イカマリネ

地図を頼りに旅しながら写真を撮ってます。(横浜/SIGMAfp/ときどきNikon)

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マガジン

  • 駄文

    あまりにも低い自己肯定感と、あまりにも高い自己愛。

  • 写真機のお話

    普段使っているカメラについて。スマホではなく、あえてカメラを使うのはウンタラカンタラ。

  • DOTO travel campaign

    「マイナーだけど味わい深い場所で、量より質を重視するスタイル」の旅行をテーマに、 北海道の根室で過ごした。 最終目的地は野付半島、 道東特有の「最果ての予感」を味わう5日間。

  • 長崎

    長崎出身の友人2人と巡る長崎旅。 いつもの帰省の2人と、長崎初上陸の私の感動のギャップが目立った。

  • とんこつラーメンを食べに半日かけて九州に行った話

    手元に青春18きっぷが余っていたので、 九州にとんこつラーメンを食べに行こうと思い立った、ある夏の日。

最近の記事

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SIGMAfpとニッコール単焦点で臨む尾瀬

尾瀬といえば水芭蕉 でも、水芭蕉ってその辺の道端にはあまり見かけない。名前だけ知ってて、実は知らない存在だった。 2023年6月、 実物の水芭蕉を拝みたくて、職場の同期と尾瀬へ向かった。 台風一過の空、青く晴れ渡っていた。 今回の旅のお供はSIGMAfpとAiAFNikkor50mm/1.4D、 ボディは山道と木道を4〜5時間歩くことも考え「世界最小最軽量のフルサイズミラーレス」のfpを起用した。体力勝負のハイキング、装備は軽くしたいところ。 レンズのAFニッコールは

    • 【SIGMAfp】心の湿気の取り除き方 (霧ヶ峰編)

      梅雨明け。 東京のど真ん中。 腹が立つほどの熱気に通り雨、湿気が立ち込める。 フライパンの中の餃子はこんな気持ちなのか。 心の中の湿気。 周囲と噛み合うことが出来ないもどかしさ。何事も「うまく」出来ない自分の不甲斐なさ。 湿気が僕の心を腐らせる。 腐りたくない。 仕事帰りの電車でGoogle Mapをぼーっと眺めていた。 「信州でも行くか…」 日曜の未明、車を西へ走らせた。 とにかく東京から離れたかった。 朝5時、長野県は霧ヶ峰の入り口に到着した。 朝の霧ヶ峰

      • 【SIGMAfp】梅雨晴れ

        2024年の梅雨。 連日の雨、そして湿気と雲が僕の心を閉じ込める。 僕は空を見上げることなく、退屈な足元をただ眺める。 齢26にして、何一つ成していない。 そんな焦りと無力感の渦巻きを現すかのようだ。 7月も半ば、大山阿夫利神社を訪れた。 この日は珍しく晴れ間が覗いた。 梅雨の最中の晴れ間、梅雨晴れである。 久しく地面に刺し続けていた視線を、空の方へやった。じめっと湿気った空気の中を、陽の光がスッと抜けてきた。ジリジリと皮膚を焼いてくる。 夏の日差しのしつこさも、

        • 昨日は誕生日でした

          26歳。20代もあと4年。 ささやかなボーナスが振り込まれ、 大金持ちになった気分で外に繰り出す。 吉祥寺で服を買い、笹塚でレンズを買った。 来月の請求に震える自分の姿が目に浮かぶ。 ベタな話だが、子どもの頃の26歳は、もっと大人になっているものだと思っていた。もっとお金持ちだと思っていた。 実際は全く子どものままである。 それでも時間は確実に経っている。 同い年のアイドルを最近見なくなった。 同い年のサッカー選手は海外に行き始めた。 それでも価値観も確実に変わって

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        記事

          僕が撮りたい鉄道写真

          別冊ムーンライトVol.3 僕が撮りたい鉄道写真 特別な列車でもない。 なんでもない普通の列車で良い。 鉄道を利用する人たち、 当たり前のその光景が好きなんだ。

          僕が撮りたい鉄道写真

          かわってゆくということ

          別冊ムーンライト Vol.2 ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとゞまりたるためしなし。 『方丈記』冒頭文 すべてのものは過ぎ去って行き、 ひとつとして同じ時はない。 一瞬の記憶は、時とともに色褪せてしまう。せめてもの抵抗でシャッターを切る。写真という記録方法で、かわってゆく者たちを留めていく。 2024.5.22追記 あとがき いわゆる諸行無常を描きたくてこのフォトブックを制作した。また、これは僕

          かわってゆくということ

          真横浜#1〜真実の横浜を求めて〜

          「港町」「みなとみらい」「カモメ」… 無条件にポジティヴなイメージのある横浜市。 自動車のナンバープレートでもっとも人気なのは「横浜」だし、「どこに住んでいるんですか?」と尋ねられたら都道府県名より先に「横浜です」と言う。圧倒的な魅力を持った街である。 ただ、実際に住んでみると港と関わることなく生活している気がする。どうした?「港町横浜」?町中に潮風が吹いているんじゃないのか? それもそのはず、横浜のほとんどは多摩丘陵の上に造られたベッドタウンなのだ。関東ロームの丘とそ

          真横浜#1〜真実の横浜を求めて〜

          僕の「特急列車」 #ありがとう北陸本線

          幼い頃に見ていた電車のビデオ、 その一コマに北陸特急の走行シーンがあった。 クリーム色に赤い帯を巻いた特急列車が猛スピードでこちらへ駆けてくる。 高らかな車輪の音と共に、目の前を過ぎ行き、トンネルへ入ってゆく。 その生き生きとした列車たちは、特急のない地域で育った僕にとって、ビデオで見た北陸特急こそ「特急列車」のイメージそのものとなっていた。 時が過ぎ大学生になった僕は、京都に住むことになった。 人の溢れる京都駅0番乗り場 その喧騒に北陸特急が滑り込む。 ホーンを鳴

          僕の「特急列車」 #ありがとう北陸本線

          【NikonD200】オールラウンダーである必要はないんだ。

          主役は人間なのである。 その補完をするのが道具であり、人間が道具に支配されるのは望ましくない。 カメラにおいても、カメラに使われることなく、道具を使うことを大事にしたい。 ただ、近年中に発売したカメラは驚くほど高性能だ。人間が道具に操られている気すらする。 前回、NikonD200を購入した話をしたが、今回はその運用編である。 18年前のデジカメということもあり、ところどころがローテクで、2024年の今は使い勝手の良いカメラとはいえない。 1,020万画素の低画素

          【NikonD200】オールラウンダーである必要はないんだ。

          【NikonD200】必要最低限のスペック

          このスペックは本当に必要なのだろうか? 「最高30コマ/秒の高速連写」 「〜種類の被写体検出AF」 「1億画素CMOSセンサの高画質」 「ISO50000の高感度耐性」 「4K動画機能も備えた…」 この類の魅力的な売り文句が、量販店のカメラ売り場やECサイトに並んでいる。 実際、最新のカメラは、1台あれば何でもできるオールラウンダーで、小さなボディに贅沢なスペックがふんだんに詰め込まれている。 ただ、これらの売り文句は、僕にとって必要過剰に感じた。 自分の撮影用途に

          【NikonD200】必要最低限のスペック

          なぜか相性の良いカメラNikonF-801

          「使ってないフィルムカメラがあるんだけど…どうかな?…別に名機って訳ではないんだけど…」 「Nikon F-801」 大学2回生の秋、僕はひょんなことからこのカメラと出会った。高校時代の同級生から譲ってもらえることになったのだ。 当時、ニコンについて全く分からなかったためまずネットでスペックを調べた。 1988年発売のAF一眼レフフィルムカメラ、プラスチックのボディ、シャッタースピードはなんと8000分の1秒まで切れる。 鳥がどれだけ必死にバタつこうと、余裕で静止して

          なぜか相性の良いカメラNikonF-801

          茨城のことが大嫌いです。

          新卒で茨城県に配属となった。 当初、地元で働こうと思っていた僕は、気持ちの整理が全くつけられずにいた。 常磐線に乗せられ、過ぎゆく車窓を抜け殻のように眺めていた。あまりにも周りに何もない景色に、一体自分は何をしているんだろうと涙が出てきた。 当時始めたばかりの写真趣味も、茨城に来て以来、あまり気乗りしなかった。ただ、日が経つうちに自分の住わされているこの場所について何も知らない怖さを感じた。茨城とはどんな場所で、周りには何があるのだろうか。 これから出す写真は、茨城の地理

          茨城のことが大嫌いです。

          学生時代、京都に住んでいた記憶の話

          大学4年間を過ごした(らしい)京都、 1年半ぶりに京都へ臨む心情は極めてニュートラルだった。ただ、僕は間違いなくここに住んでいた。 学生時代を思い出して、感傷に浸るわけでもなく、世界的観光都市「京都」の京都を観光客として楽しむわけでもない。 華の無い学生生活を送っていたせいか、感傷的になる材料がない。 だからといって、今さら金閣寺を観たいとも思わない。むしろ、京都が「京都」を演じている様子はどこか気持ちが悪い。 どちらにも行き切らない、極めてニュートラルな心情だった。

          学生時代、京都に住んでいた記憶の話

          奥日光ワンダーランド

          栃木県日光市。 世界文化遺産「日光の社寺」である日光東照宮や日光二荒山神社のある観光都市だ。 今回は、そこをさらに奥地へ進んだ、「奥日光」と呼ばれるエリアのお話。 「日光」 そもそも「ニッコウ」って何なの?太陽の光? 僕はGoogleで「日光 由来」と検索をかけた。 「『日光』は二荒山(ふたらさん)の『二荒』を音読みしたのが由来です。」だそうだ。 そして、命名したのは弘法大師、本当に全国どこにでも現れる坊さんだ。 東日本の地名の由来は、半信半疑程度で捉えておいた方が良

          奥日光ワンダーランド

          【ご報告】横浜に引っ越します

          転職の関係で、横浜へ引っ越すことになった。 横浜に住み、東京で働く、「横浜都民」というやつだ。 僕の地元に似た部分もありつつ、「東京」の波の中にいる少々不思議な場所なのだ。 「東京」とは? ところで、現在僕は茨城県水戸市に住んでいる。 水戸にいると、つい意識してしまう場所が東京である。 駅の運賃表には100km以上先の山手線のウグイス色の円が描かれているし、 国道の青看にもこの街より南から「東京」が登場する。 茨城空港も国際上は「Tokyo Ibaraki Inte

          【ご報告】横浜に引っ越します

          他者と生きるということ(五竜山荘ピストン)

          8月13日、北アルプスは五竜山荘 私は山小屋で働き出した友人を訪ねた。 片道4時間程度の山登りは、運動不足の僕の体に随分と応えた。 でも、全身を使って黙々と歩みを進めるこの行為は、陸上競技部出身の性分には合っていて、なんだか楽しかった。 登山道には、夏山らしく草花が生き生きと生い茂っていた。 美しさに見惚れ、カメラを構えるけれど、あまり気を取られてはいけない。 目的地は山荘だ。 道中には、私以外にも登山者がいた。 私は序盤は飛ばしていたが、2時間を過ぎる頃には、バテ始め

          他者と生きるということ(五竜山荘ピストン)