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ゴキブリ、あるいは厄災
夜11時。自室に戻るとゴキブリがいました。鈍い色のゴキブリが、鈍い色のフローリングの上を駆けていきます。
もうこの時点で、僕の「負け」が確定しました。
ゴキブリを取り逃がしたときが負けなのではなく、ゴキブリに遭遇したら負けなのです。
どういうことかというと、まず、ゴキブリを取り逃がした場合、当然眠れぬ夜を過ごすことになります。負け。捕獲した場合も、結局時間を無駄にして疲れます。負け。
そ
マジック・リアリズム・ダイアリー 2
3月29日
午前中の雨が止むと突然気温が上がり始めた。あれが最後の冬の雨だったらしい。僕の住む地域では毎年春になると春を告げる鳥がやってくるのだけど、体長5mの怪鳥で、鳴き声が特定の建築物と共鳴する周波数になっているらしく、今日も5軒ほど住宅が消失していた。
3月30日
最近、感情の僅かなたかぶりを言語化して場の雰囲気を乱すのが怖くなって、ただ「チンポ」と淋しげにつぶやいて済ますことが増え
マジック・リアリズム・ダイアリー
──日常はクロークの中に
3月24日
日記をつけ始めることにした。我が家の裏に住んでいる「東京都民の日記を趣味で全て暗記している男」にそれを報告したら、奇声を発しながらオナニーを始めた。彼はいまや、東京都民の「負」の部分を全て引き受けてしまっている。
3月25日
最近は、血圧が一定以上になるとテレビがつく装置に自分を接続しているので、起床すると勝手にテレビが始まる。装置は銀色に輝いていて、
世界の中心で、ウンコと叫ぶ
最後に叫んだのはいつだろう。
心の底から、大声を出せたのはいつだろう。
毎日、見えない大きなものに押さえつけられている自分の心を、解き放ったのはいつだろう。
知らず知らずのうちに、僕らは叫ぶということを忘れてしまったんじゃないだろうか。叫ぶという行為は、常に感情の高まりを伴う。告白の叫び、悲痛の叫び、歓喜の叫び。何の感情も沸かないのに叫んでいるのは、狂人くらいのものだ。
僕らは叫ぶことで喜びを
AIによる性格的変奏文“乳首列島”
The variations on theme of nipple
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Theme
乳首は陥没する。
それから、勃起もする。
陥没も勃起(隆起)もする乳首は、ほぼ地盤のようなものなのではないかと僕は思う。
僕は日本列島が乳首であるかもしれないと想像する。
射精!!
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Variation 1
私は乳首についての独自の視点を持っています。乳首が陥没したり勃起したりすることに
アナル記号試案(草稿)
アナルには別名がある。
菊の紋である。また、アナルを表す際、アスタリスク*を用いることがある。さて、ここで疑問に思ったことはないだろうか。アスタリスクも菊も、穴ではない。これら2つに穴は空いていない。にも関わらず我々はアスタリスクや菊をアナルの記号として用いている。
ここで私は、アナルの本質について思いを巡らせてみた。アナルは穴である。人間が主に排泄物を放つための穴である。つまり、空である。ア