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【ネタバレ】朝ドラ『澪つくし』感想

BS朝ドラ再放送枠『澪つくし』明日で最終回。
最終週になって戦争編に突入し、怒涛の展開に失禁レベル。

というか、あと二回しかないのに、こんなことになっていいのか……?(※褒め言葉)
変な言い方だが、優しい人にはここまで残酷な展開は書けないと思う。

脚本のジェームス氏のお人柄は色々アレなところもあるだろうが、さすがの筆力。最近の「ちょっと戦争シーン入れてみました」的なアレとは比べ物にならない。ここに至るまでの人物描写がかなり丁寧だっただけに、「あのようなこと」になって衝撃度が桁違い。

あと二回でどうやって結末を付けるのか……? わくわくドキドキ。
これぞ、(近年にはない)帯ドラの醍醐味。




本日(3.27)、BSの朝ドラ再放送枠で去年秋から始まった『澪つくし』が最終回を迎えた。

久々に――というか、再放送なので当たり前だが、昔ながらの正統的朝ドラを拝見させていただいた。
以下感想を書くが、ネタバレがあるので未見の方はくれぐれもご注意いただきたい。





では



書く。







大まかに言って、ヒロインかをるとヒーロー(?)惣吉の純愛物だが、ハッピーエンドが大半を占める朝ドラの中で、まさかの悲恋で幕を閉じる。

いや、一度は夫婦になった二人だが、惣吉が嵐の中漁に出て、そのまま海に投げ出されてしまい、そのまま行方不明になる。それから数年経過。
どう考えても「死亡フラグ」しかないこの状況で、なんとアメリカの巡視船に発見され、フィリピンで記憶喪失になって生きていた、というのだから恐れ入る。

一言でいえば「ありえない」展開だが、これ以前にも史実を絡めたドラマティックな筋立てを連続させ、視聴者を飽きさせないようにしたアイディアの一つだろう。その後、脚本担当のジェームス氏は、大河ドラマをはじめ、次々とヒットドラマを手掛けている。


さらにこのドラマが異例だったのは、戦争がストーリーにかかわる場合、大抵中盤に出てきて、時代に翻弄されたヒロインが立ち直る場面を描くものだが、このドラマでは終盤にもってきている。
しかも、メインキャラの大半が亡くなり、しかもかをると惣吉は(この時点では)結ばれることなく、おそらく視聴者は茫然としたまま最終回を迎える。

この構成を良いとか悪いとかは言える立場にはないが、ほぼ全員が善人なのに、むごたらしい死に方をしてしまったことに衝撃を受けた。
それぞれの人物描写はとてもていねいで、登場人物にたっぷりと感情移入をさせておいて、一気に死なせるという展開は、視聴者としては「ちょっとこれどうなの……」と思うが、書く側からすれば、まさに見事としか言いようがない。


ただ、ラストに流れるナレーターのポエム

恋は危険な訪問者である
しかし、人は誰でも恋を待っている

恋にめぐり合わない人生は、寂しくむなしい


は、やはり、1985年(この番組が放送された当時)の価値観だなぁ、とは思うが。


前回の『はね駒』に引き続き、今回も半年間楽しませていただいた。

いま、この時期だからこそ、面白いエンタメは人々の心を癒し、活力を与えてくれる。

本当は、再放送ではなく「本家」のほうでそうしていただきたいところだが……。



余談。

ウィキペディアのこのドラマでの説明によると、「ラッパの弥太郎」役で出演したさんま師匠は、「徐々に出演回数が減っていった」「端役同然の扱いとなった」と書かれていたが(のちにこの記述は一部修正・削除)、僕が観たところ、ヒロインのかをるの行く先々にべったりとくっついていたので、端役ではないのはもちろん、そこそこ出番は多かったと思う。

さらに、人物説明で「戦死を遂げた」と書かれていた人物が無事に帰ってきたりと、匿名記述ならではの特徴も見られた。

ま、「ウィキペディアに書いてることを何でも信じるな」ということであろう。


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