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#26 「”ちびくろ・さんぼ”|カリフォルニア・コロナ状況」

本日のトピック
・カリフォルニア・コロナ状況(6/29)
・”ちびくろ・さんぼ: アメリカの人種差別とBlack Lives Matter

*カバー写真はSan Diegoより

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カリフォルニア・コロナウイルス状況(6/29)

6/29発表、6/28時点での数値を見てみましょう。
・感染者数: 216,550人 +5,307人の増加
・死者数: 5,936人 +31人の増加

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1000人ほど27日より増えていますね。
この伸び率だと、3,4月の自粛期間に戻りそうな勢いです。

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”ちびくろ・さんぼ: アメリカの人種差別とBlack Lives Matter

僕は小さい時「ちびくろ・さんぼ」と呼ばれていた。あの絵本、とても好きだった。今でも家にあるのかな。

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小学生になって、地黒+日焼けで真っ黒な僕は「黒人」や「ブラック」とか呼ばれていた記憶がある。(父は学生時代、「歩くメラニン色素」と呼ばれていたらしい。それぐらい地黒で焼けやすい家系なんです)

昨今「Black Lives Matter」の抗議活動やデモが世界各地で行われている中、「ちびくろ・さんぼ」と呼ばれていた子供の頃を思い出していた。僕自身といえば、そう呼ばれることに対して、特別嫌な思いはしていなかった。
その「ちびくろ・さんぼ」は、人種差別絵本という理由で絶版となっているが、今日は「アメリカの人種差別とBlack Lives Matter」について考えてみたい。

本題に入る前に僕の経験を少し。
2年ほど前、車を買おうとしていた僕は、ホストファミリーから、警察に止められた時の振る舞いで、気をつけなければならないことを教えてもらった。


・必ず両手をハンドルの上に乗せて、警官が来るまで決して動かないこと
・運転免許証がポケットにある時は、取り出す前に必ず許可をもらってから、銃器を持っていないようにアピールしながら取り出すこと
・自分が話せる一番丁寧な言葉遣いで話すこと

ホストファザーは差別的な言い回しにならないように気を使いながら、僕が20代のアジア人であることなど、気をつけなければいけない理由を丁寧に話してくれた記憶がある。

何もしていないのに警察に疑われて撃たれてしまうような事件はアメリカでは普通にあり得ること。
当時住んでいたエリアは白人しかいないエリアだったが、町のはずれにはアフリカンアメリカン・ヒスパニック・アジア人のコミュニティなどがあり、発砲事件などもよくあったので気にしてくれていたのだと思う。
実際に警察に止められたことは数回しかないが、警察が安心の象徴だと思っていた僕には、逆に警察を怖がらないといけないなんてとんだ逆転の発想だった。

Black Lives Matter と All Lives Matterは何が違うのか

ジョージ・フロイドさんが亡くなって各地でデモが激化し、暴動も問題となった。今現在もデモは全米で行われている。
*デモと暴動(略奪)は別物。暴動や略奪行為はいかなる理由があっても正当化されるべきではないというスタンスです。

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先日、元同僚がインスタで「All Lives Matter」と投稿したところ、多くの黒人のフォロワーから「All Lives Matterではなく、Black Lives Matterだ」黒人の歴史的背景、私たちがなぜBLM運動をしているのかわかっているのか」とメッセージや反響があったと話していた。
本来、黒人だけではなくすべての人々、All Lives Matterは当たり前ではある。
ではなぜ今回、そういうような反応が起こっているのか。そこを知ることが今回のアメリカの人種差別問題について少しでも理解できるのではないかと思う。


Documentary映画: 「13TH」

「13th」というドキュメンタリーが2016年に公開された。
アメリカの産獄複合体(警察・裁判・刑務所)が巨額な金を生むビックビジネスとして存在し、リンカーンによる奴隷解放宣言後、黒人奴隷は名や形を変えて安価な労働力として搾取され続けてきたという事実を、多くの学者や活動家へのインタビューを通して明らかにしていく作品だ。
NetflixがYouTube上でも公開していて、日本語字幕もあるので興味があれば。↓


アメリカは全世界の人口約5%
その人口5%の国が全世界の囚人の25%を抱えているという事実。
アメリカの人口のうち、黒人男性はたったの6.5%
その黒人男性が全米の約40%の受刑者数を占めている。

奴隷という言葉を使わなくても、社会システムの中に奴隷を作ることでアメリカはこれまで発展しきたという事実が映画の中では様々な人の言葉を通して語られている。きっと僕ら日本人が理解し得なかったアメリカの歴史について、黒人の人たちの歴史について、何かを感じることができると思う。

このドキュメンタリーを観終わって感じたのは、自分の中に無意識の差別意識があるという事実。
黒人だからといってどこか怖がっていた自分はいないか、自分の中で白人と黒人で差別的に区別してきた気持ちはないか。
差別と言えば、肌の色など見えるもので違いを見つけがちだが、日本でも部落、在日、障害者の方などいろんな方が差別と戦って苦しんでいる。

何かをすれば何が変わるというようなシンプルな問題ではないですし、いろんな人がいろんな立場でそれぞれの論理で語る世の中です。
このドキュメンタリーも全てが正しいと鵜呑みにすることは危険でしょう。
そして日本人が黒人の方々の苦悩や、抑圧の歴史を理解することはこの先もできないでしょう。
でも、この出来事を通して自分に差別する側としての感覚が少しでもあることに気付けたのなら、これからの行動が変わるかもしれない。そう思います。
僕も答えのない問題で、こういう問題を知って考えると苦しくなりますが、これはこれから生きていく上で必要な苦しみだと感じます。
重くなってしまいましたが、最後まで読んでくださりありがとうございました。

引き続き健康にはくれぐれもお気をつけて。
ほなまた。


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