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【蔡國強 宇宙遊ー<原初火球>から始まる】鑑賞レポ(前編)

都内各所でポスターを見かけてから、絶対見に行きたい!と思っていた蔡國強さんの展示。暑くて天気のいい日に、国立新美術館まで足を伸ばして素敵な作品を拝見してきました。

▼後編はコチラ


思わず「サイバーポップ中華遊園地」を想像した光の作品

入場して真っ先に目に入るのは、展示室の奥半分に取り付けられた、綺麗な電飾。それは、遊園地の遊具にネオンが取り付けられたかのような風体でした。

様々なパターンで、LEDの色や光り方が変化する

(以下、公式webサイトより展示の説明を引用)

もうひとつの核は、LEDを使った大規模なキネティック・ライト・インスタレーション《未知との遭遇》であり、観客は作品の中を自由に歩きながら体感することができます。

蔡國強 宇宙遊 ―〈原初火球〉から始まる

タイトルにもあるように、この展示のキーワードは、「原初」、「火球」、「宇宙」。展示室の中は、まさに、蔡さんによって再現された、爆発する宇宙のようでした。

光の作品のモチーフは様々で、人の顔のようなものだったり、明らかにUFOっぽいものだったり。太陽のようなものや、中国の偉い人のようなものもありました。

不思議だったのは、これらを鑑賞している時に、私の心にふわふわとした高揚感が湧いてきたことです。一番初めに展示を目にした時にパッと私の頭に浮かんだのは「サイバーポップ中華遊園地」でしたが、それに影響されたのでしょうか…。
ゆらゆらと揺れ、ゆっくり回っている光のモチーフは、確かに花火のようでもあり、祭りに漂う熱気や興奮といった記憶を呼び覚ますようでした。それと同時に、比較的現代的なLEDの光が赤や朱に光る時、原始に人類が火と初めて出会った場面を目の当たりにするようなあたたかさを感じたような気がしました。

これが、蔡さんが追い求め、私たちに共有しようとしている「原初」の景色であり、私たち人類が共有する歴史としての経緯なのかもしれません。

この、《未知との遭遇》から発せられる光に包まれながら鑑賞した、他の展示については、後半で。

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