桑子麻衣子

1986年横浜生まれの物書き。2013年よりシンガポール在住 。ヨガインストラクター・…

桑子麻衣子

1986年横浜生まれの物書き。2013年よりシンガポール在住 。ヨガインストラクター・アーユルヴェーダアドバイザーの経験を活かしWomen's Health / Yoga Journal Onlineなどで国内外のウェルネスについて執筆。現在は小説家を目指し新人賞に挑戦中

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    この【ウェルネス ブッククラブ】では、無類の本好きの私が、本の世界から気づいたウェルネスのヒントをシェアします。

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点と点が繋がる私の人生(自己紹介)

はじめまして!1986年横浜生まれの物書き・桑子麻衣子です。2013年結婚を機にシンガポールへ移住しました。2016年に子どもを出産し、家族3人で南の島生活を謳歌しています…

桑子麻衣子
11か月前
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#ウェルネス ブッククラブ『私と小林緑』

小林緑と聞いて、首をかしげる方ももしかしたらいるかもしれません。 「小林緑?」 「どこかで聞いたことあるな」 「どこにでもいそうな名前」 私がここで話している小林…

桑子麻衣子
7か月前
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感情(後編)

あらすじ 前編はこちら ***  「子供を産んでおけば良かったのよ」と、美穂は特に興味のなさそうな顔をしながら言い、子供の拳一つぶんくらい入りそうな大きな口でアマト…

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感情(前編)

あらすじ ***  その日は、朝から雨が降り続いていた。お昼を過ぎた辺りから雨脚は強まり、傘とできればレインジャケットがなくては、しっかり濡れてしまうような雨だった…

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不公平と勘違い

「そんなの不公平だ。」 そんな風に時々感じることがある。 最近感じた不公平は"体質"について。 私は身体が丈夫な方ではない。筋トレをサボると直ぐに腰が痛くなる。そ…

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私の常識とあの人の常識は違う

はらわたが煮えくりかえった。 「おい、それ非常識だろ!」 誰もいない部屋の中、ある仕事のパートナーから受け取ったメールを見て思わず叫んでしまった。 時計を見ると…

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点と点が繋がる私の人生(自己紹介)

点と点が繋がる私の人生(自己紹介)

はじめまして!1986年横浜生まれの物書き・桑子麻衣子です。2013年結婚を機にシンガポールへ移住しました。2016年に子どもを出産し、家族3人で南の島生活を謳歌しています。

物書きとして7年弱、日々文章を残していますが、現在私が挑戦しているのが「小説」というジャンルです。noteでは、小説を軸に文章を書いていきたいと思っています。

ということで、まずは簡単に自己紹介したいと思います。

わた

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#ウェルネス ブッククラブ『私と小林緑』

#ウェルネス ブッククラブ『私と小林緑』

小林緑と聞いて、首をかしげる方ももしかしたらいるかもしれません。

「小林緑?」
「どこかで聞いたことあるな」
「どこにでもいそうな名前」

私がここで話している小林緑は、村上春樹さんの代表作の1つ『ノルウェーの森』に出てくる小林緑です。

小林書店の次女で、
緑色の洋服は似合わなくて、
お姉さんの名前は桃子(お姉さんはピンクがすごく似合うんだとか)、
料理上手で、
変な歌を作詞作曲して、
入院中

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感情(後編)

感情(後編)

あらすじ

前編はこちら

***
 「子供を産んでおけば良かったのよ」と、美穂は特に興味のなさそうな顔をしながら言い、子供の拳一つぶんくらい入りそうな大きな口でアマトリチャーナを頬張った。

 まばらではあったが都心部には少しばかりの活気が戻りつつあり、少し前のゴーストタウンと化した風景が全て嘘だったような東京の中心で、そこまで大きな口でパスタを食べる必要はないのではないかと思いながら「ん?」と

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感情(前編)

感情(前編)

あらすじ

***
 その日は、朝から雨が降り続いていた。お昼を過ぎた辺りから雨脚は強まり、傘とできればレインジャケットがなくては、しっかり濡れてしまうような雨だった。小石のような大粒の雨水が真っ直ぐと降り注ぎ、コンクリートで固められた大地を湿らせる様子はどこか人工的で、まるで巨大なオーバーヘッドシャワーが天に備え付けられているようだった。気象庁は2週間前に「梅雨明け宣言」を発表していたが、その直

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不公平と勘違い

不公平と勘違い

「そんなの不公平だ。」

そんな風に時々感じることがある。

最近感じた不公平は"体質"について。

私は身体が丈夫な方ではない。筋トレをサボると直ぐに腰が痛くなる。それに食べ物の影響とかすぐ表に出る。

先日、娘と二人でバンコクに取材兼買付けに行った時。旅先ってどうしても食が偏る。ちゃんと意識すればいいんだろうけど、中々そうもいかない。だってワンパク2歳児連れてるから。

結果、自宅に戻った私は

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私の常識とあの人の常識は違う

私の常識とあの人の常識は違う

はらわたが煮えくりかえった。

「おい、それ非常識だろ!」

誰もいない部屋の中、ある仕事のパートナーから受け取ったメールを見て思わず叫んでしまった。

時計を見るともう17時10分だ。娘を幼稚園に迎えに行かないといけない。いつもの優しい笑顔で「おかえり〜」と言って、抱きしめるんだ。笑顔…笑顔…。

そう言い聞かせて急いで家を後にし、自転車にまたがった。

「オンオフ…オンオフ…。もう仕事の時間は

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