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けがれた者達の歌 春雷

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春の季節に書いた 春の詩と物語の在り処
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#駄文

駄文

駄文

言いたい事は
あんな事では無かったけど

色々な事が
上手く言えず
只、時だけが過ぎていく

何時も、そうだ
今も、そうだ

銀のコイン

銀のコイン

銀のコインだけを
握りしめ
アテもなく
夜、外に出る

店の中に入るには
明る過ぎて
汚い街角の
自販機から買う

汚れたサンダルを
眺めながら
暫し、物思いに耽る

頭の中

頭の中

頭の中に湧いて
出て来る言葉の

本能、本心、本音に

不愉快に思ったり
振り回さされたりする
自分自身が煩わしい

色とりどりの花

色とりどりの花

色とりどりの
花の中で
何色の花が似合うのか

高潔な印象の白い花か

清涼な印象の青い花か

情熱な印象の赤い花か

より魅力的に
魅入られる花は、
どの花か

桜

枝に付いた蕾が
淡い色の一輪の花を咲かせた

そして、
また綻ぶ様に咲く

少しずつ
花が増え
淡い色の木々が
景色を桜色に染めていく

南からの風が
染井吉野を
眠りから醒ます様に
花を愛でながら
北へ向かう

水鳥

水鳥

湖には既に
冬鳥の姿は無く、
新たに
冬眠から目覚めた
生き物達と
暖かな季節の水鳥が居る

カヤ

カヤ

細く長い
切れ味の良い
葉に当たり
腕を切った
傷口から流れ出る
赤い血液
唇で舐め取れば
淡い色の唇が赤く染まる

隠し事

隠し事

感情や表情を
言葉で表さなくても
思考や行動には
隠せず
本心が出てしまう

自分自身に
隠し事は出来る筈もない

蝙蝠

蝙蝠

光届かぬ洞窟に
怪しく光る目の数々

黒い体と翼を持ち
昼間は姿を現さず
日が沈み暗くなる頃
闇に溶ける様に
飛び出す

船

海を滑る様に
走る船
波を立てながら走り
姿が見えなくなる頃に
汽笛が鳴る。
後に残るのは
海岸に打ち寄せる波だけ

弓形の月

弓形の月

白く細い弓形の月
空の雲に
滲む様に隠れて
遠く過ぎ去った雨雲が
朝日を隠している

色とりどりの傘

色とりどりの傘

窓の外
小雨が降る中
色々な色に
咲いた傘が
道を流れている

それぞれに
灯りが有る所に
消えたり
バスに吸い込まれ流れてく

雛祭り

雛祭り

長い黒髪に
白い顔と
和服を着た
対の日本人形
共に赤い絨毯に並び
その細い瞳に
映るのは
五人囃子と三人官女