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駄文

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あまりにも低い自己肯定感と、あまりにも高い自己愛。
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学生時代、京都に住んでいた記憶の話

学生時代、京都に住んでいた記憶の話

大学4年間を過ごした(らしい)京都、
1年半ぶりに京都へ臨む心情は極めてニュートラルだった。ただ、僕は間違いなくここに住んでいた。

学生時代を思い出して、感傷に浸るわけでもなく、世界的観光都市「京都」の京都を観光客として楽しむわけでもない。

華の無い学生生活を送っていたせいか、感傷的になる材料がない。
だからといって、今さら金閣寺を観たいとも思わない。むしろ、京都が「京都」を演じている様子はど

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他者と生きるということ(五竜山荘ピストン)

他者と生きるということ(五竜山荘ピストン)

8月13日、北アルプスは五竜山荘
私は山小屋で働き出した友人を訪ねた。

片道4時間程度の山登りは、運動不足の僕の体に随分と応えた。
でも、全身を使って黙々と歩みを進めるこの行為は、陸上競技部出身の性分には合っていて、なんだか楽しかった。

登山道には、夏山らしく草花が生き生きと生い茂っていた。
美しさに見惚れ、カメラを構えるけれど、あまり気を取られてはいけない。
目的地は山荘だ。

道中には、私

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【ご報告】横浜に引っ越します

【ご報告】横浜に引っ越します

転職の関係で、横浜へ引っ越すことになった。
横浜に住み、東京で働く、「横浜都民」というやつだ。

僕の地元に似た部分もありつつ、「東京」の波の中にいる少々不思議な場所なのだ。

「東京」とは?

ところで、現在僕は茨城県水戸市に住んでいる。

水戸にいると、つい意識してしまう場所が東京である。

駅の運賃表には100km以上先の山手線のウグイス色の円が描かれているし、
国道の青看にもこの街より南か

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記憶のインデックス

記憶のインデックス

んぁぁ、思い出せないなぁぁ。

記憶

過去に自分(自分たち)が得た情報たちのことだ。我々は記憶をもとに生きている。僕が手で水をすくって飲めるのは、それが冷たくて、しっとりとしてて、手で操れる程度の硬さで、割とおいしいことをどこかで知り、水を記憶しているからだ。

水のように、今までもこれからもしつこく触れるものなら記憶を失うことはない。しかし、一度しか会えていない人の顔や昔住んでた場所の匂いなど

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写真集という媒体

写真集という媒体

「写真はスマホのちぃちゃいモニタで見るもんじゃないでしょう。」

学生だった時分に、アイドルの写真集なんかをめくっていると
「うわ…ちょっ…○○ちゃん…そんなに見つめないで…」
と悶絶必至のショットがあったりする。

でも、この体験ってスマホの画面だと出来ないし、
ライフサイズを落とし込める写真集でしか得られない感覚だと思う。

しかも、写真集の「○○ちゃん」はスマホのそれのように光っていない。

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幸せすぎて大切なことが分かりづらくなった今だから

幸せすぎて大切なことが分かりづらくなった今だから

住むところがあり、ご飯を食べられて子孫を残すことができれば、人間幸せなんだろう。
むしろ幸福なんて追求せずに、黙々とその使命に徹しているのが本来の姿なんだろう。

しかし、我々現代人は口々に「幸せになりたい」と抜かす。
昔と違って(少なくとも私の周りでは)ご飯は食べられるし、
平穏に明日を迎えられる住処だってある。

もう十分幸せなはずのに何が足りないというのか。

とは言ったものの、
やっぱりど

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All Things Must Pass

All Things Must Pass

水際は引いては満ちて、
みずみずしい花はやがて干からびる。

永遠は存在しない。
すべてのものには旬があり、やがて消えてゆく。

僕のような若い人間は、
確かなものを過剰なまでに信仰し、
確かさこそが絶対的な美しさだと錯覚する。

しかし、確かさは悲しいほど脆い。
僕らが信じたものは突如として失われ、途端に不安に襲われる。

空が開けた晴天の次の日は、息が詰まるほどの曇天。
「ずっと好きだ」と誓い

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欲望に流されて

欲望に流され、のらりくらりと生きてきた。
特に目標もなく、ただ漫然と生きてきた。

面倒くさいことには目を塞ぎ、
嫌なことがあったら喚き、
周りのせいにする。

何でもかんでも欲しがってばかり。

我ながらなかなか最低な人生を歩んでいる。こんな人間は100年前ならのたれ死んでいただろう。

スマホ観る暇あるなら、机に向かえば?
目の前の子が自分を求めてくれないと嘆く前に、その子を喜ばせるようなこと

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日曜日の憂鬱

日曜日の憂鬱

本当に日曜のこの時間帯は嫌ですね〜
人間が苦しみや悲しみを忘れられる方法はないんだろうか

「仕事やだなぁ」って名前のドス黒い雲がモクモク襲ってくる感じ。
サザエさん終了とともに雷を伴った雨が降り始める。そして、金曜の午後くらいまでは「なんか嫌」な気分が立ち込めている。

今、24歳というこの時期がたまたま苦痛なんだろうか。もう少しすれば、心が晴れて、心地良い日曜日と平日を過ごせるんだろうか。

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人間、知りすぎない方が幸せだなぁ

「選択肢はいくつだってある」
「比較してなるべく良いものを選ぼう」
…こんな生活にはもう疲れてしまった。

僕は地方都市に住んでいる。
コンビニやスーパー、ニトリにユニクロ、無印良品…など生活に最低限の「インフラ」は整っている街だ。

しかし、最先端へ臨むには少々タイムラグが生じる。
例えば、ブランドの新商品がリリースされたとしても、
僕の街に届くのは数ヶ月後で、いち早くその実物を拝むには東京へ出

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改札を出て街へ出るとき

改札を出て街へ出るとき

これは旅先へのアプローチのお話

鉄道、航空機、船舶、自動車、バス、自転車、そして徒歩…

我々は好きな目的地に、好きな移動手段で向かう。

移動手段への価値観もさまざま、移動手段を一手段と見做す人もいれば移動手段を目的とする人もいる。

とはいえ、どの移動手段を使っても旅行は面白い。
それぞれの得手不得手を活かし目的に応じて旅のお供を選んでゆきたい。

もともと私は鉄道でばかり旅行をしていた。

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ゴールデンウィーク

僕は地元へ帰省した。

家族や親友、旧友たちと会う時間もあった。
それらはとても懐かしい時間だ。

どんなに月日が経ってても、彼らの声色と顔の表情を読み取れば、反射的に当時の自分になる。

現実は退屈な一方だが、思い出は美化される。過去に浸れるその時間は悲しいくらい楽しかった。

けれど、今回は少し違った。というより近頃どんな人と話しても疎外感や虚しさがあるのだ。

画用紙いっぱいにあったかい色で

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「梅」派

「梅」派

3月のある日、まだ寒さの残るお日柄

水戸の偕楽園は梅の花で埋め尽くされていた。

遠くから眺めても地味、桜のような豪快さはない。

黒くて細い木に、ポツ...ポツ...と
けれども確かに、静かに小さく、そこに咲いている。

ほのかに漂う上品で甘い香り。
目も鼻も楽しませてくれる花。

梅が冬の終わりを知らせると、やがて桜が春の訪れを教えてくれる。

桜は春の風物であり、春を表す記号だ。
「花見」

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良い意味で普通な人だよね

良い意味で普通な人だよね

「うーん、なんかパッとしないんだよね」

新卒1年目、私には実績がない。

過去の23年間を振り返っても、これといった取り柄があるわけでもない。
実家の父と母の間に生まれ、友人にも不自由せず、最終学歴も4年制大学卒、
身長が160cmと小柄なのが惜しいが、決して悪くない人生である。

ただ、こんな人間はごまんといる。
どうしたら「パッとする」人間になれるのだろうか。

「インパクトはないけど優しい

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