濵津隆之/捨てる手帳

詩だったり短編だったりエッセイだったりを時々書いています/捨てる手帳とは創作活動に於い…

濵津隆之/捨てる手帳

詩だったり短編だったりエッセイだったりを時々書いています/捨てる手帳とは創作活動に於いての屋号のようなものです

マガジン

  • 置いていく日常

    ある事とない事の思い浮かびや何でもない私事をぽつりぽつりと置いていきます

  • その辺の詩

    その辺にあるような何て事のない風景を時々言葉にしています

  • 置いていく予定の日常

    後々は置いていく日常の方に収容する予定の散文です。

  • 何処かの短編

    ちょっとおかしなちょっとした話を時々ぽつぽつと書いています

記事一覧

窓越しに聞こえるくぐもった雨音と 時々走りすぎていく水気を帯びた走行音 リビングはやけに静かで落ち着いていて 特に何がある訳でもなく

ドラッグストアもぽっかりで

冷凍庫の小分けご飯が無くなったので新しく炊こうと思ったらお米が3合炊きの炊飯ジャーに届かなくて、どうしようかと迷った末に取り敢えず一旦ラップを掛けて用事に出掛け…

向こうとこっちをごちゃ混ぜにして

そろそろTwitter(現X)を辞めようと思っている。とは言っても以前に既に一度やめていて、イベントの仕事でアカウントが必要になって改めて作ったのだけどその時にちょこっ…

100

あの格好のまま消えていったに違いない

仕事へ向かうべくまあまあ混み合っている電車に乗り込んで奥の空いているスペースに身を収めていると、すぐ目の前の若い女の子二人組がそれぞれにスマホを弄くっていた。二…

100

テレビも消してその場に座って

8月6日と9日に広島と長崎で行われている平和記念式典を毎年YouTubeで見ている。国内外の関係者や地元中高生の子供たち、被爆体験者や戦争経験者の方々などが炎天下の中参列…

興奮はしています

兎に角お腹が弱いのでクーラーの冷たさにすぐやられてしまう。それでも朝からもう既に暑さがしっかり出来上がっているから起きたら窓を開けつつスイッチを押して部屋の温度…

100

渇いた喉を0円で

家で豆を挽いてコーヒーを入れる時に使う水を水道水から市販の水に移行したのだけど、これが意外と消費が激しいので代わりに飲み水を市販の水から水道水に移行した。特に不…

100

誰かをちょっとだけ挟んでしまう

美容室へ向かうエレベーターで乗り合わせた綺麗な女性がどうやら同じ美容室のお客さんで、到着したエレベーターの開くボタンを押してお先にどうぞと譲ったら開いたドアが直…

100

力入れてないです

花粉アレルギーが原因で肺をやらてしまう事があると言う事を知ったのが4、5年前。元々昔から季節の変わり目には弱くて長引く咳も毎年4月辺りになると引きかける風邪が原…

100

「それ」は決して走らない

近くの川沿いを走っていたら橋の向こうから筋肉隆々の青年が歩いて来るのが見えて、その胸を張った歩き方が正にオードリーの春日さんのそれだったので「お、春日さん」と心…

タッチパネルに身体を向けて

仕事の帰りに家の近くのバーミヤンに寄ったら隣の4人席にも一人で来ている20代くらいの女性が既に座っていて、向こうの壁際に立て掛けられたタッチパネルを立て掛けたまま…

100

勿論うんともすんともで

通っていた中学校にちょっと癖のある理科の先生がいて、多分50代くらいだったと思うけど、そのおじさん先生にはちょっとした噂があった。それは、その先生は何やら凄い大発…

100

禿げたら禿げたでそういう事で

ふと気づいたら頭頂部が気持ち寂しくなって来ているような気がして、それが確か7、8年前のこと。30代で禿げるのだけは流石にちょっとお願いしますと、そこから育毛剤や発毛…

試しに深夜のF1を

YouTubeやSpotifyでぶらぶらと音楽を巡っていると色んな知らないアーティストの色んな知らない曲が次から次へと画面に登場して来て、その中をまたぶらぶらと渡り歩いている…

100

私の股間にあったにしても

駅へ向かう道を歩いていたらちょっと先にある土木屋さんの事務所からお爺さん二人が出てきて自分と同じ進行方向に歩き出した。同じ作業着を着て並んで歩くその後ろ姿は、背…

100

最後はふらっと山にでも入って

腸は第二の脳と呼ばれている。と言う、腸の機能に迫ったアメリカのサイエンス番組をNetflixで見たせいか、それとも歳を取ったからか、多分去年大きな病気をした事も関係あ…

100
雨

窓越しに聞こえるくぐもった雨音と
時々走りすぎていく水気を帯びた走行音
リビングはやけに静かで落ち着いていて
特に何がある訳でもなく

ドラッグストアもぽっかりで

ドラッグストアもぽっかりで

冷凍庫の小分けご飯が無くなったので新しく炊こうと思ったらお米が3合炊きの炊飯ジャーに届かなくて、どうしようかと迷った末に取り敢えず一旦ラップを掛けて用事に出掛けた。帰りに買って帰ってしっかり3合にしてから炊いてやろうという算段だったのに家に到着して荷物を下ろすか下ろさないかの所でようやくお米の事を思い出して、でも夜は米は食べないから明日買いに行けばいいかとその日は諦めて寝てしまった。翌朝、何時もの

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向こうとこっちをごちゃ混ぜにして

向こうとこっちをごちゃ混ぜにして

そろそろTwitter(現X)を辞めようと思っている。とは言っても以前に既に一度やめていて、イベントの仕事でアカウントが必要になって改めて作ったのだけどその時にちょこっと使っただけで呟きは一切していない。かと言って誰かの投稿を見る訳でもなければ唯一フォローしているアカウントの最新情報も結局直接ホームページから仕入れていて、noteやInstagramの更新を共有したりもしていたけどそれも辞めてしま

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あの格好のまま消えていったに違いない

あの格好のまま消えていったに違いない

仕事へ向かうべくまあまあ混み合っている電車に乗り込んで奥の空いているスペースに身を収めていると、すぐ目の前の若い女の子二人組がそれぞれにスマホを弄くっていた。二人はスマホを両手で持っていて、たまに電車がゴトンと揺れても全くつり革を掴む素振りを見せない。後ろでしっかり掴んでいる私がそれでもぐっと力を込めるような大きな揺れでさえ、二人はつり革に視線を送ることもなければスマホを掴んだその手が反射的にピク

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テレビも消してその場に座って

テレビも消してその場に座って

8月6日と9日に広島と長崎で行われている平和記念式典を毎年YouTubeで見ている。国内外の関係者や地元中高生の子供たち、被爆体験者や戦争経験者の方々などが炎天下の中参列して、平和と核廃絶に対する思いと願いを毎年世界に向けて強く強く訴え続けている。それぞれの式典で読み上げられる平和宣言や平和への誓いはその度に強く心を打たれると同時に、二度と起きてはならない最悪の事態が再び起こってしまうかもしれない

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興奮はしています

興奮はしています

兎に角お腹が弱いのでクーラーの冷たさにすぐやられてしまう。それでも朝からもう既に暑さがしっかり出来上がっているから起きたら窓を開けつつスイッチを押して部屋の温度を0に戻す。段々と涼しい部屋が出来上がって来ると案の定お腹が唸り声を挙げ始め、はいはい分かっていましたよと小走りでトイレに駆け込んで用を足す。調子が良ければ一往復で落ち着いてくれるけど、汗で湿っているところにクーラーの風ですっかり冷たくなっ

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渇いた喉を0円で

渇いた喉を0円で

家で豆を挽いてコーヒーを入れる時に使う水を水道水から市販の水に移行したのだけど、これが意外と消費が激しいので代わりに飲み水を市販の水から水道水に移行した。特に不味いとかはなくて、と言うかそもそも水の味の違いなんて殆ど私には分からないから全くもって問題ない。だったらコーヒーも水道水でいいじゃないと言われてしまいそうだけど、これに関しては確かに市販の水で淹れた方が何処となく口当たりが良いのは確かで、プ

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誰かをちょっとだけ挟んでしまう

誰かをちょっとだけ挟んでしまう

美容室へ向かうエレベーターで乗り合わせた綺麗な女性がどうやら同じ美容室のお客さんで、到着したエレベーターの開くボタンを押してお先にどうぞと譲ったら開いたドアが直ぐに閉まってちょっとだけその綺麗な女性を挟んでしまった。女性は殆ど降り切っていたので慌ててボタンを確認している間に気にせずそのまま行ってしまって、入り口の所で追い付いた私は透かさずすみませんと謝った。どうにも近頃エレベーターの開閉ボタンをよ

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力入れてないです

力入れてないです

花粉アレルギーが原因で肺をやらてしまう事があると言う事を知ったのが4、5年前。元々昔から季節の変わり目には弱くて長引く咳も毎年4月辺りになると引きかける風邪が原因だとずっと思っていたのだけど、思えば9月辺りの変わり目の時はそこまで咳は出ていなくて、なるほどそう言う事だったのかとその時見つけた病院に今も長らく通っている。肺は一回炎症を起こすと完全に治るまでに意外と時間が掛かるらしくて、咳は治まってい

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「それ」は決して走らない

「それ」は決して走らない

近くの川沿いを走っていたら橋の向こうから筋肉隆々の青年が歩いて来るのが見えて、その胸を張った歩き方が正にオードリーの春日さんのそれだったので「お、春日さん」と心の中で呟いた。ただその青年には一つだけ本人と全く違うところがあって、兎に角歩くスピードが速い。大股でずんずんと橋を渡って来る。背筋はぴんと真っすぐ、Tシャツがはち切れんばかりに胸を張って、意識しているのかいないのか、すれ違う人達に見せびらか

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タッチパネルに身体を向けて

タッチパネルに身体を向けて

仕事の帰りに家の近くのバーミヤンに寄ったら隣の4人席にも一人で来ている20代くらいの女性が既に座っていて、向こうの壁際に立て掛けられたタッチパネルを立て掛けたままで人差し指で弄くっていた。と、読んでる分には何の変哲もないこの光景に私は見事に心を掴まれて、まだ顔も見えないその女性の事がそこから気になって気になって仕方なくなって仕舞うのである。

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勿論うんともすんともで

勿論うんともすんともで

通っていた中学校にちょっと癖のある理科の先生がいて、多分50代くらいだったと思うけど、そのおじさん先生にはちょっとした噂があった。それは、その先生は何やら凄い大発明をして、その特許で何億円と言う大金を手に入れたらしいと言うもの。詳しい事は何一つ分からないまま、それでも何故だか「本当らしい」と言う事だけは濃厚で、結局そのまま誰かが追及する訳でもなくいつの間にかにすっかり忘れてそのまま卒業してしまった

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禿げたら禿げたでそういう事で

禿げたら禿げたでそういう事で

ふと気づいたら頭頂部が気持ち寂しくなって来ているような気がして、それが確か7、8年前のこと。30代で禿げるのだけは流石にちょっとお願いしますと、そこから育毛剤や発毛剤を暫く使ってみたけど効いているのかいないのか。とは言え誰が見ても分かるくらいの深刻な事態と言う訳でもなかったから3カ月くらい続けたところで最後の1本を使い切って止めてしまった。その後も一度か二度再開したことがあったけど、どちらも結局続

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試しに深夜のF1を

試しに深夜のF1を

YouTubeやSpotifyでぶらぶらと音楽を巡っていると色んな知らないアーティストの色んな知らない曲が次から次へと画面に登場して来て、その中をまたぶらぶらと渡り歩いていると更にどんどん溢れ出て来る。そうやって知らない音楽をはしごしているとたまにとても良い曲に出くわすことがあって、最近の人かと思ったらもう既に10年くらい活動してる人の10年くらい前の曲だったりする。つくづくまだまだ知らない名曲が

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私の股間にあったにしても

私の股間にあったにしても

駅へ向かう道を歩いていたらちょっと先にある土木屋さんの事務所からお爺さん二人が出てきて自分と同じ進行方向に歩き出した。同じ作業着を着て並んで歩くその後ろ姿は、背丈や体格も、短い白髪頭も、その短い白髪頭の剥げ方も全部一緒で、正面を何とか確認したかったけど結局そのまま追い越す事も出来ずに二人はエレベーターに乗り込んで行ってしまった。果たしてあの二人は後ろ姿の通りの双子だったのか、それとも似ても似つかな

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最後はふらっと山にでも入って

最後はふらっと山にでも入って

腸は第二の脳と呼ばれている。と言う、腸の機能に迫ったアメリカのサイエンス番組をNetflixで見たせいか、それとも歳を取ったからか、多分去年大きな病気をした事も関係あると思うけど、やんわりと健康を気にする足取りになって来ている。と言っても、カレーに入れる具材の数を増やしたり、朝に果物を取り入れたり、お米に十六穀を混ぜて炊いたり、くらいのもんだけど、どうやら肉体的な健康は勿論の事、精神的な健康にも腸

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