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ロングコビット
2019年から発生した新型コロナウイルス(COVID-19)、現在も変異を繰り返しながら世界中に感染をもたらせております。
その中で、新型コロナウイルス感染を発症してから回復しても倦怠感(けんたいかん)、筋力低下、味覚障害、咳、手足のしびれ、頭痛、脱毛など様々な症状が長期間続いているケースが報告されています。
また、数ヶ月に症状が出現、軽症者でも発症など日常生活に支障が出ているケースも少ないといわれており問題となっています。
これを「ロングコビット(LONG COVID)」といいます。
ロングコビットは、数か月後に回復する人もいれば、後遺症として残ってしまう、最悪の場合は死亡している人もいるといわれています。
実際、当院の患者様でロングコビットの疑いの方が数名いて施術をしましたが、ロングコビットと確定することは非常に困難です。
そのため、新型コロナウイルス後遺症外来に通院している人も多くいます。
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1.ロングコビットの研究データ
① 中国・武漢の研究グループのデータ
中国・武漢市の病院から新型コロナウイルス感染症で退院した患者1,773名の例を対象として、退院6ヶ月後に聞き取り調査をしたところ、何らかの後遺症を訴える患者が76%いた報告があります。
その内役は、以下の通りとなります。
・倦怠感・筋力低下 63%
・睡眠障害 26%
・脱毛 22%
・嗅覚障害 11%
・動悸 9%
・関節痛 9%
・食欲不振 8%
・味覚障害 7%
・めまい 6%
・下痢・嘔吐 5%
・胸痛 5% など
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② 米・ワシントン大学の研究グループのデータ
新型コロナウイルス感染症の患者177名の例を発症後9ヶ月間追跡調査したところ、対象者の9割近くを占める軽症外来患者の約33%は、何らかの後遺症を抱えていることが判明した報告があります。
また、軽症外来患者でも家事など日常生活動作に支障が生じたケースが約6%みられた報告もあります。
③ 英・オックスフォード大学の研究グループのデータ
新型コロナウイルス感染症に感染した約23万6,000名の例を分析したところ、診断から半年以内に約34%が精神・神経疾患の診断を受けました。
多くみられたのは、不安障害(約17%)、気分障害(約14%)などでした。
脳卒中や認知症などの神経障害は発症率は低めでしたが、重症患者にかなりの割合でみられました。
④ 国立国際医療研究センター病院の研究グループのデータ
新型コロナウイルス感染症で同病院に入院し、2020年2~6月に退院した患者63名を例に7~8月にかけて聞き取りしたところ、後遺症の脱毛は約24%にみられ、発症後すぐに脱毛することはなく、発症2ヶ月後に脱毛することが多いことがわかりました。
脱毛が治るのにかかったのは2ヶ月以上でした
これらの研究データをみてみると、世界中にロングコビットの人が多いのがわかります。
2.ロングコビットのメカニズム
ロングコビットのメカニズムは、様々な説が関与しているといわれていますが、現在のところはっきりとしたことはわかっていません。
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3.ロングコビットの治療
現在のところ根本的な治療法はなく、対症療法(ロングコビットの症状に対する治療)になります。
以下のような報告があり、参考にして頂ければと思います。
コロナ後遺症のある人がワクチン接種をしたところ、疲労感や息苦しさ、不眠などの症状が改善したことが明らかになりました。今年3月、medRxivに報告された英・ブリストル大学の研究グループのデータでは、ワクチン未接種群(22人)の後遺症の改善率が15.4%に対して、ワクチン接種群(44人)は23.2%と有意に高くなっていました。ワクチン接種で活性化した免疫細胞が回復後も体内に残存していた微量のコロナウイルスを消滅させた可能性が仮説として考えられています。
4.運 動
ここでは、ロングコビットで多い倦怠感・筋力低下の対処法についていきます。
実際に私の身の周りで新型コロナウイルス感染症になった人もこのような症状が残っている人が多くいます。
その中で、新型コロナウイルスに感染した人から聞いた話しや理学療法の分野でロングコビットの効果が期待できるのは運動になります。
科学的根拠はなく、全ての人に効果があるとは限らないと思いますが、ロングコビットでお悩みの方は、是非参考にして頂ければと思います。
もし、ロングコビットが辛く運動する気にもなれないという方は、まずは総合診療科、心療内科、新型コロナウイルス後遺症外来を受診してください。
① 有酸素運動
ウォーキング、ジョギング、自転車などの酸素を全身に送る運動になります。
目安は、週5回を20分以上の有酸素運動ができれば理想ですが、最初は軽めからでいいので、例えば週3から開始、10分から開始などと運動がストレスにならない程度から始めるのがいいと思います(散歩から始めてもといいと思います)。
大事なのは、まずは2ヶ月継続することになります。
なぜなら、2ヶ月ぐらいに脳内の様々な活性化が起こり、神経系に良い影響がでていくことが考えられているからです。
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② 筋トレ
筋トレも重要となり、有酸素運動と組み合わせて実施すると良いでしょう。
効率的に筋トレを実施するためには、筋トレマシンが有効です。
そのためには、筋トレマシンがあるジムに入会するのが手っ取り早い方法です。
なぜなら、自宅で筋トレをすることをしないからです!
中には、経済的な問題、身体に対してストイックの方は自宅で筋トレをする人もおりますが、ほとんどの人はやらないか、三日坊主で終了してしまいます。「自宅はくつろぐもの、ゆっくりするもの」と思っているのかもしれないですね。
ですので、ジムに自己投資してジムに通ったほうが、運動を実行できることでしょう。
私事になりますが、皆さんは学生時代に自宅で勉強をしましたか❓
私は自宅で勉強は一切やらず、外出して喫茶店などで勉強をしていました。
これは、運動でも同じことがいえると思います。
では、筋トレはどの程度やればいいのかというと、筋トレ頻度は週2回が理想で、有酸素運動同様にまずは2ヶ月継続することです。
ですが、最初は無理をせず、最低週1からスタートしてみてもいいでしょう。
継続するためには、辛い筋トレはストレスになるため、なるべく辛くない程度で、例えば回数を5回ぐらいで始めてみましょう。
ジムに行かずに自分で筋トレを行う場合は、スロトレをお勧めします。
トレーニング内容に関しては、YouTubeなどでご確認ください。
【 スロトレ 】
スロートレーニングはウエイトトレーニング方法の一種。「スロトレ」とも呼ばれる。ゆっくりとした動作で筋肉に負荷をかける。例えば5kgのダンベルを2秒で上げ、10秒かけながらゆっくり下ろすなどの動作になる。 速い動作で重いものを持ち上げようとすると、全身の反動を使ってしまうことが多い。
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以上で、ロングコビットについて解説させて頂きました。
当院でロングコビット疑いでご来院された患者様は、手技施術をしても数日で症状が戻り、変化がないことがほとんどです。
そういった意味では、施術ではなく身体を動かすように運動をしてみるのがいいと思います。
すぐには効果は出ませんが、少しづつやってみてください。
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