記事一覧

明るい未来に就職希望

祝って、呑んで、食べて、騒いで。 いい日だったと思う。家を出る前、出てからも億劫だったけれど、行ってよかったと思う。 本当は帰って、ドラマ観て、ドラマ観て、アウ…

夢虫
13日前
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私書箱の手紙

どうして私は生きているんだろう。生きてしまっているのだろう。この命、あの人にあげたかった。今でもあげられるならあげたい。それで生き返るなら、多くの人にとって万々…

夢虫
2週間前
3

私書箱の手紙

私には忘れられない人がいます。8888。この数字の羅列を見ると思い出してしまう人です。8ひとつでもふわっと思い出してしまいます。片時も忘れたことがないわけではないけ…

夢虫
1か月前
1

買いたくなかった靴

新しい靴なんて買いたくない。 あんなところのために、あんなことのために、新しい靴を買いたくない。私にとってはあんなところで、誰かにとってはあんなところじゃないっ…

夢虫
2か月前

私書箱の手紙

今お手紙を読んでいる方は夜でしょうか。お昼でしょうか。それとも、朝でしょうか。私はこの手紙を夜に書いているので、挨拶をするとしたらこんばんはですね。 こんばんは…

夢虫
2か月前
1

拝啓、生きる方へ

13年が経った。赤子が中学生になる時間と同じ時間。そんなにも経っていたのか。 あの頃、13年経てばまるで何事もなかったように新たな日々の歴史が刻まれていると思ってい…

夢虫
3か月前

三月九日

悲しいニュースだったのだろうか。ある女性が街頭インタビューでこんなことを言っていたと、母から聞いた。 「大好きな人が結婚を発表したんです!」 あるアイドルが結婚…

夢虫
3か月前
3

綺麗な月夜

この1週間、私は苦しかった。精神的にも、体力的にも苦しかったことはあるのだが(むしろそれはこの1週間の話?)、ここではそのことを話さないでおこう。しかし、話させてく…

夢虫
3か月前

私書箱の手紙

はじめまして、私は鈴です。この手紙は住所も名前も受け取る方には知らされないとのことなので名前なんて書かなくてもいいのですが……これからお話することに名前がとても…

夢虫
3か月前
2

私書箱の手紙

この手紙を受け取った方へ 初めまして。私は東京に住む40代の男です。マイホームを見に行った帰りに、喫茶店でこの手紙を書いています。夢だったマイホームがまもなく手に…

夢虫
4か月前
2

変わりゆく景色

よく通る道に本屋がある。今では珍しくなっている個人経営の、しかも昔から地域に根付いているらしい本屋である。ある日その本屋に立ち寄ったら、こんな言葉が飛んできた。…

夢虫
5か月前
7

私書箱の手紙

拝啓 もう師走も走り抜ける頃でしょうか。寒さが一層増す季節ですから、このお手紙を読む方のお身体のことが心配です。私は長く生きていますから体の不調を感じる日々もあ…

夢虫
5か月前

大人の選択

新たなお酒に挑戦する場所はどこにあるのだろう。上司や家族に薦められた。友人とノリや勢いで注文する。そんなことを考えたのだけど、いざ自腹切って試すとなると勇気がい…

夢虫
5か月前
1

ミステリーツアーにご注意を

これは、ミステリーツアーなる名の旅行パッケージが存在するなんて知る前のお話。そして、今よりも若かったからこそ、笑い話にもなっているけど事前準備の大切さを知った旅…

夢虫
6か月前
5

私書箱の手紙

お好み焼きの青のりっていつかけるのがベストですか?私はソースを塗って、鰹節をかける前にかけます。青のりのあとに鰹節です。それだと青のりが隠れで見た目がよくないと…

夢虫
6か月前

よもやばなし

檀ふみのエッセイに、感謝の意味を込めて「すみません」と言うのは日本語だけだと書いてあった。その話を友人に話したときに言われた言葉がある。 「エッセイ読むんだ、す…

夢虫
7か月前
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明るい未来に就職希望

祝って、呑んで、食べて、騒いで。
いい日だったと思う。家を出る前、出てからも億劫だったけれど、行ってよかったと思う。

本当は帰って、ドラマ観て、ドラマ観て、アウトプットがどこに繋がるかいまだわからないけれど、インプットをしたかった。
そんな思いもあった。今、猛烈にそれをやりたい。

結婚する。子どもどうしよう。卵子凍結しようかって。今はまだ楽しみたい。
なんだろう。女ってどんなに時代の技術が進化

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私書箱の手紙

どうして私は生きているんだろう。生きてしまっているのだろう。この命、あの人にあげたかった。今でもあげられるならあげたい。それで生き返るなら、多くの人にとって万々歳なんじゃないか?

映画を観ました。その映画になんで惹かれたのだろうか。観たいと思った。出てくる人のことを全くというほど知らないけれど、観たかった。
始まってから、特にそんな描写はないのにもうこの人は死んでしまったと思い知らされた。それで

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私書箱の手紙

私には忘れられない人がいます。8888。この数字の羅列を見ると思い出してしまう人です。8ひとつでもふわっと思い出してしまいます。片時も忘れたことがないわけではないけれど、思い出すときのあの強い衝撃は、私があの人を忘れるわけがないのだと実感させるのです。
8888。見かけた瞬間に「覚えているはずだろ?」って茶化すような笑い声とともに話しかけてきそうです。目の前にはくしゃくしゃの笑みとなんとも言えない

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買いたくなかった靴

新しい靴なんて買いたくない。
あんなところのために、あんなことのために、新しい靴を買いたくない。私にとってはあんなところで、誰かにとってはあんなところじゃないって分かってる。でも、買った靴を見て思うことはあんなところ、あんなこと。
あんななんて言うほどだから安物の靴を買わせていただいた。買わせていただいたなんて書くけど、自腹。あんなのために、身銭を出すのか。くそくそくそ!!!くそなのは私かって、夜

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私書箱の手紙

今お手紙を読んでいる方は夜でしょうか。お昼でしょうか。それとも、朝でしょうか。私はこの手紙を夜に書いているので、挨拶をするとしたらこんばんはですね。
こんばんは。
こんにちは。
おはようございます。
すみません、全部書いちゃいました(笑)

私は最近、YouTubeの食べ歩き動画を見ることにはまってます。こんなにも世界中に食べ歩きが楽しめるところがあるんだと驚くばかりです。でも、一番は日本ですかね

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拝啓、生きる方へ

13年が経った。赤子が中学生になる時間と同じ時間。そんなにも経っていたのか。

あの頃、13年経てばまるで何事もなかったように新たな日々の歴史が刻まれていると思っていた。復興とはそういうものだと思っていた。しかし、今もなお時が止まったままのような景色を画面越しに見ることがある。前に進んでいるのだろうか。私自身も前に進んでいるのだろうか。

忘れてしまったこともある。忘れられないこともある。忘れない

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三月九日

悲しいニュースだったのだろうか。ある女性が街頭インタビューでこんなことを言っていたと、母から聞いた。

「大好きな人が結婚を発表したんです!」

あるアイドルが結婚した。女性はそのアイドルのファンだったという。「愛してるぜ!」と多くのファンに呼びかけていたアイドルが、たったひとりの人に一生の愛を伝えた悲しみなのだろうか。祝福心もあるだろうが、結婚は身近な人が遠くへ行ってしまう寂しさもある気がする。

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綺麗な月夜

この1週間、私は苦しかった。精神的にも、体力的にも苦しかったことはあるのだが(むしろそれはこの1週間の話?)、ここではそのことを話さないでおこう。しかし、話させてくれ。
――彼のことを。

彼は歴史に存在しない人物になっている。いわゆるオリジナルキャラクターだ。きっと先週多くの人の心を苦しめた小麻呂もそうなのだが、無事に目の前に現れてくれた。オリジナルキャラクターは死にがちを回避してくれた小麻呂だ

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私書箱の手紙

はじめまして、私は鈴です。この手紙は住所も名前も受け取る方には知らされないとのことなので名前なんて書かなくてもいいのですが……これからお話することに名前がとても大切なキーワードになるのでお伝えしました。

「鈴」と書いて「すず」と読みます。そのままです。このことに何も嫌なことはないはずなんです。わりと気に入ってます。女優で同じ名前の方がいて比べられることはあっても(ご本人になんと失礼な…!私じゃ比

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私書箱の手紙

この手紙を受け取った方へ

初めまして。私は東京に住む40代の男です。マイホームを見に行った帰りに、喫茶店でこの手紙を書いています。夢だったマイホームがまもなく手に入ります。更地だったところから建設まで見ていると、我が子を育てたような気持ちにもなって感慨深いです。

そのマイホームは私の子どもたちのためでもあります。上の子はもう小学生ですが、下の子はまだ小学校に上る前です。家族が増えてよりわんぱく

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変わりゆく景色

よく通る道に本屋がある。今では珍しくなっている個人経営の、しかも昔から地域に根付いているらしい本屋である。ある日その本屋に立ち寄ったら、こんな言葉が飛んできた。

「本当に残念だよ」

客のおじいさんが若い店員にそう話しかけている。ごめんなさいと思いながら耳の意識をふたりの会話に向かわせた。

「本当に本屋がなくなっちゃうと、文化が廃るんだよ」
「こんなことを言っている私もネットで本を買ったりしち

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私書箱の手紙

拝啓

もう師走も走り抜ける頃でしょうか。寒さが一層増す季節ですから、このお手紙を読む方のお身体のことが心配です。私は長く生きていますから体の不調を感じる日々もありますが、元気過ごしています。

12月になると、私は愛する人のことを考えてしまいます。結婚した月でも、誕生日でもないのですが。戦争のことを思い出すのです。12月8日、真珠湾攻撃の日です。私の夫はアメリカ人です。
世の中は終戦記念日と言わ

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大人の選択

新たなお酒に挑戦する場所はどこにあるのだろう。上司や家族に薦められた。友人とノリや勢いで注文する。そんなことを考えたのだけど、いざ自腹切って試すとなると勇気がいる。酒いえど飲み物で、口に合わなかったら食が合わなかったときと同じくらいショックを受けるのだから。
そんなことを考えて、私はいつも入場時に500円と変えたコインを握りしめてソフトドリンクを頼んでいた。ペットボトルだとドリンクホルダーのストラ

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ミステリーツアーにご注意を

これは、ミステリーツアーなる名の旅行パッケージが存在するなんて知る前のお話。そして、今よりも若かったからこそ、笑い話にもなっているけど事前準備の大切さを知った旅のお話。

とにかくみんなと旅行に行きたかった。
みんなといる時間が楽しくて、そこに非日常を味わえる旅行が嬉しかった。観光地に行くより、旅行だからと少しいい宿に泊まって温泉を楽しむ。今の私のスタンプラリーのようなひとり旅からは考えられない時

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私書箱の手紙

お好み焼きの青のりっていつかけるのがベストですか?私はソースを塗って、鰹節をかける前にかけます。青のりのあとに鰹節です。それだと青のりが隠れで見た目がよくないと言われますが、青のりが風で飛んじゃうんです。だから、大阪の人や広島の人は特に許してください。

そんなに青空でお好み焼きは食べないよと聞きます。風は家の中で起こるんです。エアコンの風です。ちょうど食事をする場所にエアコンの風が当たるんです。

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よもやばなし

檀ふみのエッセイに、感謝の意味を込めて「すみません」と言うのは日本語だけだと書いてあった。その話を友人に話したときに言われた言葉がある。

「エッセイ読むんだ、すごいね」

正直、どうしてこんな言葉が出たのだろうと思った。だから、私は「そうかな、読みやすいよ」と言ったのだけれど、そもそも本を読むこと、読まなくても本を鞄に入れていることに感嘆している様子だった。
本を持ち歩く私も、本を読まずにスマホ

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