水野翠(みずの みどり)

理系大学で修士号を取得後、就職しました。

水野翠(みずの みどり)

理系大学で修士号を取得後、就職しました。

記事一覧

推理する者の責任

 2024年も早いもので8月を迎えた。学生たちは夏休みを迎え、朝の電車も少し空くかと思いきや、部活に向かうユニフォーム姿が目立つようになったものの、思ったほど空いて…

日常の謎

 前の記事で『氷菓』について書いたのだが、実は米澤穂信の小説の中で僕が初めて読んだのは『さよなら妖精』であった。というのも、僕が書店で『氷菓』を買おうとしたとき…

氷菓が欲しくなる時期

 6月も半ばを迎え、ここ数日気温は上がる一方です。この週末は、ついに我が家でもエアコンを動かし始めました。こんな時期になると氷菓が欲しくなりますね。  「氷菓」と…

さん(まん)ぽ 後編

 前編から引き続き、霞城公園からさんぽを再開した。昼過ぎになるとだいぶ暑くなってきたので公園内で木陰を求めて歩いていると、変わった模様のマンホールを発見した。山…

さん(まん)ぽ 前編

 昔のことばかり書いている気がするので、最近のことを書こう。10連休なんてものとは無縁の僕はどこかへ行く気も起きず、ゴールデンウィーク前半の3連休を無為に過ごした…

白衣と『ガリレオ』(1)

 皆さんは白衣を着たことがあるだろうか?僕の家には少なくとも3着の白衣がある。それぞれ中学、高校、大学の頃に買ったものだ。だから僕は中学生のころから白衣を着てい…

桜が咲くと思い出す

 先日、新海誠監督の映画『すずめの戸締まり』が地上波で初めて放映された。そして、東京では桜が満開になった。この時期になると毎年あの作品のことが頭によぎる。僕が初…

1Q84と2024

 僕はここ1か月ほどの通勤時間を使って、村上春樹の『1Q84』を読んでいた。今まで村上春樹の作品はいくつか読んだことがあったが、『1Q84』は未読だった。読み始めたきっ…

推理する者の責任

推理する者の責任

 2024年も早いもので8月を迎えた。学生たちは夏休みを迎え、朝の電車も少し空くかと思いきや、部活に向かうユニフォーム姿が目立つようになったものの、思ったほど空いてはいない。職場は冷房が効いており、夏を感じるのは通勤時間と外歩きだけというのでは、あまりにも虚しい社会人になってしまう。だからこそ、夏ならば夏が舞台の小説を読みたくなる。例えば『真夏の方程式』は、ここ数年、夏になる度に読み返している。

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日常の謎

日常の謎

 前の記事で『氷菓』について書いたのだが、実は米澤穂信の小説の中で僕が初めて読んだのは『さよなら妖精』であった。というのも、僕が書店で『氷菓』を買おうとしたとき、ちょうど売り切れていたのだ。仕方なく他の文庫を見ていたところ、たまたま目に入ったのが『さよなら妖精』だった。 
 以前の記事でも書いたが、僕はアニメ作品としての『氷菓』を既に視聴していた。それに、この作品が『氷菓』を含む〈古典部シリーズ〉

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氷菓が欲しくなる時期

氷菓が欲しくなる時期

 6月も半ばを迎え、ここ数日気温は上がる一方です。この週末は、ついに我が家でもエアコンを動かし始めました。こんな時期になると氷菓が欲しくなりますね。
 「氷菓」という文字を見て、皆さんは何を思い浮かべますか?冷凍庫に入った冷たくて甘いものですか?今や直木賞作家となった米澤穂信のデビュー作にして〈古典部〉シリーズの第1作、もしくはそれを原作としたアニメ『氷菓』ですか? わたし、気になります。
 

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さん(まん)ぽ 後編

さん(まん)ぽ 後編

 前編から引き続き、霞城公園からさんぽを再開した。昼過ぎになるとだいぶ暑くなってきたので公園内で木陰を求めて歩いていると、変わった模様のマンホールを発見した。山形はベニバナの産地として有名である。江戸時代には前編で見た左沢の辺りを流れていた最上川を利用した水運で日本海側の酒田へ運ばれ、西廻り航路で京の都へ届けられていたようだ。この最上川の水運の整備に大きな役割を果たしたのが、この城(山形城)の城主

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さん(まん)ぽ 前編

さん(まん)ぽ 前編

 昔のことばかり書いている気がするので、最近のことを書こう。10連休なんてものとは無縁の僕はどこかへ行く気も起きず、ゴールデンウィーク前半の3連休を無為に過ごした。そしてやってきた平日。SNSで引き続き連休を満喫する知り合いを目に僕は仕事をしていた。そんな4月最後の日、月ノ美兎委員長から3D新衣装のお披露目を行うという発表があった。これで僕は3日間の平日を耐え、後半への望みをつなぐことができた。ま

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白衣と『ガリレオ』(1)

 皆さんは白衣を着たことがあるだろうか?僕の家には少なくとも3着の白衣がある。それぞれ中学、高校、大学の頃に買ったものだ。だから僕は中学生のころから白衣を着ていたことになる。

 僕は小学校の高学年くらいから、いわゆる科学の実験が大好きな子どもだった。特に福山雅治主演のテレビドラマ『ガリレオ』は食い入るように見ていたことははっきりと覚えているし、僕のその後の進路に少なくとも影響を与えたことは間違い

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桜が咲くと思い出す

桜が咲くと思い出す

 先日、新海誠監督の映画『すずめの戸締まり』が地上波で初めて放映された。そして、東京では桜が満開になった。この時期になると毎年あの作品のことが頭によぎる。僕が初めて見た新海監督の作品『秒速5センチメートル』である。僕が初めてこの作品を見たのは2013年の春、『言の葉の庭』の公開直前のことだった。

 第1話「桜花抄」では、中学生になった主人公の遠野貴樹が、小学校の同級生で栃木に転校してしまった篠原

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1Q84と2024

1Q84と2024

 僕はここ1か月ほどの通勤時間を使って、村上春樹の『1Q84』を読んでいた。今まで村上春樹の作品はいくつか読んだことがあったが、『1Q84』は未読だった。読み始めたきっかけはバーチャルYoutuberの月ノ美兎(以下 委員長)の2024年2月28日の雑談配信であった。僕は結構長い間、委員長の配信や動画が好きで見ているのだが、それについては別の機会で触れたいと思う。

 この配信の中で、委員長の朝読

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