも、大海に乗り出す日がやって来たな!」
 まばゆい朝日を望みながら、太郎太は晴れ晴れとしている。自由になった両腕を気持ちよさそうに振り動かす。いまにも大声で歌いださんばかりだ。
「気がすんだら、すぐ里に帰るからな」
 対照的に善吉は不安

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『忍びの星』第一話

『忍びの星』第一話

あらすじ

 善吉は、幼い頃より超一流の〈名誉の忍び〉になることを夢見る甲賀忍者の卵。里の忍術教室で長年にわたり修業を積むも、痩せっぽちで気弱な彼は、留年?をくりかえす落ちこぼれであった。
 今回もまた忍びデビューのチャンスを後輩に奪われた善吉は、さすがに心が折れかける。
「世界は広い! 里で忍びになれぬなら他国で仕官すればよい。それも一国一城の大大名に仕えるんじゃ!」
 タイプは正反対ながら、善

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『メカニカル・マン』第2話

『メカニカル・マン』第2話

人物表(第2話)

本城一馬(32)元刑事の私立探偵。昔堅気のアナログ人間。特異な視覚
能力のせいで、大のレプリ嫌い。
蓮間一舞(16)本城の押しかけ助手。重度のレプリオタク。人気ナンバー1レプリアイドルのヒビキの熱狂的ファン。人間とレプリが共存できる社会を夢見ている。
青田圭一(20)大学生。一舞の高校の美術部のOB。
真里亜(16、7歳設定)青田が所有する家庭用の美少女レプリ。

本文

 理

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『破邪の拳』第3話

『破邪の拳』第3話

人物表(第3話)

青馬文彦(20)伝説の最強暗殺武術〈破邪神拳〉の後継者。世間的にはただのニート
国選弁護人の山田(31)酷い吃音。裁判で勝ったことがない。
検察官(42)やり手だが喧嘩っ早いところも。
裁判官(67)大岡裁きで定評がある。
LSのメンバーたち(?)過激な活動で知られるLS(自然保護団体 Land Shark)に所属する。
狒々(?)山中に棲息する伝説の大猿妖怪
ゴリラ(?)手

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『破邪の拳』第2話

『破邪の拳』第2話

人物表(第2話)

青馬文彦(20) 伝説の最強暗殺武術〈破邪神拳〉の後継者。世間的にはただのニート
狒々(?)山中に棲息する伝説の大猿妖怪 

本文
              
 妖怪退治

 某県某市にある山奥村。
 緑に覆われた深い山々に囲まれており、まるで外界と隔絶しているような土地だ。
「やっと着いたか」
 大きなリュックサックを背負っている文彦が、舗装されていない道をテクテクと歩い

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『破邪の拳』第1話

『破邪の拳』第1話

あらすじ

 青馬文彦(20)は、(自称)伝説の最強武術〈破邪神拳〉の正統後継者である。彼は現在、免許皆伝を得るための〈三七の試練〉に全身全霊で挑んでいた。だが世間的には実家に寄生するただのニートでしかない。毎日のように、さっさと就職してお金を稼げと母親から愚痴をこぼされる有様だ。
 そんなとき、伝説の地下格闘技トーナメント〈天下一闘技会〉が開催されるという話を耳にする。母親の愚痴を回避するため、

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『メカニカル・マン』第1話

『メカニカル・マン』第1話

あらすじ
 
 有能で魅力的なアンドロイド(通称レプリ)たちが人々に愛され、社会に浸透している時代。
 だがそんな時代に反するように、しがない探偵である本城は大のレプリ嫌いだった。どんなに人間と酷似した美しいレプリであろうと、おぞましい機械人形に見えてしまう(不気味の谷現象)特異な視覚能力の持ち主だったからだ。
 ひさしぶりの依頼である少女失踪事件の調査中に、たまたま反レプリ同盟と敵対したせいで、

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