オッペンハイマー人気
オッペンハイマーは人気者である。
残念ながら、現状そうとしか言いようがない。
先日、彼の伝記映画『オッペンハイマー』は、アカデミー賞で7冠を達成した。
彼の存在が人々を魅力しやすいことの危うさについては、以前記事で書いた。
彼は、被爆国・日本においても糾弾の対象になりにくいらしく、戦後は来日まで果たしている(1960年)。
何年か前に観たテレビ番組によると、「水爆の父」エドワード・テラーは、オッペンハイマーの人気に嫉妬していたという。
テラーは、「原爆の父」が注目される理由はその容貌にあると考えていたそうだ。
社会問題を考える際は、なるべく当事者の魅力に惑わされないほうがいい。
そのためには、まずオッペンハイマーに魅力があるということを認識せねばならない。
それから、映画でどう描かれているか知らないが、原爆開発に関しては科学者の責任のみならず政治家の責任をも問うべきだ。
原爆を作ったのは科学者だが、作るよう命じたのも(F. ローズヴェルト)使うよう命じたのも(トルーマン)政治家だからである。
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