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ティーチングアシスタント制度:人は教える立場になると、教わる立場にいた時よりも能動的に学ぼうとする(CASE 10/100)


▲「ティーチングアシスタント制度」とサステナビリティ

かれこれもう10年ほど、小学生から社会人までをも対象として創造性教育の分野で活動しています。さて今回は、特に大学で導入されているティーチング・アシスタント(TA)という制度について考えてみたいと思います。
ご存知の通り、TAは、高学年の学生が、自分より低学年の授業の際に、アルバイトとして運営面でサポートする制度ですが、低学年の学生と比較して、高い知識や経験がある先生役からではなく、敢えて近い目線と知識を持った先輩が後輩の学習を支援することで、後輩の学習効果が高まるメリットがあります。
また、TAの存在が授業全体の運営効率も上げ、元々の受講生の数も増やすことができます。

私自身その経験を通じて、「人は教える立場になると、教わる立場にいた時よりも能動的に学ぼうとする」ことに気がつきました。
低学年の学生から質問が出た際に、先生の代わりにTAが回答することもあるでしょう。そうした環境に置かれると、TAの学生は自分が充分に理解していたはずの知識の復習を行い、さらには他者に説明できるような構造性を持った知識へと理解を進化させていきます。
そう考えると、ある分野に理解が浅い高学年の学生に、その分野の学習を深めるようアドバイスするよりも、TAとしての役割を与えた方が効果的に学習を促せるのかもしれませんね。

教える側と教わる側、お世話する側とお世話を受ける側、一般的には、知識や経験、体力などの面で大きな差がある場合が多いでしょう。その差が大きいからこそ、価値を提供できているというのも事実です。

一方で、TA制度のように、敢えてその差が少ない関係性の中で、その役割を与えることが功を奏す場合もあります。それは、学習シーンだけではなく、仕事や介護、子供の遊びのシーンなど、応用できるシーンの可能性は広いように思います。
学習総量の増加、さらには学習分野の変化が激しいこれからの社会においては、差が大きい存在になるまで先生が育つのを待つのは現実的ではないかもしれません。待っている間に学ぶべき分野や内容も現在とは変化していく可能性が十分ありえます。敢えて近しい習熟レベルの者同士が相互に学び合える関係性を設計することで、関係者全員が猛スピードでレベルアップしていくーそんな学習の仕方が、これからの社会における持続可能な学習活動、教育活動かもしれません。

▲キュレーション企画について

イノベーション事例についてi.labがテーマにそって優れた事例のキュレーションを行い、紹介と解説を行います。
2022年のテーマは「サステナビリティ」です。

▲今回のキュレーション担当者

i.lab マネージング・ディレクター 横田幸信

▲i.labについて

i.labは、東京大学i.school ディレクター陣によって2011年に創業されたイノベーショ ン創出・実現のためのイノベーション ・デザインファームです。東京大学i.school(2017年4 月 より一般社団法人i.school)が世界中のイノベーション教育機関や専門機関の知見を研究しながら独自進化させてきた理論知と、i.labが産業界で磨いてきた実践知の両輪で、企業向けにイノベーションのためのプロジェクトを企画·運営しています。

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