武智城太郎

B級映画好き。特に80年代の作品を好む。アクション、ホラー、SF、コメディ等ジャンル映…

武智城太郎

B級映画好き。特に80年代の作品を好む。アクション、ホラー、SF、コメディ等ジャンル映画ならなんでも。映画学校中退の自称シナリオライター。関西出身。

最近の記事

『メカニカル・マン』第3話

人物表(第3話) 本城一馬(32)元刑事の私立探偵。昔堅気のアナログ人間。特異な視覚能力のせいで、大のレプリ嫌い。 蓮間一舞(16)重度のレプリオタク。人気ナンバー1レプリアイドルのヒビキの熱狂的ファン。人間とレプリが共存できる社会を夢見ている。 牛尾創(28)肥満体の冴えない風貌だが、世界屈指のAI設計者にしてレプリ工学者。 斎藤美佐代(46)レプリロイド愛護協会の代表。レプリを溺愛し、かれらには人間と同じ感情があると盲信する。 ヒビキ(17歳設定)絶対的人気のナンバーワ

    • 『伊賀者、推参』第三話

      本文  岸に着くと、三人は舟から下りる。  弥左衛門が縄の先を握って、判官を引っ立てている格好は変わらない。  岸には人気がなく、寂しげな雰囲気。  ただ一人、酔っ払ったよれよれの老人が釣りをしている。右手には釣竿、左手には瓢箪の徳利を持って。  老人は徳利の酒を一飲みし、 「おおーっ! よう来た、若い衆!」  上機嫌で出迎える。 「いい舟旅だったよ」  と弥左衛門。 「ほら、一杯どうじゃ」  徳利を掲げる。 「おお、すまんな」  受けとり、二口ほど飲む。  徳利を返しなが

      • 『伊賀者、推参』第二話

        本文         琵琶湖畔にそびえる巨大な山城、安土城。  七重の天主閣はダイナミックな造形美に溢れ、天上界を思わせる絢爛豪華さだ。  その姿が映り込んでいる静かな湖面は、さながら美しい絵画のよう。  そこに、一艘の舟が浮かんでいる。  舟上で円座を組んでいるのは、弥左衛門と木三と判官の三人衆。  木三は急かすように、 「弥左よ、敵の膝元…いや胸元にまで飛び込んだぞ。さあ妙案とやらを話してくれ」  弥左衛門は安土城をチラッと仰ぎ見てから、 「むろん、あの城に入る」  木三

        • 『伊賀者、推参』第一話

          あらすじ  天正九年(1581)。伊賀は、天下布武を掲げる織田四万の大軍に怒涛のごとく攻め込まれ、修羅場と化した。すべては伊賀忍びを忌み嫌う織田信長の意向である。伊賀勢も砦を築いてゲリラ的に抵抗するが、衆寡敵せず、無残に敗北する。  城戸弥左衛門は、鉄砲術と遁走術を得意とする伊賀随一の忍びである。織田家への憎悪を募らせていた彼は、恨みを晴らす千載一遇の好機を得る。信長が、織田家の領地となった伊賀を視察に訪れるというのだ。  印代判官と原田木三という凄腕の伊賀の仲間とともに森

        『メカニカル・マン』第3話

          『爆烈刑事 鋼鉄の相棒編』第3話

          人物表(第3話) 高木健吾(27)麻薬課の熱血刑事。昔気質のアナログ人間。 ロイ(製造5年)麻薬課に試験的に配属になったアンドロイド刑事。高木の新しい相棒。有能だが堅物。 パンチ(10)麻薬課のチンパンジー刑事。高木の元相棒。人として育てられた天才チンパンジー。人間の女好き。 山田(46)麻薬課の課長。動物嫌いでハイテク好き。嫌味たらしい。 ドクター中村(67)天才遺伝子学者。新型麻薬HGを開発した。多趣味。 ジャガー(28)〈ブラックファントム〉の女殺し屋。  本田(25

          『爆烈刑事 鋼鉄の相棒編』第3話

          『爆烈刑事 鋼鉄の相棒編』第2話

          人物表(第2話) 高木健吾(27)麻薬課の熱血刑事。昔気質のアナログ人間。 ロイ(製造5年)麻薬課に試験的に配属になったアンドロイド刑事。高木の新しい相棒。有能だが堅物。 パンチ(10)麻薬課のチンパンジー刑事。高木の元相棒。人として育てられた天才チンパンジー。人間の女好き。 ドクター中村(67)天才遺伝子学者。新型麻薬HGを開発した。多趣味。           本文 〇車道B 覆面パトカーが走っている。 〇車内 高木が運転し、助手席にはロイが乗っている。 高木「

          『爆烈刑事 鋼鉄の相棒編』第2話

          『爆烈刑事 鋼鉄の相棒編』第1話

          あらすじ  高木健吾は麻薬捜査課の熱血刑事である。頼れる相棒は天才チンパンジーのパンチ。二人が長年追っているのは、新型麻薬HGを製造密売している巨大地下組織〈ブラックファントム〉だ。謎多き組織で、いまだ〝タナカ〟と呼ばれるボスの正体も、アジトの場所もつかめていない。  そんなとき、パンチが発情期になって人間の女性を襲ってしまい、強制動物園送りになってしまう(後に非人道的動物実験施設送りに)。  高木の新しい相棒としてやってきたのは、なんと大手電気メーカーが開発した最新型アン

          『爆烈刑事 鋼鉄の相棒編』第1話

          『忍びの星』第三話

          本文                                                                        太郎太と善吉は、息を切らしながらへいこらと山道をのぼっている。  旅の疲れのせいで二人の外見はすっかり薄汚れてしまい、いまや乞食同然のありさまである。  ようやく山頂に到着する。 「おおっ・・!」  太郎太は、眼下に広がる壮大な城下町の景色に目を見張る。 「さすが兵馬は都じゃ。町屋があんなにひしめいて・・!」           

          『忍びの星』第三話

          『忍びの星』第二話

          本文                                                                        「ついにわしらにも、大海に乗り出す日がやって来たな!」  まばゆい朝日を望みながら、太郎太は晴れ晴れとしている。自由になった両腕を気持ちよさそうに振り動かす。いまにも大声で歌いださんばかりだ。 「気がすんだら、すぐ里に帰るからな」  対照的に善吉は不安そう。  太郎太と善吉は甲賀の隣郡の街道を歩いていた。まだ日が出たばかりのせいか

          『忍びの星』第二話

          『忍びの星』第一話

          あらすじ  善吉は、幼い頃より超一流の〈名誉の忍び〉になることを夢見る甲賀忍者の卵。里の忍術教室で長年にわたり修業を積むも、痩せっぽちで気弱な彼は、留年?をくりかえす落ちこぼれであった。  今回もまた忍びデビューのチャンスを後輩に奪われた善吉は、さすがに心が折れかける。 「世界は広い! 里で忍びになれぬなら他国で仕官すればよい。それも一国一城の大大名に仕えるんじゃ!」  タイプは正反対ながら、善吉の幼馴染でやはり落ちこぼれであるデブで無神経な太郎太が吠える。  常識的な善吉

          『忍びの星』第一話

          『メカニカル・マン』第2話

          人物表(第2話) 本城一馬(32)元刑事の私立探偵。昔堅気のアナログ人間。特異な視覚 能力のせいで、大のレプリ嫌い。 蓮間一舞(16)本城の押しかけ助手。重度のレプリオタク。人気ナンバー1レプリアイドルのヒビキの熱狂的ファン。人間とレプリが共存できる社会を夢見ている。 青田圭一(20)大学生。一舞の高校の美術部のOB。 真里亜(16、7歳設定)青田が所有する家庭用の美少女レプリ。 本文  理想の彼女 ○マンション南徳山・本城の部屋・リビングダイニング 廃車場での事件

          『メカニカル・マン』第2話

          『破邪の拳』第3話

          人物表(第3話) 青馬文彦(20)伝説の最強暗殺武術〈破邪神拳〉の後継者。世間的にはただのニート 国選弁護人の山田(31)酷い吃音。裁判で勝ったことがない。 検察官(42)やり手だが喧嘩っ早いところも。 裁判官(67)大岡裁きで定評がある。 LSのメンバーたち(?)過激な活動で知られるLS(自然保護団体 Land Shark)に所属する。 狒々(?)山中に棲息する伝説の大猿妖怪 ゴリラ(?)手話が得意 本文  決闘裁判  法廷。  裁判の真っ最中だ。  文彦は被告席

          『破邪の拳』第3話

          『破邪の拳』第2話

          人物表(第2話) 青馬文彦(20) 伝説の最強暗殺武術〈破邪神拳〉の後継者。世間的にはただのニート 狒々(?)山中に棲息する伝説の大猿妖怪  本文                 妖怪退治  某県某市にある山奥村。  緑に覆われた深い山々に囲まれており、まるで外界と隔絶しているような土地だ。 「やっと着いたか」  大きなリュックサックを背負っている文彦が、舗装されていない道をテクテクと歩いている。半日も山道を登り降りしていたせいか、少々疲労気味だ。 「想像以上の僻地だ

          『破邪の拳』第2話

          『破邪の拳』第1話

          あらすじ  青馬文彦(20)は、(自称)伝説の最強武術〈破邪神拳〉の正統後継者である。彼は現在、免許皆伝を得るための〈三七の試練〉に全身全霊で挑んでいた。だが世間的には実家に寄生するただのニートでしかない。毎日のように、さっさと就職してお金を稼げと母親から愚痴をこぼされる有様だ。  そんなとき、伝説の地下格闘技トーナメント〈天下一闘技会〉が開催されるという話を耳にする。母親の愚痴を回避するため、文彦は優勝賞金目当てで意気揚々と大会に参加するのだが・・・ 人物表(第1話)

          『破邪の拳』第1話

          『メカニカル・マン』第1話

          あらすじ    有能で魅力的なアンドロイド(通称レプリ)たちが人々に愛され、社会に浸透している時代。  だがそんな時代に反するように、しがない探偵である本城は大のレプリ嫌いだった。どんなに人間と酷似した美しいレプリであろうと、おぞましい機械人形に見えてしまう(不気味の谷現象)特異な視覚能力の持ち主だったからだ。  ひさしぶりの依頼である少女失踪事件の調査中に、たまたま反レプリ同盟と敵対したせいで、〝レプリ愛護派探偵〟と世間から誤解され、膨大な数のレプリ関連の依頼が寄せられるよ

          『メカニカル・マン』第1話