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論語

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2021年6月の記事一覧

これを知る者は、これを好むに如かず。これを好む者は、これを楽しむに如かず。(論語 雍也篇)

これを知る者は、これを好むに如かず。これを好む者は、これを楽しむに如かず。(論語 雍也篇)

(意味)
知っていることは、好むということに及ばず、好むということは楽しむということに及ばない。

 知 < 好 < 楽仕事でもプライベートでも、心から楽しいと思えたり、拘れると思えることってあります。無意識的に楽しいと感じるということは、自分の考え方や行動規範に合致しているのでしょうね。そこにハマった仕事は諦めることなく継続することができます。
 孔子は学(自己修養)について「楽」の域に達せよ、

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力足らざる者は中道にして廃す。今女(なんじ)は画す。(論語 雍也篇)

力足らざる者は中道にして廃す。今女(なんじ)は画す。(論語 雍也篇)

(意味)力のない者はないなりに、途中で挫折して中止するのは止むを得ない。
しかし、それをも実行せずに自分に見切りをつけることがいけないなのだ。

 これは、孔子の弟子、冉求(ぜんきゅう)が「先生の説く道はまことに結構なことで、よろこばないわけではないのですが、とても自分のようなものは力不足で実行が難しいのです。」と言ったことに対して、お灸を据えた言葉です。

実践してこその「道」
 論語は学問的な

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吾、日に三たび吾が身を省みる。人のために謀りて忠ならざるか、朋友と交わりて信ならざるか、伝わりて習わざるか。(論語 学而)

吾、日に三たび吾が身を省みる。人のために謀りて忠ならざるか、朋友と交わりて信ならざるか、伝わりて習わざるか。(論語 学而)

(意味)私は自身の行動を、毎日何回も怠らず振り返って観察している。それは、
- 人のために物事を考えて自分の努力に不足な点はなかったか、
- 友人と交際して自分の言行に不誠実な点はなかったか、
- また先生から学んだことを放っておいて復習しなかったことがなかったか。

日々内省 一日の最後に、短いですが日記を書いています。これを習慣化することで、その日を振り返ってこうすればよかった、上手くいった、

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富と貴きはこれ人の欲する所なり。その道を以ってこれを得ざれば処(よ)らざるなり。 (論語  里仁篇)

富と貴きはこれ人の欲する所なり。その道を以ってこれを得ざれば処(よ)らざるなり。 (論語  里仁篇)

(意味) 富や名誉は誰でも手に入れたいものである。だが、真っ当な生き方をして手に入れたものでないならば、しがみつくべきではない。

仁を持った利でなければならない
 日曜日(6月20日)の「大河ドラマ 青天を衝け」で引用されていましたね。そこで急遽取り上げることとしました。「論語と算盤」(渋沢栄一)では、「第四章 仁義と富貴」という章に現れます。

 孔子は、富貴を卑しんでいる訳ではありません。そ

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巧言令色少なし仁 (論語 学而篇)

巧言令色少なし仁 (論語 学而篇)

(意味) 人に接する際に、言葉巧みに尤もらしいことを言ったり、体裁にのみこだわる人には、不仁者が多い。

 これと対となる言葉も紹介します。

「剛毅朴訥仁に近し」(論語 子路)

孔子の教えは、「仁」に始まり「仁」に終わる 仁とは論語の中で最も重要視する価値観であり、仁者となるための立ち居振る舞い、考え方について、孔子は繰り返し弟子に諭しています。仁者となるために学び、鍛錬し続けよと励まします。

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40歳になったので、思い切り迷うことにする。

40歳になったので、思い切り迷うことにする。

本日2021年6月9日、40歳になった。
40と言えば、「不惑」。

論語でよく聞く、

「吾(われ)、十五にして学を志す」

から始まって、二十、三十ときて、四十がこれ。

「四十にして惑わず(四十而不惑)」

よくある日本語訳だと、
「40歳になると、心に迷いがなくなる」

「いやいや、そんなのムリでしょー」と思い、ひいては「論語のような清らかな生き方は、私には到底ムリだ」というイメージを抱い

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事に敏して、言に慎む。有道に就きて正す。学を好むと謂う可きのみ。 (論語 学而第一)

事に敏して、言に慎む。有道に就きて正す。学を好むと謂う可きのみ。 (論語 学而第一)

(意味) 行動は俊敏、発言は慎重、道義を体得した人に師事して批判を乞う。そうした人は学を好むと言えよう。

孔子にとっての「学」の姿勢とは①事に敏
②言に慎
③師事して正す

①事において俊敏であること。
 一般にこれは学なのか?と迷いましたが、つまりアウトプットなのだと。インプットしたことを速やかに実践する、という解釈をしました。

 次の記事に書きましたが、人は生まれたばかりは差異が殆ど無いも

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君子不器 (論語 為政第二)

君子不器 (論語 為政第二)

(意味)
君子は、使途の決まった器であってはならない。

 大変簡素な言葉ですね。ここで特徴的なのは、もはや「器」という一文字だけです。ということで、「器」に焦点を当ててみることとします。

「器」器量が良い
器が大きい
大器晩成

器を使った慣用句っていろいろ出てきますね。
「器量が良い」の「器」は生まれ持った性質、才能、容姿の意味です。
 今回の「君子不器」でも、人の能力を器に例えています。自

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子、四を断つ。意なく、必なく、固なく、我なし。 (論語 巻第五 子罕第九の四)

子、四を断つ。意なく、必なく、固なく、我なし。 (論語 巻第五 子罕第九の四)

(意味)先生は四つのことが決して無かった。
 ・私意で勝手にやること
 ・なんでも予め決めたことをやること
 ・一つのことに固執すること
 ・利己的になって我をはること

この、四つの項目「意、必、固、我」に共通することは、
 全体の利益ではなく、自分の利益に従順になること、そして、柔軟性が無いこと、その二つなんだと思います。
 これらの観点で自らを振り返ると、自らの振る舞い、考え方を軌道修正する

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