俯いている人がいたとして、こちらから声をかけなければ、その人はずっとそうしているだろう。悩みの核心は深層にあると思うけど、話かけて、あなたの声を聞きたいと思ってる人が目の前にいますよ、とそよ風レベルで伝えたい。
9/22-1 妹の俯いた表情を見て、合点がいった私はオーナーに聞いた。 「どうすればいいですか?」 「当然、契約は解除していただきます。違約金も――」 「違約金は勘弁願えませんか。店を元通りに修復しますので」 オーナーは苦々しい表情を隠そうともせず私に言った。