濵津隆之

詩と、短編と、エッセイと/時々書いてはあれしています/

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マガジン

  • 置いていく日常

    なにかあるかも知れないし、なんにもないかも知れないし。そんな日常の中でふと見つけた出来事や思い浮かびを、ゆるりとここに置いていきます。

  • その辺の詩

    通り過ぎても気にならない、なんて事のない風景

  • 何処かの短編

    とある何処かの、ちょっとおかしなちょっとした話

最近の記事

力入れてないです

花粉アレルギーが原因で肺をやらてしまう事があると言う事を知ったのが4、5年前。元々昔から季節の変わり目には弱くて長引く咳も毎年4月辺りになると引きかける風邪が原因だとずっと思っていたのだけど、思えば9月辺りの変わり目の時はそこまで咳は出ていなくて、なるほどそう言う事だったのかとその時見つけた病院に今も長らく通っている。肺は一回炎症を起こすと完全に治るまでに意外と時間が掛かるらしくて、咳は治まっていても炎症はまだ治り切っていないという事が多いにあるらしい。

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    • 「それ」は決して走らない

      近くの川沿いを走っていたら橋の向こうから筋肉隆々の青年が歩いて来るのが見えて、その胸を張った歩き方が正にオードリーの春日さんのそれだったので「お、春日さん」と心の中で呟いた。ただその青年には一つだけ本人と全く違うところがあって、兎に角歩くスピードが速い。大股でずんずんと渡って来る。背筋はぴんと真っすぐ、Tシャツがはち切れんばかりに胸を張って、意識しているのかいないのか、すれ違う人達に見せびらかしているのかいないのか、ずんずんずんずん歩いている。 春日マン(勝手に命名)は橋を渡

      • タッチパネルに身体を向けて

        仕事の帰りに家の近くのバーミヤンに寄ったら隣の4人席にも一人で来ている20代くらいの女性が既に座っていて、向こうの壁際に立て掛けられたタッチパネルを立て掛けたままで人差し指で弄くっていた。と、読んでる分には何の変哲もないこの光景に私は見事に心を掴まれて、まだ顔も見えないその女性の事がそこから気になって気になって仕方なくなって仕舞うのである。

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        • 勿論うんともすんともで

          通っていた中学校にちょっと癖のある理科の先生がいて、多分50代くらいだったと思うけど、そのおじさん先生にはちょっとした噂があった。それは、その先生は何やら凄い大発明をして、その特許で何億円と言う大金を手に入れたらしいと言うもの。詳しい事は何一つ分からないまま、それでも何故だか「本当らしい」と言う事だけは濃厚で、結局そのまま誰かが追及する訳でもなくいつの間にかにすっかり忘れてそのまま卒業してしまった。誰が誰から聞いて来たのか、一体何を発明したのか。

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        力入れてないです

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          ¥500 / 月
        • その辺の詩
          25本
        • 何処かの短編
          28本

        記事

          禿げたら禿げたでそういう事で

          ふと気づいたら頭頂部が気持ち寂しくなって来ているような気がして、それが確か7、8年前のこと。30代で禿げるのだけは流石にちょっとお願いしますと、そこから育毛剤や発毛剤を暫く使ってみたけど効いているのかいないのか。とは言え誰が見ても分かるくらいの深刻な事態と言う訳でもなかったから3カ月くらい続けたところで最後の1本を使い切って止めてしまった。その後も一度か二度再開したことがあったけど、どちらも結局続かないままフェードアウトしてそれっきり。 そこから特に禿げ進む事もなく、すっかり

          禿げたら禿げたでそういう事で

          試しに深夜のF1を

          YouTubeやSpotifyでぶらぶらと音楽を巡っていると色んな知らないアーティストの色んな知らない曲が次から次へと画面に登場して来て、その中をまたぶらぶらと渡り歩いていると更にどんどん溢れ出て来る。そうやって知らない音楽をはしごしているとたまにとても良い曲に出くわすことがあって、最近の人かと思ったらもう既に10年くらい活動してる人の10年くらい前の曲だったりする。つくづくまだまだ知らない名曲がこの世界には溢れていて、悲しいかなその大体は出会えないまま通り過ぎて、更にその大

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          つり革を片手に揺られていたら

          駅へ向かう道を歩いていたらちょっと先にある土木屋さんの事務所からお爺さん二人が出てきて自分と同じ進行方向に歩き出した。同じ作業着を着て並んで歩くその後ろ姿は、背丈や体格も、短い白髪頭も、その短い白髪頭の剥げ方も全部一緒で、正面を何とか確認したかったけど結局そのまま追い越す事も出来ずに二人はエレベーターに乗り込んで行ってしまった。果たしてあの二人は後ろ姿の通りの双子だったのか、それとも似ても似つかなかったのか。

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          最後はふらっと山にでも入って

          腸は第二の脳と呼ばれている。と言う、腸の機能に迫ったアメリカのサイエンス番組をNetflixで見たせいか、それとも歳を取ったからか、多分去年大きな病気をした事も関係あると思うけど、やんわりと健康を気にする足取りになって来ている。と言っても、カレーに入れる具材の数を増やしたり、朝に果物を取り入れたり、お米に十六穀を混ぜて炊いたり、くらいのもんだけど、どうやら肉体的な健康は勿論の事、精神的な健康にも腸のコンディションが大きく影響している事が分かってきているようで、色々と体調に問題

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          遥か遠い昔から既にずっとそうだったりする

          ラジオで伊集院光さんが、ふと思ったけど何もすること無いのにコンビニの店員さんずっと立ってなくても良くない?、という話をしていたのを聞いて確かにと思っていたら、今度はテレビで千原ジュニアさんが、考えたら何もすることあらへんのに収録中スタッフ全員ずっと立ってなきゃいけないの意味分からんよな、と言っていて、どうやらつい先日のとある番組の収録中、寝不足か体調不良か、スタッフの一人が急に物凄い勢いで床に倒れて大騒ぎになったらしい。それ以降、番組によりけりではあるけどジュニアさんは自分の

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          中に入ってからの五分くらい

          まだ六月だと言うのに既に五月の終わり頃から当たり前の様に25℃を超える日が出て来て、28℃も超えてくると店舗や商業施設の冷房は例に倣ってがんがん冷やしに掛かって来る。今これをこうして書いている喫茶店でも、来る客来る客皆が皆、エアコン弱めてもらう事は出来ますか、とか、移動してもいいですか、と店員さんに尋ねていて、私も流石にそろそろ退散しようと思っている。そしてここで私は声を大にして言いたい(ばれない程度に)。今この日本にある全ての店舗や商業施設よ、エアコンのその温度設定は本当に

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          カウンター

          ぎりぎり爪先の届かない椅子と 水平に真っすぐ伸びたテーブル 並んだ背中はちょっとだけ丸まって 時々見える横顔は楽しそう 向こうで作業をしている人の手元の作業は見えなくて 時々しゃがんでいなくなる

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          そのまましっかり忘れたままで今まで通りに暮らしていく

          いつ何が切っ掛けでそうなったのかは分からないけど、昔からずっとぼんやり頭の片隅に「大人は子供たちの笑顔の為に生きて行かなくちゃいけない」という思いがあって、だからと言ってその為の何かをしている訳でも出来ている訳でもないのだけど、時々この言葉を思い出して立ち止まってみることがある。皆がその気持ちを胸に生きていたら、例えば時々ニュースに出てくるようなしょうもない政治家なんてのも出て来なくなるはずなのになぁなんて思いながら、でもどんなにだらしのない事でも始まりはひょっとすると本当に

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          セクシーな見間違いならいくらでも

          ダイソーの店内を目的の棚を求めて歩いていたら向こうから黒光りしたドロンジョ様みたいな胸元をした外国の綺麗な女性が歩いて来て、ワオ、と思いながら見ていたらその胸元の黒光りの正体はセクシーなボンテージでも何でもなくてただのでっかいどんぶりだった。内が赤くて側が黒いよくある例のどんぶりをそれこそおっぱいの様に胸元で抱えていて、そのサイズ感だとか位置だとか全体のバランスだとかを見た脳みそが、どうやらちょっと先走ってお手付きをしたご様子。そうだと分かって見てみれば、どんぶりは片方に一個

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          セクシーな見間違いならいくらでも

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          レンジでチンした鮭の切り身と味噌汁をそれぞれ火に掛ける 黙々とかき混ぜた納豆は卵を割った白米の上に 沸かないうちに火は止めて、切り身は少し焦げるくらい 盛り付けて、漬物は無し ニュースの賑わいがちょっと大きくてテレビの音量を少しだけ下げる そのあと天気が始まって、今度はしっかり音量を上げる

          最初にそこに猿がいたのか

          「人間の想像力は無限大だ」と人はよく言うけれど、「想像もつかない」ともこれまた人はよく言うもんで、さて何を書こうかと何も思い浮かばないままテレビを見ていたら恐竜時代の話しが始まって、ふと、ここもずっと昔は土と石ころ以外はなんにも無い地肌丸出しのただの地球だったんだよなぁと思って窓の外を眺めながら何とかその風景を想像してみたけど、今いるこの場所の最初がそんなだったなんて全く想像つかなくて実感が一つも掴めなかった。 最初にそこに猿がいたのか、それとも本当に全ては海から始まって途

          最初にそこに猿がいたのか

          顔をうずめてはい終わり

          食器洗剤とボディソープを石鹸に変えた。今使っているのが無くなったら洗濯洗剤も液体石鹸を検討中で、シャンプーは既に男性のコーナーにある物じゃなくて女性のコーナーにある物を選んで使っているけど、髪も石鹸にしてみようかとちょっと思っている。汚れを落とし過ぎてるんじゃなかろうか、と言うか、そこまでしなくても本当は落ちてるんじゃなかろうか、とふと思ったのが切っ掛けだけど、そう言う目線で探して見ると、自分が遅すぎたのか、体や頭皮の必要な油分まで落とし過ぎない、みたいな製品が結構あった。や

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