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#未来のためにできること 応募作品 | エッセイ | 脚本を創る人

このエッセイは、先日公開したホラー劇の脚本をつくるきっかけについて書いたものです。

ホラー劇は応募規定1,000文字を大幅にオーバーし、この裏話は慌てて飛び出してきました。

ですので、以下の記事を読んでくださった方には内容が同じなので、お読みいただかずとも大丈夫です。すみません。

先日のホラー劇を未読の方は、よろしければ見届けてください。初めて脚本に挑戦しました。

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下線から下が、 文藝春秋×noteの #未来のためにできること 応募作品です。よろしくお願い申し上げます。




脚本を創る人


映画や演劇が好きです。

六年ほど前、安藤桃子監督のミニシアターで上映された映画は、一高校生が監督・脚本・主演をしたものでした。

それだけでも驚きなのですが、不満を持っていた対象を巻き込んでいくのです、映画を通して。

こんなことがあったという事実をノンフィクションで伝える勇気ある作品。

更に、もやもやの原因を作った張本人をキャスティングするという、大人はまず出来ないことをやってのけたのでした。

仲間や予算のない中、ひとりの若者が苦心し孤軍奮闘する。そうやって映画を創り上げる中で、仲違いした人とも絆を深めていけるのだと驚きました。


この映画は、ここで終わりません。
ここからが、奇跡の連続でした。

映画館を出た後、その子の周りに映画に関わる仕事をしている大人が取り囲みます。夢を諦めずに進んでいこうと熱く語っている方が大勢いました。

そんな熱気あふれる人々の中に、お一人だけ泣いておられる方がいました。


お母様でした。

私はお母様とお話し、東京で夢を叶えたいのはわかるけれど…と心配されるのはもっともだと思いました。

お姉様も交えみんなでお話する中で、対立関係が変わるのがわかりました。

何かあったら、何があっても、お母さんがついているよということが娘さん達に伝わった瞬間でした。



その夜、いつか私も彼女のように書けたらと憧れたのです。

私が考えた物語を、どなたかが朗読してくださったり劇として演じてくださったら、どんなに幸せだろうかと想像したのでした。


私が妄想するだけの日々を過ごす間、名もなき高校生はひらすら映画製作を学び、社会人になったその人は、とうとう本当のfilmmakerとなります。

映画のエンドロールに、脚本家としてあの子のお名前が流れたとき涙が出て仕方ありませんでした。



私も、書いてみよう。

この小さな小さな脚本は、映画館を出た後、おびさんロードを歩きながら考えた物語です。


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