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旅エッセイ

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#ごはん

骨が変わる日は骨身にしみる

骨が変わる日は骨身にしみる

今日、骨が変わった。ちなみに、私の肋骨は昨日のそれと同じである。

「今日まだ骨の出汁が出よるか分からんのや。薄かったら出汁足すから言うてや」
「おばちゃん、そんなん朝早いねんからしゃーないやろ。なんでもかまへんで」

それもそのはずまだ朝10時なのだ。こんな時間からラーメン屋の中華そばの出汁が完璧に出てるとは思っていない。

「ちゃうねん、兄ちゃん。今まで使てた肉屋がもう閉める言いよるんで。ウチ

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おでんをねだる女子高生は「今が一番楽しいとき」らしい

おでんをねだる女子高生は「今が一番楽しいとき」らしい

昼も過ぎた15時頃、原付に乗ってたどり着いた高知県・仁淀川町のドライブイン。ドライブインという言葉自体に懐かしさを感じていると、店先でおでんが売られていることに気がついた。

昼食を取りそこねていた私は、逆にもう空腹の峠を超えていたこともあり、おでんくらいで軽く済まそうという気分になった。

店のおばちゃんが言うには、自分で好きな串を自由に取るスタイルらしい。卵やら厚揚げやらを手に取り、ノンアルコ

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甘すぎる麦茶とミャンマー旅行

甘すぎる麦茶とミャンマー旅行

記憶は味に宿る。

思い出せない異国での日々最近とあるお笑い芸人が、学生時代に足しげく通った中華屋の味によく似たつけ麺を見つけたらしい。そのよく似たつけ麺を食べると、人生でほとんど思い出していなかった学生時代の記憶が雨あられのようによみがえってきたという。そんな話を耳にした折、

とふと学生さんに尋ねられる機会があった。一番と言われると案外難しい。印象的な思い出はどこの国にも、沢山あるはずなのに。

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